2018年 03月 29日
「 西浦裕太 木彫刻展 」 6日目
「西浦裕太 木彫刻展」の6日目。
「このまま何も変わらないで欲しい」という名の作品。
口先の鋭いペンギンとはりつけにされた男性。サーカスのナイフ投げのような場面です。タイトルを見る限り、男性はこの状況を肯定している訳で、マゾヒスティックな気持ちがあるのでしょうか。二者の間の空気を緊張とせずに、逆説的に見たタイトルが光ります。
この感覚をどこかで経験したように感じていたのですが、そういえば村上春樹の小説に出てくる世界と重なることに気づきました。世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド、羊をめぐる冒険、海辺のカフカ、、など。直接的なシーンの引用ではなく、イメージを紡ぎだす手法との相似と言えばいいでしょうか。平滑な言葉の編み込みによって生れる奇想のストーリー。交わされる会話の洗練と意外性。日常のなかに仕掛けられる迷路、、、。
この作品は始めに、はりつけにされた男のイメージが西浦さんの夢に出て来て、その向う側に何がいるのか最初は分からなかったそうです。結論を決めずに書き進む創作スタイルも通じるところがあるでしょう。難解な言葉を並べて表現するよりも、平易な言葉で編みだす無意識の顕在化の手法が、プロの仕業だと思うのです。






「このまま何も変わらないで欲しい」という名の作品。
口先の鋭いペンギンとはりつけにされた男性。サーカスのナイフ投げのような場面です。タイトルを見る限り、男性はこの状況を肯定している訳で、マゾヒスティックな気持ちがあるのでしょうか。二者の間の空気を緊張とせずに、逆説的に見たタイトルが光ります。
この感覚をどこかで経験したように感じていたのですが、そういえば村上春樹の小説に出てくる世界と重なることに気づきました。世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド、羊をめぐる冒険、海辺のカフカ、、など。直接的なシーンの引用ではなく、イメージを紡ぎだす手法との相似と言えばいいでしょうか。平滑な言葉の編み込みによって生れる奇想のストーリー。交わされる会話の洗練と意外性。日常のなかに仕掛けられる迷路、、、。
この作品は始めに、はりつけにされた男のイメージが西浦さんの夢に出て来て、その向う側に何がいるのか最初は分からなかったそうです。結論を決めずに書き進む創作スタイルも通じるところがあるでしょう。難解な言葉を並べて表現するよりも、平易な言葉で編みだす無意識の顕在化の手法が、プロの仕業だと思うのです。






西浦裕太 木彫刻展
憶えのある声を遠くに聞いたのは きっと想い出が近づいているからさ
2018年3月24日(土)~4月1日(日) 会期中無休
営業時間 11時~18時
次回在廊日 4月1日
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図
西浦裕太プロフィール
1974年 神奈川県横浜市に生まれ
1995~96年 大学在学中に映画を学びにスコットランド留学
1997~98年 タンザニアの大学で美術を学び、彫刻に出会う
1998~2000年 日本の美術学校で水墨画を学ぶ
2002~05年 ドイツの美術学校でビジュアルコミュニケーションを学ぶ
2007年~ 代官山で初個展以降、木彫刻家として活動
2018年 現在、神奈川県にて制作
by sora_hikari | 2018-03-29 18:06 | 西浦裕太