「松永圭太展 蛻 [Monuke]」開催のお知らせ

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5月12日(土)から20日(日)に開催する「松永圭太展 蛻 [Monuke]」のご案内です。

MONUKE、つまり蛻(もぬけ)の殻。岐阜県多治見市で製作する松永圭太さんの作品です。抜け殻、からっぽ、空洞。しかし何もそこに無かったのではなく、何かが抜け出た痕跡であり、寂寥とした虚しさも伴います。考えてみれば、うつわは内側に何かを湛える容器であって、小さな空間を包んだ物体です。器は虚ろ。茶碗は、その虚空に深遠な世界を見てとり形而上の概念を醸成します。「塵埃 (じんあい)の世を蟬蛻 (せんぜい)す」とは、俗世間から解脱すること。この超然とした存在感こそ、MONUKEの求める概念なのです。

松永さんの作品は、非実用であれ、実用であれ、うつわを核とした発意が根底にあります。内包された空間から表層に現れる無為自然な力学の美、そこがポイントです。数理的なフォルムの石膏型に内側から粘土を押しつけて成形していくプロセスを経て、外側に生まれるテクスチャーは手つかずの原土によるものです。半球にした粘土を2つ転置して合せ、自重と焼成で圧する姿を留めています。彼は建築を学んでおり、粘土の可塑性と建築的剛性のバランスを敢えて崩すことで、陶土作品の造形を試みています。CADでおこされた幾何学的フォルムに自然原土の粗さを掛け合わせた不整合の妙が松永作品の表現を成し得ているでしょう。

さて今展ではこのMONUKEの造形物と共に、プレート、ボウル、茶碗、花入れなど実用の器も同時に出品されます。多治見の若手ホープ、松永圭太さんの今を見て頂ければと思います。店主

松永圭太プロフィール
1986年 岐阜県多治見市生まれ
2010年 名城大学建築学科 卒業
2013年 多治見市陶磁器意匠研究所 修了
2016年 金沢卯辰山工芸工房 修了
2018年 現在、岐阜県可児市で制作中


松永圭太展 蛻 [Monuke]
2018年5月12日(土)~20日(日) 会期中無休
営業時間 11時~18時 
作家在廊日 5月12日(土)・13日(日)・20日(日)
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6

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by sora_hikari | 2018-05-02 11:32 | 松永圭太展2018

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