2016年 05月 29日
「 森岡希世子展 光の呼吸 」 轆轤

「 森岡希世子展 光の呼吸 」(~6/6(月)迄)を開催中です。
森岡希世子さんの器の要になるのは、轆轤(ろくろ)仕事への拘りです。
元々、陶芸の道に入ったのは、板谷波山の轆轤師だった現田市松さんのろくろ仕事を美術館で見たことがきっかけになりました。現田さんは50年間、常に波山とともにあり、轆轤師として波山の作品を支え続けてきた人です。
森岡さん曰く、市松さんの轆轤を評して、「欲張らない心、ただ無心に何十年も轆轤を挽き続けてきた手が生み出す気品がある。」、「最小限しか触れていないにも関わらず、土の持つ新鮮な表情を内からの回転体の張りで素早く留めている。」と言います。仕事の完成度も、その献身的な生き方にも感動し、こんなものを作りたいと轆轤職人の道を選びました。
自分が轆轤を挽くときに心掛けるのは、張りと土の力を活かすこと。土が本来持つ可塑性、つまりは土の生命力を器の形に引き出すことにあるようです。写真のように、ぽーんと内側から張り出した一輪差し。無理がなく、気持ちの良い力学は、なるほど、内側から形を作り出す轆轤ならではの美しいフォルムです。
「現田市松さんの挽くろくろは、何でも美しい。」それは何故なのか、今でもずっと探っているそうです。この謙虚さが、森岡希世子さんの仕事を支えているのです。
森岡希世子展 ~光の呼吸~
2016年5月28日(土)~6月6日(月) 会期中無休
営業時間 11時~18時
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図
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森岡希世子プロフィール
1974年 石川県金沢市生まれ
1994年 デンマーク王国 Holbek美術国民学校 留学
1999年 石川県立九谷技術研修所 修了
1999~2004年 石川県の窯元にてろくろ師として働く
2006~2009年 茨城県笠間市 伊藤アトリエ助手
2009~2013年 九谷技術者自立支援工房にて職員
2012年 伝統工芸士認定(九谷焼成形部門)
2016年 金沢美術工芸大学 美術工芸研究科 博士課程 修了
by sora_hikari | 2016-05-29 20:05 | 森岡希世子 展