「 光藤佐展 李朝の余韻 」 粉青沙器

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光藤佐 展 李朝の余韻 」(12/9迄)の4日目。

光藤さんの器の柱になっているのは、古い韓国の時代、李氏朝鮮(1392年~1910年)期の作風です。略して李朝と呼ばれる時代。独立当初から、大阪の安宅コレクションに影響を受け、李朝初期に作られた粉青沙器(ふんせいさき、プンチョンサキ=粉粧灰青沙器)を製作しています。

粉青沙器とは、鉄分の多い土の上に、カオリン等の白化粧を施した磁器に至る以前の姿です。その質感と姿に、当時の日本の茶人が心を奪われました。それは技術を極めるのとは違ったベクトル上にある「曖昧」さの妙でしょう。

光藤さんは、白化粧をずぶ掛けした「粉引」、刷毛で化粧土を施した「刷毛目」、そして印花による凹面に化粧土を象嵌した「三島手」の三種類を作り分けています。いずれも薪窯による焼成で、ざっくりした陶土の上に施された化粧土に、ほんのり緋色が浮かびます。一気呵成にひかれた刷毛目、一手で削られた高台。ろくろの呼吸はさすがです。

「京・李朝」。造語になりますが、光藤さんの李朝には本来の粉青沙器の緩みに、ぴりっとした気品が加わって、手筋の綺麗な京風な作行きを感じるのです。


光藤佐展  ~李朝の余韻~
2014 年11 月29 日(土)~ 12 月9 日(火) 会期中無休
営業時間 11時~18時
ギャラリーうつわノート (埼玉県川越市) 地図

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光藤佐(みつふじ・たすく)プロフィール
1962年 兵庫県宝塚市生まれ
1978年 中学を出て京都府立陶工職業訓練校で学ぶ
1980年 京都の窯元で職人として働く
1982年 京都精華大学美術学部に入り絵を描く
1986年 京都の料亭のお庭窯で職人として働く
1989年 兵庫県にて築窯し独立する
2014年 現在、兵庫県朝来市にて制作する


by sora_hikari | 2014-12-02 21:15 | 光藤佐 展

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