2012年 09月 25日
加地学 展 ~北の国から~ 終了しました
「加地学展 ~北の国から~」は本日終了しました。会期中はたくさんの方々にお越し頂き、作家共々厚く御礼申し上げます。会期前半の暑さから、ここ数日は一気に空気も入れ替わり、夏から秋の到来を感じます。加地さんの暮らす北海道・留寿都村もこれから冬仕度に向かう季節に入ります。加地さんは、森岡成好さんの元で修業した後、窯焚きのできる場所探して数年の歳月を費やしています。奥さまと一緒にテント生活をしながら各地を回り、ようやく現在の留寿都村に辿りつきました。冬は零下30度にもなり、陶芸をするには決して恵まれた地ではありません。粘土は凍りつき、窯場は雪に閉ざされます。当初はいずれもっと南の方へ移住を考えたこともあったそうですが、ここ数年、ようやくこの地に根を下ろして作り続ける思いになったそうです。加地さんも、奥さまも朝から晩まで働き詰めです。暮らしの為に必要な環境整備や経済的なことも含めて、毎日忙しい日々です。この地で生活するということは、仕事以外にも日常生活を維持するために時間を多く費やす必要があります。しかし、この地だからこそ得られる大切なこともあるように思います。三人の子供に恵まれ、皆んな自宅出産。下のお二人は加地さん自ら取り上げたそうです。生活していくことの原点となるたくましさと感謝の思いが、加地さんの器には宿っているように思います。冬にむかう北の国。しんしんと降る雪の中で静かに燃える石炭の窯が目に浮かびます。これからもし、加地さんの器を手にする機会があれば、その根っこにある生き方にも目を向けて頂ければと願っています。この度はありがとうございました。
ル~ルルルル(近くの畑にて)
了
ル~ルルルル(近くの畑にて)
了
by sora_hikari | 2012-09-25 18:25 | 加地学2012