「田村文宏展 東南アジア古窯巡礼」 開催のお知らせ

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 右上:灰粉引碗 右中:白磁印判染付鉢 右下:灰釉刻花蓮弁紋鉢
 左上:鉄釉印花紋皿 左中:灰釉花紋鉢 左下:白磁蛇之目釉剥鉢


5月11日(土)~21日(火)に開催する「田村文宏展 東南アジア古窯巡礼(こようじゅんれい)」のお知らせです。田村文宏さんの作る器の根底にあるのは東南アジアの古い時代の焼き物です。東南アジアは中国陶磁器の影響を受けた後、やがて独自のスタイルを形成していきました。クメール(現カンボジア)の黒褐釉、タイの鉄絵や青磁、ベトナムの染付など、中国陶磁の研ぎ澄まされた作風とは違った温容で人情味を感じる焼き物です。特に安南(あんなん)(ベトナム染付)や宋胡録(すんころく)(タイ鉄絵等)と呼ばれる器は、その侘びた姿から桃山時代の茶人にも愛用され、古くから日本と縁(ゆかり)がありました。田村さんと東南アジアの古陶磁との出会いは、現地への旅と陶芸ボランティアの経験に遡(さかのぼ)ります。少年時代から大学まで野球ひと筋の道を歩みながら、ひざの故障で断念せざるを得ず、その夢に代わる選択が陶芸でした。大学在学中に東南アジアの旅に出ます。そこで目にした昔ながらの手造りの世界は、野球と同様、自らの体を使った仕事としてリアリティを感じました。その後、瀬戸の窯業学校で基礎を学び、陶芸の世界に入ります。独立後、中南米や東南アジアへ数度に渡り陶芸ボランティアに出掛ける中、その先で巡った古い窯場が今の器づくりに繋がっています。それは古陶磁の外形的な要素と共に、大らかで誰をも受け入れる内面的な寛容性にあります。本展で並ぶのは、その魅力を引き継ぐ灰釉(かいゆう)、黒褐釉(こっかつゆう)、白磁、そして定評のある灰粉引(はいこひき)の器です。東南アジアの古陶磁に触発され、現代の生活に向けて咀嚼(そしゃく)された田村さんの器の数々。新緑のまぶしいこの季節に、どうぞ川越でご覧頂ければ幸いです。 うつわノート店主

田村文宏 プロフィール
1978年 愛知県岡崎市生まれ
2000年 東南アジア・インドへ遊学     
2004年 瀬戸窯業高等学校陶芸専攻科卒業
2005年、2006年 ホンジュラス共和国にて窯業サポート
2010年、2012年 カンボジアにて窯業サポート
2013年 現在、愛知県岡崎市で制作


田村文宏展  東南アジア古窯巡礼(こようじゅんれい)
2013年5月11日(土)~21日(火) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00  
作家在廊日 5月11日(土)・12日(日)・21日(火)
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

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 黒褐釉壺と灰釉双耳小壺



by sora_hikari | 2013-05-08 00:17 | 田村文宏2013

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