2017年 04月 24日
「 小野哲平展 塊は魂 」表裏
「 小野哲平展 塊は魂 」(~4/29迄)の3日目。
弊店で小野哲平展は2回目。前回は「その造形」を主題にした。小野の場合、その暮らしぶりと生活道具であるうつわがセットでイメージ形成されており、時に自然志向の情緒性が先行して評価される場合が多い。事実、それによって確固たる作家として認知されたとも言える。
しかしうつわという用具を作りながらも、一方でその造形性、芸術としての意味を求めた精神的昇華の結実でもありたいと本人は思っている。その思いから生れる造形物には、人の心を感動させる力があると信じている。その欠落しがちな一方をクローズアップしてみる。これが前回に引き続き、今展でもテーマになっている。
さて「塊」という名の物体。見れば分かるように、小野の作る「うつわ」の持つもうひとつの一面を切り出した造形物である。「うつわ」を造形することとプロセスを異にする物があるとは言え、決して奇を衒った表現物ではない。その強さ、重み、象徴性は小野哲平の作るものに他ならない。「うつわ」にも同時に存在する造形美。それは用途という拠り所から離れ、意味のない意味を感じ取ることから始まる。つまりどんなものにも備わった表裏なのである。
「塊は魂」。如何にも時代がかった重厚なタイトルである。しかし道具に調和的美しさを求める時代にあって、人の作りし「心」を問うてみる。軽やかでないのかもしれない。くどいのかもしれない。だがこの造形に表れる身体性こそ、小野の「うつわ」を支える強さである。
「うつわ作家」である小野への賛否を含めて考えて欲しい。小野が今、ここで訴える「塊」という形で現した「言葉」を。






弊店で小野哲平展は2回目。前回は「その造形」を主題にした。小野の場合、その暮らしぶりと生活道具であるうつわがセットでイメージ形成されており、時に自然志向の情緒性が先行して評価される場合が多い。事実、それによって確固たる作家として認知されたとも言える。
しかしうつわという用具を作りながらも、一方でその造形性、芸術としての意味を求めた精神的昇華の結実でもありたいと本人は思っている。その思いから生れる造形物には、人の心を感動させる力があると信じている。その欠落しがちな一方をクローズアップしてみる。これが前回に引き続き、今展でもテーマになっている。
さて「塊」という名の物体。見れば分かるように、小野の作る「うつわ」の持つもうひとつの一面を切り出した造形物である。「うつわ」を造形することとプロセスを異にする物があるとは言え、決して奇を衒った表現物ではない。その強さ、重み、象徴性は小野哲平の作るものに他ならない。「うつわ」にも同時に存在する造形美。それは用途という拠り所から離れ、意味のない意味を感じ取ることから始まる。つまりどんなものにも備わった表裏なのである。
「塊は魂」。如何にも時代がかった重厚なタイトルである。しかし道具に調和的美しさを求める時代にあって、人の作りし「心」を問うてみる。軽やかでないのかもしれない。くどいのかもしれない。だがこの造形に表れる身体性こそ、小野の「うつわ」を支える強さである。
「うつわ作家」である小野への賛否を含めて考えて欲しい。小野が今、ここで訴える「塊」という形で現した「言葉」を。






小野哲平展 「塊」は「魂」
2017年4月22日(土)~30日(日) 会期中無休
営業時間 11時~18時
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図
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小野哲平プロフィール
1958年 愛媛県松山市に生まれる
1978~80年 岡山県備前にて修業
1980~81年 沖縄県知花にて修業
1982~84年 常滑にて鯉江良二氏に弟子入り
1985年 愛知県常滑市にて独立
1998年 高知県谷相に移住
2017年 現在、同地にて作陶
by sora_hikari | 2017-04-24 23:29 | 小野哲平2017