2014年 05月 14日
「山本亮平 有田白磁の系譜」 染付線文皿
染付線文砂目積小皿 径15cm 高さ4cm 4320円(税込) / 上は初期伊万里陶片
「山本亮平展 ~有田白磁の系譜~」(~5/20まで)の4日目。写真は、染付線文砂目積小皿です。磁器草創期を意識したお皿です。日本における磁器の完成は、一般的に1616年の江戸初期に朝鮮の陶工・李参平によって成されたとされていますが、古い窯跡調査では有田の諸窯で焼かれたとの見解があるようです。山本さんのこの線文染付の皿は、初期伊万里(1610年代~1640年頃)の草創期に見られる陶片を基に作ったものです。お皿の見込みには、窯の中で積み重ねて焼いた際の、蛇の目状の釉剥ぎと、胎土により目積み跡が残っており、外周には淡い染付の線が施されています。有田の磁器は、無文の白磁から染付への発展という段階を経ずに、最初の段階から染付の紋様があります。また皿の目積みの方法などからも、当時の朝鮮の陶工の技術のみならず、中国からの技術の引用が同時に見られる点が興味深いところです。無地唐津から、磁器への移行を思わせる、染付線文皿。飾らぬ楚々とした姿の美しさ。有田磁器の起点を知る上で、山本さんが取り組みたかった一枚なのだと思います。
山本亮平展 ~有田白磁の系譜~
2014年5月10日(土)~20日(火) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図
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by sora_hikari | 2014-05-14 02:14 | 山本亮平2014