「太田修嗣 漆器展 根来塗り」 開催のお知らせ


11月7日(土)~16日(月)に開催する「太田修嗣 漆器展 根来塗り」のお知らせです。

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   洗朱根来盤  直径205mm 厚さ18mm


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   根来椀  口径127mm 高さ72mm


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   うづくり根来三段重箱  幅/奥行180mm 高さ205mm


太田修嗣(おおた・しゅうじ)さんは、御年66歳。愛媛県砥部町の山深い工房で、木地づくりから上塗りまで一貫した漆器を作っています。伝統的な漆器産地に依拠することなく、ご自身でこの道を切り開いてきました。太田さんの漆器の魅力は、漆に覆われていながらも、いまだ木の息吹を感じる生命力の強さです。多くの漆器が研ぎ澄まされた美しさを求めるのに対して、それはもっと根源的な木と人の生活の関係性から発せられているように感じます。

太田さんと漆器との出会いは、最初は勘違いから始まりました。大学では化学を専攻、塗料メーカーに勤務します。会社勤めをしながら通信講座で学んだ映画のシナリオの世界があきらめきれずに上京し、劇団の仕事を始めます。その傍ら、知人から紹介された鎌倉彫の仕事を、最初は「鎌倉」の印象から仏像彫刻だと思い込んで訪ねた先が、実は漆器の工房だったのです。そのとき32歳。そこから修業がスタートし、どんどん塗りものの世界に魅せられていきました。その後、漆芸家・村井養作氏に師事し、蒔絵や変り塗りを学びます。周りの職人に比べて後発の太田さんは、人の倍以上働くことで経験をカバーしました。その頃に仕事を選ばず何でも進んでやった下積みの経験が、今の技術の基になっています。

江戸時代の技巧的な漆器よりも、桃山時代以前の素朴な漆器が好きだと言います。たしかに太田さんの漆器は、中世の塗りものの遺伝子を引き継ぐ素朴さと力強さがあります。本展のテーマに据えた「根来(ねごろ)」とは、鎌倉から室町時代にかけて仏具や神饌具として作られた和歌山県の根来寺の漆器に由来します。それは堅牢で実用的な朱漆器が、長年使い込まれることで、上塗りが擦れて下の黒地が覗いた枯淡の肌質をしています。その美しさを茶人や数寄者が見出し愛でることで、伝世品として時代に残ってきました。今や海外でも「NEGORO」として通じるほど一般化している日本美術品のカテゴリーのひとつです。

骨董として人気のある「根来」ですが、現代漆器としても「根来塗り」は、古色表現するひとつの技法として定着しています。太田さんの根来塗りは、しっとりと落ち着いた質感を纏い、艶やかな漆器とはまた違った雅味ある風合いが魅力なのです。本展では、椀、鉢、皿、盆、箸、重箱など、すべて太田さんおひとりで一から十まで仕上げた漆器が並びます。これからお正月に向けて、いや一年を通して毎日お使い頂きたい日常の塗りものばかりです。ぜひこの機会にご高覧頂ければ幸いです。  店主

プロフィール
1949年  愛媛県松山市生まれ
1981年  鎌倉・呂修庵にて塗師の仕事を始める
1983年  村井養作氏に師事 蒔絵および変り塗りを学ぶ
1987年  神奈川県厚木市にて独立
1987年  ろくろ・指物・刳物 一貫制作による木漆工房を開く
1994年  愛媛県広田村(現・砥部町)に移転
2015年  現在 同地にて制作


太田修嗣 漆器展 ~根来塗り~
2015年11月7日(土)~11月16日(月) 会期中無休
営業時間 11時~18時 
作家在廊日 11月7日(土)・8日(日)
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

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by sora_hikari | 2015-11-04 11:00 | 太田修嗣

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