2015年 04月 14日
「原田譲 白瓷展 キリスト教寓意譚」 白瓷輪花盤
「 原田譲 白瓷展 ~キリスト教寓意譚~」 (4/21迄)を開催中です。
写真は、白瓷輪花盤。DMの表紙に使った今回一番モチーフの多いお皿で、10種類が描かれています。図柄は「イエスの誕生」をテーマにしたもの。少し長いですが、解説を書き添えておきます。
1) 子羊:イエス
2) 牛と3) ロバ:幼子イエスを見守る役
牛とロバはイエス誕生を見守り、その間にいる子羊は幼子イエスを表わす。
4) 蝶:生死復活
蝶は、その一生が「毛虫→さなぎ→空に飛び立つ蝶」へと移り変わることからこれを生・死・復活の過程になぞらえられ、その後の、受難からの復活を暗示させる。
5) イナゴ:群衆
イナゴは王なくとも隊を組んですすむことからキリストなき群集と解し、聖母子像で幼子イエスが手にもつとき「キリスト教への改宗」を意味する。
6) スミレ:謙遜の徳
うつむいて小さな花を咲かせるスミレは「謙遜の徳」を象徴し、そのことから聖母の花と呼ばれることがある。またはイエス自身の「謙遜の徳」を象徴する場合もある。
7) 林檎:原罪と救済
林檎はエデンの園にある知恵の実=原罪を意味し、イエスあるいはおとめマリアの手の中のリンゴは救いと罪への勝利を象徴する。
8) サクランボ:天国の果実
サクランボは天国の果実とされ、マリアとヨセフがベツレヘムへ向かう途中サクラの木が花を咲かせ、実をつけたという中世の民話からイエス誕生に関連づけられる。
9) サンゴ:御守り
サンゴはローマ人や中世の人々が財産を守り、邪眼(人に禍いをもたらす)から身を守る力をもつと信じ、またサンゴはすべての病気、雷光、発育不全に対する護符とみなされていた。さらに子供のお守りとして、首にかけられることがあり、それゆえ聖母マリアに抱かれた幼子イエスの図に見られることがある。
10) シュロ:不滅・勝利
シュロは古代ローマより勝利の象徴とされ、これがキリスト教においては死に対する永遠の生命の勝利に結び付けられる。
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はらだ・ゆずる はくじてん きりすときょう・ぐういたん
原田 譲 白瓷展 ~キリスト教寓意譚~
2015年4月11日(土)~21日(火) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図
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原田譲プロフィール
1981年 茨城県土浦にて育つ
2007年 茨城県窯業指導所 成形科 修了
2009年 茨城県城里町に築窯
2015年 現在同地にて制作
by sora_hikari | 2015-04-14 19:41 | 原田譲 2015