2016年 10月 18日
「森岡成好展 壺中有天」 焼き
「森岡成好展 壺中有天」の4日目。
火前で失透させた緑色系の焼締。表面に起こった激しい変化が、ぐっと抑え込まれ、奥行きのあるテクスチャーを生み出しています。
薪窯で焼くからと言っても、意図なく臨めば驚くほど凡庸な焼き上がりになることは、ままあります。土の選び方、造形、そして窯焚き。その中でも最終段階である窯焚きは、不測な領域だけに経験値に左右され易いのです。
森岡さんの場合、蛇窯と呼ばれる長い単室の窯を主にしています。焼成は約10日間。窯内には6000個以上の器が入れられます。登り窯のように焚き口と焼成室を分けた比較的近代的な窯と違い、直接炎による窯焚きは原始的で一般的には不安定です。それだけに面白い。火前、中、奥では還元、中性、酸化と火の加減、薪の入れ方、時間、タイミングによって結果は異なりますが、そう単純なことではないようです。
今回は「お好み焼き」で行こうか。それとも「ねぎ焼き」で行こうか。コテコテにするか、さっぱりにするか。森岡さん流の呼び方です。土選び、造りの段階からイメージして、焼きあげるまでの一連の作業が創作なのです。
この写真の焼き上がりは、火前の 燠(おき)に長く置くことで得られます。ビードロ状のどろどろ、てかてかにはしない。これ見よがしな窯変は好みではない。何故なら作者の意図が出過ぎてしまうから。艶を抑えて、地味だが渋くて美しい。やはりこれ。
これもまた森岡さんの「在り方」を表すのです。
※上記ご紹介の写真は一部売約品を含んでおります。
火前で失透させた緑色系の焼締。表面に起こった激しい変化が、ぐっと抑え込まれ、奥行きのあるテクスチャーを生み出しています。
薪窯で焼くからと言っても、意図なく臨めば驚くほど凡庸な焼き上がりになることは、ままあります。土の選び方、造形、そして窯焚き。その中でも最終段階である窯焚きは、不測な領域だけに経験値に左右され易いのです。
森岡さんの場合、蛇窯と呼ばれる長い単室の窯を主にしています。焼成は約10日間。窯内には6000個以上の器が入れられます。登り窯のように焚き口と焼成室を分けた比較的近代的な窯と違い、直接炎による窯焚きは原始的で一般的には不安定です。それだけに面白い。火前、中、奥では還元、中性、酸化と火の加減、薪の入れ方、時間、タイミングによって結果は異なりますが、そう単純なことではないようです。
今回は「お好み焼き」で行こうか。それとも「ねぎ焼き」で行こうか。コテコテにするか、さっぱりにするか。森岡さん流の呼び方です。土選び、造りの段階からイメージして、焼きあげるまでの一連の作業が創作なのです。
この写真の焼き上がりは、火前の 燠(おき)に長く置くことで得られます。ビードロ状のどろどろ、てかてかにはしない。これ見よがしな窯変は好みではない。何故なら作者の意図が出過ぎてしまうから。艶を抑えて、地味だが渋くて美しい。やはりこれ。
これもまた森岡さんの「在り方」を表すのです。
※上記ご紹介の写真は一部売約品を含んでおります。
森岡成好展 壺中有天
2016年10月15日(土)~23日(日) 会期中無休
営業時間11時~18時
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図
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森岡成好 略歴
1948年 奈良県生まれ
1970年 米国で映画製作技術を学ぶ
1973年 和歌山県天野に築窯
1991年 ネパールヒマラヤに登頂
2016年 現在、和歌山県にて制作
by sora_hikari | 2016-10-18 18:01 | 森岡成好 展