2018年 03月 28日
「 西浦裕太 木彫刻展 」 5日目
「西浦裕太 木彫刻展 憶えのある声を遠くに聞いたのは きっと想い出が近づいているからさ」の5日目。
今展のタイトルとなった作品。
「憶えのある声を遠くに聞いたのは きっと想い出が近づいているからさ」
鳥のマスクをつけ赤い鳥を抱えた民俗衣装の少年。その向うには小さな椅子が置かれた鳥かごがあります。この2つの間に生まれるストーリーは何なのか。鳥は解放されたのか。いや戻るべき場所に返そうとしてるのか。タイトルのイメージする世界とそこにある彫像の間に生まれる非現実感。観賞する側はタイトルと作品に仕掛けられた問いかけに迷い込んでいきます。ひとつの正解ではなく、見る人それぞれの過去の経験、その時の気持ちによって意味が付加されて関係性が成立するのです。
作る前から完成形のスケッチを描きません。作りながら、先へ先へ答えを求めてノミを彫り進めます。タイトルを決めるのは完成してから。固定されてしまいがちなイメージを、作者自身が製作の段階で如何に解放するか。これが西浦作品の創作性を縛らない所以でもあるでしょう。
さて、この作品。実はDM作品を撮影する段階では、向う側に置かれる鳥かごの具体像はまだありませんでした。結果、出来あがったのは椅子の置かれた鳥かご。さて、この椅子は休息ためなのか、それとも玉座のごとく象徴的なものなのか。会期を通して考えてみたいと思います。
今展のタイトルとなった作品。
「憶えのある声を遠くに聞いたのは きっと想い出が近づいているからさ」
鳥のマスクをつけ赤い鳥を抱えた民俗衣装の少年。その向うには小さな椅子が置かれた鳥かごがあります。この2つの間に生まれるストーリーは何なのか。鳥は解放されたのか。いや戻るべき場所に返そうとしてるのか。タイトルのイメージする世界とそこにある彫像の間に生まれる非現実感。観賞する側はタイトルと作品に仕掛けられた問いかけに迷い込んでいきます。ひとつの正解ではなく、見る人それぞれの過去の経験、その時の気持ちによって意味が付加されて関係性が成立するのです。
作る前から完成形のスケッチを描きません。作りながら、先へ先へ答えを求めてノミを彫り進めます。タイトルを決めるのは完成してから。固定されてしまいがちなイメージを、作者自身が製作の段階で如何に解放するか。これが西浦作品の創作性を縛らない所以でもあるでしょう。
さて、この作品。実はDM作品を撮影する段階では、向う側に置かれる鳥かごの具体像はまだありませんでした。結果、出来あがったのは椅子の置かれた鳥かご。さて、この椅子は休息ためなのか、それとも玉座のごとく象徴的なものなのか。会期を通して考えてみたいと思います。
西浦裕太 木彫刻展
憶えのある声を遠くに聞いたのは きっと想い出が近づいているからさ
2018年3月24日(土)~4月1日(日) 会期中無休
営業時間 11時~18時
次回在廊日 4月1日
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図
西浦裕太プロフィール
1974年 神奈川県横浜市に生まれ
1995~96年 大学在学中に映画を学びにスコットランド留学
1997~98年 タンザニアの大学で美術を学び、彫刻に出会う
1998~2000年 日本の美術学校で水墨画を学ぶ
2002~05年 ドイツの美術学校でビジュアルコミュニケーションを学ぶ
2007年~ 代官山で初個展以降、木彫刻家として活動
2018年 現在、神奈川県にて制作
by sora_hikari | 2018-03-28 18:01 | 西浦裕太