「横内みえ 漆展 飾り」 工房

横内みえ 漆展 飾り 」は明日9/17(日)までとなりました。最終日は午後から横内さんが在廊する予定です。

写真は山梨県南アルプス市にある横内みえさんの仕事場です。工房内には漆を塗る前の土型が並び、乾漆造の工程の一端を見る事ができました。

横内さんの作品をはじめて見たのが2011年に銀座・奥野ビルの小さなスペースで行われた個展でした。すでに現在のような乾漆の小品が並び、漆でこのような作品をつくる作家が表れたことに新鮮味を覚えた記憶があります。生活空間を舞台とするアートピースを作る作家さんが同時代的に顕著になり始めた頃でした。

山梨県で生まれ育ち、大学は金沢美術工芸大学に進みました。そこで漆に出会い、大学院から金沢卯辰山工芸工房でも漆の作品づくりを続けます。当時は大型のオブジェを作り美術館などを対象とした、いわゆるアート作品が主でした。

その後、一年間の札幌での生活を経た後、山梨に戻り現在に至ります。大学から乾漆の大型作品を手掛け、その型づくりにスタイロフォームを用いていましたが、地元の山梨に帰ってから、今のような土型に使う仕事に転換したそうです。

自然素材(粘土)の上に自然素材(漆)を塗る。この作業が精神的に心地良く、今まで型づくりと塗りで分断されていた製作の意識が一本に繋がったことが、今の造形に影響しています。例えば、今展に並ぶ植物の実のような自然体な形、または古代人が作った呪術的な形などから類推することができます。

横内さんのお話をお聞きしていると、自分の意識と作品の意味が深いところで繋がっていて初めて形になるのだと気付かされます。定型化されたフォーマットから入るよりも、漆という自然素材を使った行為が、自分の中でどう腑に落ちるかが肝心なようです。人が作りし物の芯を捉えようとする横内さんの在り方は、ご来店される方の心にも響いているようです。

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横内みえ 漆展 ~飾り~
2017年9月9日(土)~17日(日) 会期中無休
営業時間 11時~18時
次回在廊日 9月17日(日)午後より
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

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横内みえ プロフィール
1982年 山梨県生まれ
2006年 金沢美術工芸大学美術 工芸学部
2008年 金沢美術工芸大学 大学院 修了
2010年 金沢卯辰山工芸工房 修了
2017年 現在、山梨県南アルプス市 在住


by sora_hikari | 2017-09-16 18:00 | 横内みえ展

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