2012年 09月 23日
加地学 展 ~北の国から~ 9日目
「加地学展 ~北の国から~」会期:9月15日(土)~25日(火)。会期は残り2日です。本日は雨の中、お越し頂き御礼申し上げます。写真は、加地さんの水差し、カップ、湯呑みです。ピッチャーは、どっしりとしながらも、シャープなラインでまとめられており、モダンなフォルムです。カップや湯呑みは、柔らかな土の温もりを感じ、手に良く馴染みます。自分利用の高いアイテムだけに、親しみもひとしおです。さて、加地さんのご経歴の話。加地さんは、多くの人との出会いが現在の焼き物づくりに繋がっています。会社勤めの後、インドの旅を経て、手作り仕事に関わりたいと思いました。その後、焼き物の現場を知るために、全国を旅しようと思うものの、先立つ資金がないために働いた先が、鮮魚の卸業でした。1年を目安に働きはじめますが、いずれ辞めることは口にせぬまま時が過ぎます。そのうち、北海道でも腕利きの鮪師である社長に気に入られ、後継者としての話をもらいます。自分を認められたこと、経済的な魅力を理解しつつも、焼き物探しの旅を断念することができず、ついにそこを辞す考えであることを打ち明けました。しかし、社長は何も恩義を着せることなく、黙って送り出してくれたそうです。和歌山の森岡成好さんのところ修業が決まった際には、誰よりも喜んでくれ、ひとり暮らしに必要な家財道具を送ってくれました。また独立後、はじめての北海道の個展には真っ先に駆けつけてくれ、たくさんの器を選んでくれました。人物の度量もあるでしょう。加地さんというお人柄もあるでしょう。今自分があるのは、人の縁に支えられたからとおっしゃいます。もっと俯瞰して見れば、ものづくりとは、人と人との繋がりから生まれるものだと、つくづく思う話です。
加地 学展 ~北の国から~
2012年9月15日(土)~25日(火) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00
ギャラリーうつわノート (埼玉県川越市) 地図
※クリックで画像拡大
※クリックで画像拡大
by sora_hikari | 2012-09-23 20:10 | 加地学2012