2018年 01月 31日
「安永正臣展 オリエントの記憶」5日目
「安永正臣展 オリエントの記憶」の5日目。
「熔け合う壺」、「脱殻」、「釉皮」などと技法や形状に準じて名付けられた作品です。一般的にこれらを見る限り、安永正臣さんはオブジェ作家、または現代工芸家と位置づけられると思いますが、別の解釈をすれば大いに「うつわ」作家であるとも言えます。
事実、いずれの作品も器の形態をしており、その既成化された器の概念を転換させることを試みているからです。土を覆う釉薬を器胎に用いる主従の逆転、熔けて結び合う器の集積、本体の抜け殻となる表皮、土に埋めて焼く鋳造技法の引用。いずれも「うつわ」という機能を解体し、脱構築を図っています。
ゆえに逆説的に見れば、うつわの偏愛作家なのであり、そこ見落としては本質に近づけないように思います。器の組成の源流を問うて表現していることに意味があるのです。さらに作品の自己表現が行き過ぎずに留まっているのは、「うつわ」を底流に置いた客観性があるからです。これも受け取る側にとって肝心なことでしょう。










「熔け合う壺」、「脱殻」、「釉皮」などと技法や形状に準じて名付けられた作品です。一般的にこれらを見る限り、安永正臣さんはオブジェ作家、または現代工芸家と位置づけられると思いますが、別の解釈をすれば大いに「うつわ」作家であるとも言えます。
事実、いずれの作品も器の形態をしており、その既成化された器の概念を転換させることを試みているからです。土を覆う釉薬を器胎に用いる主従の逆転、熔けて結び合う器の集積、本体の抜け殻となる表皮、土に埋めて焼く鋳造技法の引用。いずれも「うつわ」という機能を解体し、脱構築を図っています。
ゆえに逆説的に見れば、うつわの偏愛作家なのであり、そこ見落としては本質に近づけないように思います。器の組成の源流を問うて表現していることに意味があるのです。さらに作品の自己表現が行き過ぎずに留まっているのは、「うつわ」を底流に置いた客観性があるからです。これも受け取る側にとって肝心なことでしょう。










安永正臣展 オリエントの記憶
2018年1月27日(土)~2月4日(土) 会期中無休
営業時間 11時~18時
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図
安永正臣プロフィール
1982年 大阪府生まれ
2006年 大阪産業大学大学院環境デザイン専攻修了
2007年 三重県伊賀市にて独立
2011年 薪窯築窯
2018年 現在 三重県伊賀市にて製作
by sora_hikari | 2018-01-31 18:19 | 安永正臣 展