「中野知昭 漆器展」 瓶子・隅切膳・大盆

中野知昭 漆器展  お正月の形 」(11/18まで)を開催中です。会期は残すところ2日となりました。

本日ご紹介するのは、中野知昭さんの瓶子(へいし)・隅切膳(すみきりぜん)・大盆です。個展ならではの大物。こういう機会だからこそ見ることができるものです。

日本における朱漆器の生産は、祭祀用具から始まると考えられているそうです。縄文時代の発掘跡には櫛・かんざしなどが出土しています。伝世資料では13世紀以降の神社や寺院の神饌具や仏具として使われていたことが分かっています。平安末から鎌倉初の絵巻物「病草子」の中には漆器の漆膳や盤にのった漆食器の様子が描かれています。

今回展示されている瓶子は元は中国で作られた形ですが、日本でも中世の頃より儀式用に神前で対で使われた道具です。隅切膳も元は神饌具であったようですが、食物を盛った器物を置くものとして一般化し寺社で大量に作られた道具です。

また大盆も中世の頃より多く作られました。そのバリエーションも多く用途や形式も様々だったようです。南北朝時代の「暮帰絵詞」には、椀や膳具、そして食物を山と積む様子が描かれています。中野さんのこの大盆も和菓子屋さんで使われているそうですから700年経った今も用途は同じです。

日本が古来より使用してきた漆器の形。それは神に捧げる媒体として「祈りの形」でもあったのです。漆器から発せられる「清らかさ」は、こういう歴史と繋がっているからなのかもしれません。

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  瓶子(角) 朱 高さ30cm 270,000円(税込)

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  瓶子(丸) 朱 高さ30cm 270,000円(税込)

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  足付隅切膳 朱 36.5cm角 54,000円(税込)

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  大盆ビルマ写 朱 直径57cm 270,000円(税込)

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 大盆 インドネシア写  直径46cm  108,000円(税込)

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 大盆 朱 直径45cm 162,000円(税込)

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 大盆 朱 直径47cm 108,000円(税込)


中野知昭 漆器展  お正月の形
2014年11月8日(土)~18日(火) 会期中無休
営業時間 11時~18時  
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6 (地図

「中野知昭 漆器展」 瓶子・隅切膳・大盆_d0087761_10541317.jpg「中野知昭 漆器展」 瓶子・隅切膳・大盆_d0087761_10542169.jpg
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by sora_hikari | 2014-11-16 11:37 | 中野知昭 展

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