2018年 03月 30日
「 西浦裕太 木彫刻展 」 7日目-2
「西浦裕太 木彫刻展」の7日目。会期は残り2日となりました。最終日の4月1日は再び西浦さんが在廊します。
「桃の皮のうぶ毛」と題する作品。
水泳帽とゴーグルをつけた三人。それぞれが赤い糸で繋がれています。この状況を説明するには難解なタイトルです。
西浦さん曰く、桃の皮のうぶ毛は、害虫や病気などから自らを守る役割があるそうで、それを人それぞれの殻(防衛本能?)に例えながら、三人の関係性を描いているとのことでした(咀嚼あり)。
保守的な自分、しかし他者とは切り離せない自己。ある一定の距離を保ちつつ、人間同士の社会が成立している例えとでしょうか。背を向けながら手に糸を持つ人、両手で持つ人、片手で繋ぐ人。解釈はまちまちです。
この作品に限らず、西浦さんの作品は「間(ま)」から読み取るストーリーの面白さがあります。見方を変えれば、作品そのものではなく、作品同士の間に成立する目に見えない形而上の世界を作品として提示しているとも言えるのです。
そう言えば、西浦さんは水墨画を学んでいた時期もあり、墨で描きながら、むしろ余白を表す意識にも近いかもしれません。余韻余情、余白こそ饒舌である。観念的な話ではありますが東洋的美意識を併せもつところも西浦作品の魅力のひとつでしょう。







「桃の皮のうぶ毛」と題する作品。
水泳帽とゴーグルをつけた三人。それぞれが赤い糸で繋がれています。この状況を説明するには難解なタイトルです。
西浦さん曰く、桃の皮のうぶ毛は、害虫や病気などから自らを守る役割があるそうで、それを人それぞれの殻(防衛本能?)に例えながら、三人の関係性を描いているとのことでした(咀嚼あり)。
保守的な自分、しかし他者とは切り離せない自己。ある一定の距離を保ちつつ、人間同士の社会が成立している例えとでしょうか。背を向けながら手に糸を持つ人、両手で持つ人、片手で繋ぐ人。解釈はまちまちです。
この作品に限らず、西浦さんの作品は「間(ま)」から読み取るストーリーの面白さがあります。見方を変えれば、作品そのものではなく、作品同士の間に成立する目に見えない形而上の世界を作品として提示しているとも言えるのです。
そう言えば、西浦さんは水墨画を学んでいた時期もあり、墨で描きながら、むしろ余白を表す意識にも近いかもしれません。余韻余情、余白こそ饒舌である。観念的な話ではありますが東洋的美意識を併せもつところも西浦作品の魅力のひとつでしょう。







西浦裕太 木彫刻展
憶えのある声を遠くに聞いたのは きっと想い出が近づいているからさ
2018年3月24日(土)~4月1日(日) 会期中無休
営業時間 11時~18時
次回在廊日 4月1日
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図
西浦裕太プロフィール
1974年 神奈川県横浜市に生まれ
1995~96年 大学在学中に映画を学びにスコットランド留学
1997~98年 タンザニアの大学で美術を学び、彫刻に出会う
1998~2000年 日本の美術学校で水墨画を学ぶ
2002~05年 ドイツの美術学校でビジュアルコミュニケーションを学ぶ
2007年~ 代官山で初個展以降、木彫刻家として活動
2018年 現在、神奈川県にて制作
by sora_hikari | 2018-03-30 17:36 | 西浦裕太