須田貴世子 展 @ Gallery SU

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麻布台のGallery SU(エス・ユウ)で開催されている須田貴世子さんの個展に行ってきました。須田さんは鋳造によるブロンズ作品を作っています。今回の個展で並んでいるのは、ブロンズで作られた小品のオブジェが中心です。本展の副題である「物見遊山覚書」とは、須田さんが目にしたり、心に浮かんだりした現象をイメージ(=物見遊山)し、その心象風景を形に写し替えたもの(=覚書、メモ)が、つまり今回の作品であることを意味しています。展示された作品に対応して、須田さんの心象を表す「言葉」をメモしたファイルも置かれています。そこには、雲や音符や星座などをイメージした言葉が綴られています。その言葉のイメージに発する作品は、須田さんの中でユニークな風景となって抽象的に立体化されています。心に浮かんだことを形にする。これだけ聞くと、とても即興的な作品に思えますが、しかしそれを鋳造して立体化するプロセスは、かなりの労力と工程を経なければ実現しません。まず蝋で原型を作り、それを鋳型材で覆い、その型を30時間焼成して焼き固めます。そうして出来た型を熱で破裂しないように土に埋めてから、溶かした金属を鋳込みます。その後は型をはずし、鋳込まれた作品を切削・研磨して出来上がり。型は一回ごとに壊すため複製は作れません。須田さんの作った写真付きの工程ファイルをラフにテキストで追っただけですが、「覚書」といった簡単な行為ではとてもなく、非常に手間のかかる作業を経て、たったひとつの立体物が作りだされています。須田さんの見た「心が高揚するような景色」という瞬間が、古代から使われてきたブロンズという素材に刻まれています。いわば記憶をブロンズに凝縮して、未来に届けるタイムカプセルのように感じました。


須田貴世子 ~物見遊山覚書~
2012年10月20日(土)~11月3日(土)
12:00~19:00
Gallery SU (東京・麻布台) ホームページ

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須田貴世子さんプロフィール
1982年 埼玉県出身
2009年 東京芸術大学・大学院修了
現在、埼玉県在住


by sora_hikari | 2012-11-02 03:05 | 見て歩き

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