2018年 03月 19日
「 西浦裕太 木彫刻展 」 開催のお知らせ
3月24(土)から4月1日(日)まで開催する「西浦裕太 木彫刻展 憶えのある声を遠くに聞いたのは きっと想い出が近づいているからさ」のご案内です。
「花を表すために花は彫らない。森を表現するなら小鳥を彫る。」西浦裕太の言葉。今展の表題となるタイトルは、彼自身による作品名である。斯様に彼の描く木彫刻の世界は、間接話法によって詩的な情景を表している。一方で造形は心象的であるものの具象像である。過剰な強調はなく繊細なタッチの静謐な佇まい。例えば古代ケルト語で森を表す「Lynn 」と名付けたシリーズは、今では存在していない森に棲んでいた架空の生き物たちを一筆描きのような姿勢で彫ることを信条にしている。身近な日常のなかにぽっかりと開く架空の世界。受け手は皆、彼に仕掛けられたその穴の中に落ちていくのである。
その経歴は多彩である。絵画、映画、彫刻、水墨画、コンセプチュアルアート。感性の赴くままに国内外で実践してきた行動が今に繋がっている。彫刻は20代前半にアフリカ留学中にマコンデ族の先生に学んだことがきっかけになっている。紆余曲折を経ながら木彫刻に立ち返ったのは、そのリアリティが最も彼の言葉に成り得たからだろう。その感覚は平田オリザの現代口語演劇のごとく、日常が多層的に描かれることで起こる静かなイリュージョンに近い。さて彼の作品によって店内はどんな空想のトラップが張り巡らされるだろうか。アリスの世界に迷い込むように、皆様にも体験して頂きたい。店主
西浦裕太プロフィール
1974年 神奈川県横浜市に生まれ
1995~96年 大学在学中に映画を学びにスコットランド留学
1997~98年 タンザニアの大学で美術を学び、彫刻に出会う
1998~2000年 日本の美術学校で水墨画を学ぶ
2002~05年 ドイツの美術学校でビジュアルコミュニケーションを学ぶ
2007年~ 代官山で初個展以降、木彫刻家として活動
2018年 現在、神奈川県にて制作
西浦裕太 木彫刻展
憶えのある声を遠くに聞いたのは きっと想い出が近づいているからさ
2018年3月24日(土)~4月1日(日) 会期中無休
営業時間 11時~18時
作家在廊日 3月24日・4月1日
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図
by sora_hikari | 2018-03-19 17:59 | 西浦裕太