「 」展 @ サンドリーズ

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南青山のサンドリーズで開催されている「 」展に行ってきました。これは、熊谷幸治さん(土器)、齊藤大地さん(写真)、好井京一さん(平面)による三人展です。「 」の意味するところは、括弧そのものがタイトルではなく、無題もしくは余白であるからです。本展の案内状の表面は、白紙のまま。さすがにそれだけでは分からないので、宛名面に「 」をタイトルとして表記したということのようです。そのタイトルだけを見ると、捉えどころの無い展示内容のように思いますが、実際のところ展示物は具体的な形象があり、メッセージを感じます。本展は、三人が長野県と山梨県の古墳のある森や山を歩き、そこから得たインスピレーションに基づいて製作された展示物が並んでいます。熊谷さんは、その周辺で拾った石を使い、焼成した粘土の上にひとつづ置いた石神のような物体を。齋藤さんは、森の中の木や石、そしてその空気を撮影し、何度も加工処理を重ねたプリントを。好井さんは、表面処理した紙の上に即興的に泥で描いたドローイングを。三者三様の表現ですが、それらは森の精霊を感じるテーマで繋がっています。それは、映画「もののけ姫」に出てくるような聖なる自然の世界のようでもあり、古代の自然神や呪術にも似た魂のような存在を発しています。オーナーの高野さん曰く、今の若い人には、いまの環境に危機感があり、その反動として何か大きな自然信仰のようなものが芽生えているのではないかという見解です。確かにそういう話を聞くと、ここに並んだ物体の向こうには、手の届かない崇高なものへの憧憬や畏れがあるようにも思えます。「 」は、もしかしたら、その捉えようのない存在に接続するためのコネクターのようなものかもしれません。


「 」
土器 熊谷幸治 
写真 齋藤大地
平面 好井京一
2012年10月2日(火)~8日(月)
12:00~19:00
サンドリーズ(港区南青山4-10-15 / tel 03-5411-0799) 地図

「 」展 @ サンドリーズ_d0087761_237122.jpg



by sora_hikari | 2012-10-03 23:24 | 熊谷幸治さん

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