2016年 09月 19日
「 光藤佐 展 気韻生動 」 相対性
「 光藤佐 展 気韻生動 」(~9/25迄)の3日目。
白磁赤絵壺に、オヤマボクチと水引。壁には光藤さんの書画。中国唐代の文学者・柳宗元の漢詩が書かれています。
木落寒山静、江空秋月高
(木落ちて寒山 静かに江むなしく 秋月高し)
秋の静まった情景を詠った詩です。ここで肝心なのは、この景色を「美しい」とか「感動した」と主観を述べていないことです。単に目に映る状況を綴っただけ。しかし、その客観性は読む側の経験に委ねられて広がりをもたらします。気持ちを決めつけ過ぎない余韻が大切なのです。
これは、器の在り方もしかり。あまりに主観を語り過ぎると、盛られる料理や活ける花の広がりを抑制してしまいます。使う人に委ねる相対性があってこそ、感じ入れるのです。光藤さんは、短歌や漢詩の行間の妙と通じる器を作りたいと思っています。
光藤佐展 ~気韻生動(きいんせいどう)~
2016年9月17日(土)~25日(日) 会期中無休
営業時間 11時~18時
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図
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光藤佐プロフィール
1962年 兵庫県宝塚市生まれ
1978年 中学を出て京都府立陶工職業訓練校で学ぶ
1980年 京都の窯元で職人として働く
1982年 京都精華大学美術学部に入り絵を描く
1986年 京都の料亭のお庭窯で職人として働く
1989年 兵庫県にて築窯し独立する
2016年 現在、兵庫県朝来市にて制作する
by sora_hikari | 2016-09-19 18:17 | 光藤佐展2016