2018年 05月 21日
「藤田佳三 展 海のシルクロード」 開催のお知らせ

下:染付色彩輪花鉢 (径27×高6.3cm)
5月26日(土)から6月3日(日)まで開催する「藤田佳三 展 海のシルクロード」 のご案内です。
藤田佳三さんは1963年京都市生まれ。現在、京都府亀岡市で制作されています。風雅な染付や赤絵の食器で定評のある方です。通常、染付や赤絵は磁土をベースとした硬質なものが多いですが、藤田さんの場合、陶土を用いて白化粧を施した上に絵を描くことで、柔らかな印象の器に仕立てるのが特徴です。絵付けにおいては、安南手と呼ばれる滲んだような染付、宋赤絵のように余白のある絵柄など、柔らかで洒脱なタッチが、日常的な食器として親近感を呼び起こすのです。
日本の染付や赤絵の原点を辿れば、中国の明代に行きつくのですが、当時は中東、東南アジア、欧州、そして日本の東西に跨る陶磁器の大きな文化交流がおこりました。陶磁器の場合、その性質(重量、破損)から陸の輸送よりも、当時飛躍的に発達した海上交通による交易がその文化を発展させたのです。陸のシルクロードに対して、海のシルクロード。藤田さんは最近、その当時の異国情緒のある絵柄を好んで描いています。精緻を極める中国的な絵よりも、技術と文化がその土地に融け合って曖昧になっていく南洋や西方の絵筆のさま。そんな緩みある絵柄に、かえって人間的な情緒性を感じ、遠い国の浪漫を思い浮かべるのです。
今回、定番の食器に加え、東南アジアから中東までのイメージを捉えた器を出品します。藤田さんの浪漫ある雅陶の世界をたっぷりとご堪能頂ければ幸いです。店主
藤田佳三プロフィール
1963年 京都市生まれ
1982年 京都市銅駝美術工芸高校修了
1986年 京都芸術短期大学陶芸専攻科修了
1987年 小川文斎氏に師事
1988年 走泥社・林秀行氏に薫陶を受ける
1990年 兵庫県丹波立杭にて修行
1993年 京都府亀岡市にて独立開窯
2018年 現在、同地にて制作
藤田佳三 展 海のシルクロード
2018年5月26日(土)~6月3日(日)会期中無休
営業時間 11時~18時
作家在廊日 5月26日(土)・27日(日)
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図
安南手象形扁壺(幅25.5 奥行12 高さ15cm)
by sora_hikari | 2018-05-21 18:50 | 藤田佳三展2018