「森岡成好展 壺中有天」 開催のお知らせ

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10月15日(土)~23日(日)に開催する「森岡成好展 壺中有天(こちゅう・てんあり)」のお知らせです。

和歌山県の高野山の麓に暮らす森岡成好さん。南蛮焼締めを始めとする力強い器で知られています。

本展は「壺」をテーマにした展示会となります。森岡さんの壺は、薪窯によって土を焼き抜き、赤銅色や自然灰を被った大らかな造りが特徴です。その姿は、中世(鎌倉~室町)の壺に重なります。中世の壺の多くは、無名の職人によって作られた水甕や種壺など生活のための貯蔵用具でした。それゆえ作者の表現を主張するではなく、あくまで用具に徹した無垢な存在であり、後天的に茶人や文化人の眼によって「美」の対象として見立てられたのです。

押しつけてこない静かな存在。森岡さんの作る壺との共通性は外形的な面だけでなく、その融通無碍な在り方にあるのです。伸び伸びと「もの」を形にした純粋な美しさ。壺は食器とは違い、日々の実用と距離があるがゆえに、物体としての存在を一層露わにする側面もあるでしょう。

中国「後漢書」方術伝に「壺中有天(こちゅう・てんあり)」という故事があります。老翁に連れられて壺の中に入ると思いもかけない別世界が広がっていたという話。古来より壺には、人を虜にさせるロマンがあるのです。この言葉、さらに転じて、酒を飲んでこの世の憂さを忘れる楽しみとして使われる事もあります。土と戯れ、山に登り、酒を飲む。森岡さんらしい豪快な生き様と重なるのです。

店内にずらりと並ぶ壺は、どんな景色になることでしょう。どうぞ皆様も壺に触れ、この別天地に興じて頂ければ幸いです。店主

森岡成好 略歴
1948年 奈良県生まれ
1970年 米国で映画製作技術を学ぶ
1973年 和歌山県天野に築窯
1991年 ネパールヒマラヤに登頂
2016年 現在、和歌山県にて制作


森岡成好展 壺中有天
2016年10月15日(土)~23日(日) 会期中無休 
営業時間11時~18時 
作家在廊日 10月15日(土)16日(日)
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

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by sora_hikari | 2016-10-11 09:00 | 森岡成好 展

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