田淵太郎・竹下鹿丸 二人展 のお知らせ

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6月16日(土)~26日(火)に開催する「田淵太郎・竹下鹿丸 二人展 ~薪窯の仕事~」のご案内です。田淵太郎さんと竹下鹿丸さんは、同じ1977年生まれ。お二人とも薪窯(まきがま)による器づくりをされています。田淵さんは薪の灰による淡い色の変化が美しい白磁の器。竹下さんは粗い土とシャープな器体が同居する凛とした力強い焼〆の器。作風は異なりますが、お二人には、昨今の日常と調和する器づくりの文脈と一線を画す価値観に共通性を感じ、今回の共同展示をお願いしました。生活の中で道具に準じた器は確かに謙虚な美しさがあります。しかし個人の作る器には「表現」という自我が完全に拭い去れる訳ではありません。ものづくりにおける滅私との葛藤の中、やはり作り手としての「業(ごう)」が存在することも事実でしょう。田淵さんや竹下さんの作る器は、そんな自己表現のプロセスをポジティブに捉え、薪窯焼成に重点を置き、まるで画家が自分の情感を絵の具で表すように、土というキャンパスに薪の炎で個性を焼き付けようとしているように見えます。これは焼き物の歴史で脈々と続いてきた普遍的な行為ですが、お二人には従前の鑑賞的な陶芸の世界とはまた違った現代的で軽やかなアプローチを感じます。そこには原理となる概念が先行するよりも、もっと窯の中で起こる偶発的な変化を直感的に捉え、視覚上の美しさを薪窯という手段に求めているように思います。根底にあるお二人の共通性と、繊細な白磁と骨太な焼〆のコントラストある展示を、この機会にお楽しみいただければと思います。 うつわノート店主

田淵太郎 プロフィール
1977年 香川県生まれ
2000年 大阪芸術大学工芸学科陶芸コース卒
2007年 香川県高松市にて薪窯を築く
2012年 現在、香川県高松市で作陶

竹下鹿丸 プロフィール
1977年 栃木県益子町生まれ
1998年 栃木県立窯業指導所卒
2000年 栃木県益子町にて薪窯を築く
2012年 現在、栃木県益子町にて作陶

※竹下鹿丸さんの作品について
昨年の東日本大震災で工房の薪窯が崩壊し、ようやく今春より再建した窯で準備を進めていたところ、先日5月6日に益子を襲った竜巻によりご自宅が再び被害(写真)に遭われました。この為、ご本人より辞退の申し入れがありましたが、むしろこういう時こそ、幾ばくかでも展示会収益を復興にあたて頂きたいと思い、在庫作品で臨んでいただくことに致しました。当初予定より展示数は少なくなりますが、何卒ご理解頂ければ幸いです。


田淵太郎・竹下鹿丸 二人展  ~薪窯の仕事~
2012年6月16日(土)~26日(火) 会期中無休
11:00~18:00
作家在廊日:6月16日、17日
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

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by sora_hikari | 2012-06-15 21:34 | 田淵・竹下2012

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