2014年 10月 14日
「森岡成好・森岡由利子 二人展」 成好さんの壺(2)
「森岡成好・森岡由利子 二人展」(10/21迄)を開催中です。展示会4日目。本日ご紹介するのは、森岡成好(しげよし)さんの壺パート2。成好さんが作る焼締めは、一般的には南蛮焼締めと呼ばれる南洋で焼かれた古陶をベースにしています。日本国内では、中世に焼かれた六古窯という地域を代表する産地が有名ですが、その範疇とどまらない焼締めをご自身の仕事にすることが森岡さんには大切だったのではないでしょうか。それは、産地のセオリーに縛られた約束事から解放され、もっと生活に根差した土着の器の美しさに目を向けたかったからかもしれません。本来なら「○○焼」などの規定に則して製作した方が経済的な価値を得易いにも係わらず、敢えてそれを避けることで、正面から焼き物に向き合い、自由を担保できることを選んだように思えます。今の森岡さんの焼締めを見ると、南蛮とか六古窯とか、そういう縛りをはずして見ても、素直に訴えかけてくるプリミティブな強さを感じます。すでにお気づきの方も多いと思いますが、森岡さんの作る形は、派手派手しくなく、中世から作られてきた生活道具の削ぎ落とされた姿を保っています。それゆえに、その表面に表れる変化が過度にならず、自然な美しさを受け止めてくれるのだと思います。この会期中に森岡さんの器を見ながら、微力ながらその意味合いを理解したいと思っています。
森岡成好 ~がつんとくる焼締~
森岡由利子 ~ずしんと響く白磁~ 二人展
2014年10月11日(土)~21日(火)
11:00~18:00
ギャラリーうつわノート (埼玉県川越市) 地図
画像クリックで拡大
by sora_hikari | 2014-10-14 22:18 | 森岡成好・由利子展