2014年 07月 16日
「 猿山道場 」 門下生スープボウル
「猿山道場」(~7/22まで)の4日目。本日は、「猿山道場」のメイン企画である門下生9名が製作したスープボウルをご紹介します。猿山修さんがデザインした図面に基づき、それぞれの素材と技法でスープボウルを作るという「修業」の賜物です。図面を写すことに何の意味があるのか?そう思う方がいるかもしれません。しかし、図面という制約を通して、猿山美学を学ぶことが真の目的です。その為に選ばれたのが、スープボウルという器。そこには、食器としての様々なエッセンスが詰まっています。人間工学的なサイズ、スープを入れる部分の連続したアール、スープを掬う際の見込みのわずかな返し、全体を引き締めるリム部の微妙な立ち上がり、手のかかり易い胴から高台までの高さ、重ねた時のスタッキング性能など、多くの「学び」が凝縮された課題です。図面を写す。それは写経のような行為に近いかもしれません。ひたすら写すことから、その本来の意味が伝わる事も多いでしょう。概念的な考えの前に、まずはフィジカルに形から倣ってみることも時には大切です。門下生の皆さんが悩みながら取り組んだスープボウル。何度も何度も作り直して得られた結果。それぞれの心の中に、何らかの変化が生まれる事を願っています。
猿山修 スープボウル・デザイン図面
二川修 (大阪府堺市)
関西ノリの良さと裏腹に、きっちりとした形を求める二川さんの器。普段から、形の整った美しい器を作っています。大学は、工学部で環境デザインを学んだだけあって、図面による理知的な仕事は得意としているようです。今回は、結晶化した茶色と白灰色の釉調によるスープボウルで臨んでくれました。
二川修 茶スープボウル 5,400円(税込)
二川修 白スープボウル 5,400円(税込)
今村肇 (佐賀県有田町)
今村さんにとって、図面に基づくことは普段の仕事。個人活動よりも、今村製陶として「JICON」というブランドの手工業の器づくりをしています。今回は、この課題のために正確な型をおこし、オリジナルの釉薬を調合して臨んでくれました。形づくり、焼成時のゆがみを見越した釉掛けなど職人気質によって作られた正確なスープボウルは、全体の指針にもなる出来映えです。
今村肇 薄青色スープボウル 4,860円(税込)
沼田智也(茨城県高萩市)
大学で学んだ日本画の基礎を活かした絵付けの仕事をメインにしています。今回は7種類の絵付けで臨んでくれました(写真掲載は2種類)。土ものによる、ざっくりとした柔らかさに、侘びた風情の絵付けがバランスのとれたスープボウル。今回の中では、一番、和食器を感じさせてくれます。
沼田智也 染付花唐草7寸スープボウル 7,560円(税込)
沼田智也 馬の目文7寸スープボウル 5,940円(税込)
服部竜也 (岐阜県土岐市)
繊細な手作業による金属質な釉薬を得意とする服部さん。この課題は、日常の器づくりの延長線上にあったかもしれません。しかし楽ではなかった。いつもの頭の中にある自分の形と、図面にある形とのギャップには悩んだようです。最終的には、4種類の釉薬を使い分けて製作しました。(写真は3種掲載)
服部竜也 黒銀彩スープボウル 7,560円(税込)
服部竜也 錆銀彩スープボウル 7,560円(税込)
服部竜也 クリーム釉スープボウル 6,480円(税込)
高木剛(京都府)
古い韓国の粉引を主にした器を作っています。通常粉引の器は、手の勢いを活かしたろくろを良しとする中、今回の図面の制約の中での仕事には苦労があったかもしれません。しかし、粉引特有の柔らかな質感と、この緊張感あるスープボウルの形状は新鮮なマッチングを感じます。
高木剛 粉引スープボウル(御本手タイプ) 4,860円(税込)
高木剛 粉引スープボウル 4,860円(税込)
松本かおる(長野県長野市)
焼締めと言えば、一見男性的なイメージがありますが、松本さんが作る焼締めは、丁寧に磨かれた端整な姿をしています。今回の課題では、明るめの表情と、炭化させた黒い表情の2タイプで臨んでくれました。釉薬を纏わない土肌のスープボウル。洋食器的なフォルムに、焼締め特有のプリミティブな要素が掛け合わされたユニークな存在感を見せてくれています。
松本かおる 焼締めスープボウル 7,560円(税込)
松本かおる 焼締めスープボウル(炭化タイプ) 7,560円(税込)
新田佳子(大阪府大阪市)
マスキングによってサンドブラストされた模様が特徴的なガラス器を作っています。途中で、東京から大阪に引っ越しがあり、製作工房の確保にも苦労されました。今回もサンドブラストの模様を活かした、涼しげなスープボウルを作ってくれました。リムに入る模様は、それぞれ違いがあります。繊細な模様と、クリアなガラスの取り合わせ。貴重な1品が生まれたと思います。
新田佳子 サンドブラスト・スープボウル 10,800円(税込)
新田佳子 サンドブラスト・スープボウル(ボウル部ブラストタイプ) 10,800円(税込)
西垣聡(石川県金沢市)
この課題中に、富山のガラス研究所から、金沢の卯辰山工芸工房に入所しました。普段は、削り出したカット模様が特徴的なガラス食器を作っていますが、今回の課題では、その加工を封印し、プレーンなガラスに臨みました。スープボウルのような平たい器を、吹きガラスで成形するのは至難の技だったそうです。失敗を繰り返しながら辿りついた今回の結果。一番変化の大きい作家だったかもしれません。シンプルでクリアなタイプと、気泡を含んだレトロなタイプの2種類です。
レトロガラス・スープボウル 6,480円(税込)
クリアガラス・スープボウル 5,400円(税込)
花岡央(岡山県備前市)
地元・備前市でガラススタジオを運営する花岡さん。その人当りの良さそのままの、元気のある色付きのガラスを得意にされています。今回の課題では、4種類の色のスープボウルを作ってくれました(写真は3種)。研究熱心に、技法的にも工夫の凝らされています。ボウル部分の縞柄モールと、プレーンなリムが特徴的です。
花岡央 GRICEスープボウル(青) 7,020円(税込)
花岡央 renスープボウル(茶) 9,720円(税込)
花岡央 renスープボウル(白) 9,720円(税込)
猿山修 スープボウル・デザイン図面
二川修 (大阪府堺市)
関西ノリの良さと裏腹に、きっちりとした形を求める二川さんの器。普段から、形の整った美しい器を作っています。大学は、工学部で環境デザインを学んだだけあって、図面による理知的な仕事は得意としているようです。今回は、結晶化した茶色と白灰色の釉調によるスープボウルで臨んでくれました。
二川修 茶スープボウル 5,400円(税込)
二川修 白スープボウル 5,400円(税込)
今村肇 (佐賀県有田町)
今村さんにとって、図面に基づくことは普段の仕事。個人活動よりも、今村製陶として「JICON」というブランドの手工業の器づくりをしています。今回は、この課題のために正確な型をおこし、オリジナルの釉薬を調合して臨んでくれました。形づくり、焼成時のゆがみを見越した釉掛けなど職人気質によって作られた正確なスープボウルは、全体の指針にもなる出来映えです。
今村肇 薄青色スープボウル 4,860円(税込)
沼田智也(茨城県高萩市)
大学で学んだ日本画の基礎を活かした絵付けの仕事をメインにしています。今回は7種類の絵付けで臨んでくれました(写真掲載は2種類)。土ものによる、ざっくりとした柔らかさに、侘びた風情の絵付けがバランスのとれたスープボウル。今回の中では、一番、和食器を感じさせてくれます。
沼田智也 染付花唐草7寸スープボウル 7,560円(税込)
沼田智也 馬の目文7寸スープボウル 5,940円(税込)
服部竜也 (岐阜県土岐市)
繊細な手作業による金属質な釉薬を得意とする服部さん。この課題は、日常の器づくりの延長線上にあったかもしれません。しかし楽ではなかった。いつもの頭の中にある自分の形と、図面にある形とのギャップには悩んだようです。最終的には、4種類の釉薬を使い分けて製作しました。(写真は3種掲載)
服部竜也 黒銀彩スープボウル 7,560円(税込)
服部竜也 錆銀彩スープボウル 7,560円(税込)
服部竜也 クリーム釉スープボウル 6,480円(税込)
高木剛(京都府)
古い韓国の粉引を主にした器を作っています。通常粉引の器は、手の勢いを活かしたろくろを良しとする中、今回の図面の制約の中での仕事には苦労があったかもしれません。しかし、粉引特有の柔らかな質感と、この緊張感あるスープボウルの形状は新鮮なマッチングを感じます。
高木剛 粉引スープボウル(御本手タイプ) 4,860円(税込)
高木剛 粉引スープボウル 4,860円(税込)
松本かおる(長野県長野市)
焼締めと言えば、一見男性的なイメージがありますが、松本さんが作る焼締めは、丁寧に磨かれた端整な姿をしています。今回の課題では、明るめの表情と、炭化させた黒い表情の2タイプで臨んでくれました。釉薬を纏わない土肌のスープボウル。洋食器的なフォルムに、焼締め特有のプリミティブな要素が掛け合わされたユニークな存在感を見せてくれています。
松本かおる 焼締めスープボウル 7,560円(税込)
松本かおる 焼締めスープボウル(炭化タイプ) 7,560円(税込)
新田佳子(大阪府大阪市)
マスキングによってサンドブラストされた模様が特徴的なガラス器を作っています。途中で、東京から大阪に引っ越しがあり、製作工房の確保にも苦労されました。今回もサンドブラストの模様を活かした、涼しげなスープボウルを作ってくれました。リムに入る模様は、それぞれ違いがあります。繊細な模様と、クリアなガラスの取り合わせ。貴重な1品が生まれたと思います。
新田佳子 サンドブラスト・スープボウル 10,800円(税込)
新田佳子 サンドブラスト・スープボウル(ボウル部ブラストタイプ) 10,800円(税込)
西垣聡(石川県金沢市)
この課題中に、富山のガラス研究所から、金沢の卯辰山工芸工房に入所しました。普段は、削り出したカット模様が特徴的なガラス食器を作っていますが、今回の課題では、その加工を封印し、プレーンなガラスに臨みました。スープボウルのような平たい器を、吹きガラスで成形するのは至難の技だったそうです。失敗を繰り返しながら辿りついた今回の結果。一番変化の大きい作家だったかもしれません。シンプルでクリアなタイプと、気泡を含んだレトロなタイプの2種類です。
レトロガラス・スープボウル 6,480円(税込)
クリアガラス・スープボウル 5,400円(税込)
花岡央(岡山県備前市)
地元・備前市でガラススタジオを運営する花岡さん。その人当りの良さそのままの、元気のある色付きのガラスを得意にされています。今回の課題では、4種類の色のスープボウルを作ってくれました(写真は3種)。研究熱心に、技法的にも工夫の凝らされています。ボウル部分の縞柄モールと、プレーンなリムが特徴的です。
花岡央 GRICEスープボウル(青) 7,020円(税込)
花岡央 renスープボウル(茶) 9,720円(税込)
花岡央 renスープボウル(白) 9,720円(税込)
猿山道場 ~猿山修のデザインプロダクト展~
2014年7月12日(土)~22日(火) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図
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by sora_hikari | 2014-07-16 02:52 | 猿山道場