2014年 10月 03日
「森岡成好・森岡由利子 二人展」 開催のお知らせ
10月11日(土)~21日(火)に開催する
森岡成好 ~がつんとくる焼締~
森岡由利子 ~ずしんと響く白磁~ 二人展
のお知らせです。
骨太で力強い焼締の森岡成好(しげよし)さん。しっとりと柔らかな白磁の森岡由利子さん。和歌山県かつらぎ町の陶芸家ご夫妻です。どちらも薪窯による仕事。土と炎から生まれる芯のある器が魅力的です。
お二人の器に、いや、生き方に触れて感じるのは「大きな人」という印象です。高野山の麓にある緑豊かな山間に暮らし、毎日毎日、作り続けています。暮らすこと、食べること、集うこと、旅すること、山へ登ること。思い向くまま真っ直ぐに生きている姿が、やはり器にも表れるのでしょうか。お二人の器づくりは、自然の営みの一部であるように思います。暮らしの中に仕事があり、仕事の中に暮らしがある。陶芸家・河井寛次郎の言葉を思い出します。
世代的に陶芸をはじめた頃は、もっと窮屈な価値観のなかに焼き物はあったのではないでしょうか。芸術家であれ、伝統に根ざせ、桃山再興の昭和の巨匠達が築いた大きな陶芸家像こそが本物とされる時代。そういう中にあって、権威にとらわれず、敢えて南蛮焼締や李朝白磁の本質である「生活に根付いた器」に目を向けて作り続けてきたのです。
目標は?と聞くと、バリ島にいた上半身裸でろくろをひく九十歳のおばあちゃんと答えてくれました。何にもとらわれずに無心で作る姿。森岡さんらしい陶芸家像です。
今はかつての価値観が崩れ、本来の焼き物の骨格を失ってしまった時代かもしれません。やわな時代だからこそ、あらためて森岡ご夫妻のぶれない器づくりに強く魅かれます。お二人の器は、専門的な知識はなくても「がつん」とか「ずしん」とか、副詞的な心情で誰もが感じることができます。それは文字通り、堅さや重さから受ける物理的な印象でもある訳ですが、それよりむしろ存在としての「重み」が器に大切な時代ではないでしょうか。あらためて「焼き物」の魅力に触れて欲しい展覧会です。
秋の気持ちの良い空が広がる季節です。皆様のお越しをお待ちしております。 店主
森岡成好 略歴
1948年 奈良県生まれ
1970年 米国で映画製作技術を学ぶ
1973年 和歌山県天野に築窯
1991年 ネパールヒマラヤに登頂
2014年 現在、和歌山県にて制作
森岡由利子 略歴
1955年 岩手県生まれ
1982年 焼締を経て白磁を始める
1999年 タイバンコクで展覧会
2009年 韓国で展覧会
2014年 現在、和歌山県にて制作
森岡成好 ~がつんとくる焼締~
森岡由利子 ~ずしんと響く白磁~ 二人展
2014年10月11日(土)~21日(火)
11:00~18:00
作家在廊日10月11日(土)
ギャラリーうつわノート (埼玉県川越市) 地図
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by sora_hikari | 2014-10-03 18:11 | 森岡成好・由利子展