2012年 09月 18日
加地学 展 ~北の国から~ 4日目
「加地学展 ~北の国から~」会期:9月15日(土)~25日(火)。本日ご紹介するのは、南蛮焼締めの器と双璧をなす、加地さんの粉引(こひき、もしくはこびき)の器です。粉引とは、赤土の上に白い泥状の粘土を上掛けした器の事を言います。加地さんの粉引は、焼締めと同様の北海道の胎土を使い、その表層に白土を施しています。加地さんならではの粉引を特徴づけているのは、石炭窯による焼成にあります。その炎は激しく表面を焼き、煤を被らせ、土から滲み出させ、時に白土の表面を全てを鉄分や灰が覆いつくすほど変化に富んだ姿にさせます。焼締めを焼く薪窯は、冬の間は雪に閉ざされるため、主に冬の間の窯仕事として作っているのが、この石炭窯による粉引の器です。その窯焚きは、いわば蒸気機関車に石炭をくべるのと同様に、スコップで何度も何度も炎の中に投げ入れていくそうです。薪がバチバチと大きく音をたてながら燃える薪窯の様とは異なり、炎は激しくとも、音はとても静かでシーンとしているそうです。雪に囲まれた工房で静かに燃える石炭窯は、きっと幻想的なことだと思います。そんな窯から出てくるのは、どれひとつとして同じものない変化ある加地さんの粉引の器。静寂の炎から生み出された激情の姿。見れば見るほど、その表情の深みに魅せられていきます。
加地 学展 ~北の国から~
2012年9月15日(土)~25日(火) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00
ギャラリーうつわノート (埼玉県川越市) 地図
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by sora_hikari | 2012-09-18 23:06 | 加地学2012