2018年 04月 28日
「長谷川奈津展 林檎の花」 8日目
「長谷川奈津展 林檎の花」の8日目。会期は明日4月29日(土)で終了します。
写真は長谷川奈津さんが暮らす神奈川県相模原市の工房の様子です。今は編入合併されて「藤野町」と呼ばれなくなりましたが、青木亮さんをはじめ、いろいろな陶芸家やアーチストを育んできたこの地名の方が、いまだに親しみが持てます。東京から近からず、かといって遠過ぎず、モノ作りをしながら暮らすには恵まれた里山でしょう。伝統的な産地でないゆえか、従来の陶芸界(美術界)や市場の価値観に縛られずに、現代の生活目線でモノ作りをされている方が多いように思います。
長谷川さんの陶芸原体験は、幼稚園の頃から家族で通った栃木県今市にある宿泊施設併設の陶芸体験教室だったそうです。そこで教えていた陶芸家・橋本誠さんの土や焼きへの取り組み方に影響をうけ、憧れをもったそうです。
大学は東京芸術大学に進み、大学院陶芸専攻課程を修了しました。当時の芸大の学風からすれば、卒業後は伝統工芸や美術工芸系に進む方が多かったと思いますが、意外にもうつわ作家であった青木亮さんの元に師事したことが、長谷川さんの今のお仕事に大きく影響しています。
2000年頃から顕著になり始めた暮らしに向けた「うつわ」。今でこそ当たり前の世界ですが、青木亮さんや長谷川さんたちが作ってこられた「うつわ」の価値観が、大きく陶芸の在り方を変えたと思っています。表現や技巧による個性を主張するのではなく、暮らしの中から生れる「うつわ」。身の回りにある大切なことと繋がった美しいもの。今は「生活工芸」と呼ばれることもありますが、狭い定義ではなく、俯瞰して見れば確かに時代を変化させる契機であったと思います。
今は、さらに生活側に向いた「うつわ」が多く流通するようになりました。しかし安易に広がり過ぎた価値観は、当時育ちつつあった文化の精神的成熟からは逆行しているようにも見えます。いまあらためて長谷川さんのお仕事を見つめ直すことで、その造形的意味、うつわの在り方を自分自身に問いかけてみたいと思っています。








写真は長谷川奈津さんが暮らす神奈川県相模原市の工房の様子です。今は編入合併されて「藤野町」と呼ばれなくなりましたが、青木亮さんをはじめ、いろいろな陶芸家やアーチストを育んできたこの地名の方が、いまだに親しみが持てます。東京から近からず、かといって遠過ぎず、モノ作りをしながら暮らすには恵まれた里山でしょう。伝統的な産地でないゆえか、従来の陶芸界(美術界)や市場の価値観に縛られずに、現代の生活目線でモノ作りをされている方が多いように思います。
長谷川さんの陶芸原体験は、幼稚園の頃から家族で通った栃木県今市にある宿泊施設併設の陶芸体験教室だったそうです。そこで教えていた陶芸家・橋本誠さんの土や焼きへの取り組み方に影響をうけ、憧れをもったそうです。
大学は東京芸術大学に進み、大学院陶芸専攻課程を修了しました。当時の芸大の学風からすれば、卒業後は伝統工芸や美術工芸系に進む方が多かったと思いますが、意外にもうつわ作家であった青木亮さんの元に師事したことが、長谷川さんの今のお仕事に大きく影響しています。
2000年頃から顕著になり始めた暮らしに向けた「うつわ」。今でこそ当たり前の世界ですが、青木亮さんや長谷川さんたちが作ってこられた「うつわ」の価値観が、大きく陶芸の在り方を変えたと思っています。表現や技巧による個性を主張するのではなく、暮らしの中から生れる「うつわ」。身の回りにある大切なことと繋がった美しいもの。今は「生活工芸」と呼ばれることもありますが、狭い定義ではなく、俯瞰して見れば確かに時代を変化させる契機であったと思います。
今は、さらに生活側に向いた「うつわ」が多く流通するようになりました。しかし安易に広がり過ぎた価値観は、当時育ちつつあった文化の精神的成熟からは逆行しているようにも見えます。いまあらためて長谷川さんのお仕事を見つめ直すことで、その造形的意味、うつわの在り方を自分自身に問いかけてみたいと思っています。








長谷川奈津展 林檎の花
2018年 4月21日(土)~29日(日) 会期中無休
営業時間 11時~18時
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6)地図
長谷川奈津プロフィール
1967年 東京生まれ
1994年 東京芸術大学 大学院陶芸専攻修了
1995年 青木亮氏のもと塊工房で学ぶ
1997年 神奈川県津久井郡(現 相模原市)に築窯
2018年 現在同地にて作陶
by sora_hikari | 2018-04-28 19:21 | 長谷川奈津 展