2018年 03月 13日
「渡辺林平展 備前より」 4日目
「渡辺林平展 備前より」(~3/18迄)の4日目。
渡辺林平さんの皿と鉢。サイズは4寸~8寸まで。特に6寸、7寸の浅鉢、盛り皿が充実しており日常的に登場回数の多いラインナップです。
実はこの釉薬を纏った食器が渡辺さんにとって今展の主題。伝統工芸的な価値観から離れ、日常的な食器を焼くこと。もちろん全て穴窯による焼成です。しかし備前で焼締めを作り続けてきたノウハウがあるとはいえ、釉薬の食器は単純にそのブレイクダウンにはならない。食器には食器なりの技術と工夫が伴うことを痛感する1年でした。焼成回数10回以上を重ねて苦しみ抜いた結果、生み出されたうつわです。
さすがに穴窯でしっかりと焼いた器は硬く焼き締り、釉薬もきちんと溶け切っています。しかし芯まで焼き抜きながらも、印象を柔らかく見せる。これが渡辺さんのこだわりです。昔の器は柔らかく見えながら、染みずに堅牢である。そんな信念に基づいて試行錯誤を重ねました。確かにカリッとしたガラス質の奥に見えるのは、ざっくりとしたツイードのジャケットのような温かみです。
価格帯は3000円~6000円の範囲中心。この焼成方法と歩留まりを考えれば、お店として値付けの不慣れさに戸惑う訳ですが、むしろ従来のマーケットから一般の食卓に近づくための渡辺さんの覚悟のように思えます。



























渡辺林平さんの皿と鉢。サイズは4寸~8寸まで。特に6寸、7寸の浅鉢、盛り皿が充実しており日常的に登場回数の多いラインナップです。
実はこの釉薬を纏った食器が渡辺さんにとって今展の主題。伝統工芸的な価値観から離れ、日常的な食器を焼くこと。もちろん全て穴窯による焼成です。しかし備前で焼締めを作り続けてきたノウハウがあるとはいえ、釉薬の食器は単純にそのブレイクダウンにはならない。食器には食器なりの技術と工夫が伴うことを痛感する1年でした。焼成回数10回以上を重ねて苦しみ抜いた結果、生み出されたうつわです。
さすがに穴窯でしっかりと焼いた器は硬く焼き締り、釉薬もきちんと溶け切っています。しかし芯まで焼き抜きながらも、印象を柔らかく見せる。これが渡辺さんのこだわりです。昔の器は柔らかく見えながら、染みずに堅牢である。そんな信念に基づいて試行錯誤を重ねました。確かにカリッとしたガラス質の奥に見えるのは、ざっくりとしたツイードのジャケットのような温かみです。
価格帯は3000円~6000円の範囲中心。この焼成方法と歩留まりを考えれば、お店として値付けの不慣れさに戸惑う訳ですが、むしろ従来のマーケットから一般の食卓に近づくための渡辺さんの覚悟のように思えます。



























渡辺林平展 備前より
2018年3月10日(土)~18日(日) 会期中無休
営業時間 11時~18時
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図
渡辺林平プロフィール
1974年 岡山市に生まれる
2001年 備前陶芸センター修了
2002年 備前に全地下式穴窯を築窯
2018年 現在、岡山県備前市にて製作
by sora_hikari | 2018-03-13 18:32 | 渡辺林平