服部竜也展 ディテール

服部竜也さんの器のディテールを切り取ってみました。服部さんの器の表面には、線刻や流線と呼ばれる細い線が彫られ、そこに化粧土が象嵌されたものが多く見られます。その線は数ミリ間隔に、ためらい無く引かれた細やかな手作業によるものです。近作では、その上にマンガンや銀による釉薬を掛け合わせ、数回の焼成を経て複雑な釉調を創り出しています。器体は現代的なラインで構成され、パーツの接合部には細やかなデザイン処理が行われています。ミクロな手先の器用さと、全体をまとめるマクロな構成力が服部さんの優れたスタイルを生み出します。ヤキモノの場合、素材に含まれる自然の偶発的な変数を味わいとすることが多いですが、服部さんの場合は、形も焼き上がりも自らの意識の上でコントロールする管理型の造形に重きを置いていると言えます。しかし、その自我は、決して度の過ぎた奇異な表現には走らず、あくまでベーシックな形とアイテムの中で、とても抑制的であることが、服部さんの器の魅力の真髄であろうと思います。ディテールに凝縮された静かな内面性。とても大人な作り手なのかもしれません。

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服部竜也展 ~FORM & STYLE~
2011年11月3日(木)~15日(火) ※11月9日(水)は休み
11:00~18:00
ギャラリーうつわノート (埼玉県川越市) ホームページ


11月13日(日)12:00~16:00に、料理家 藤間夕香さん()による
「紫芋の白玉汁粉」(500円)を服部竜也さんの器でお召し上がりいただけます。
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※写真の器は服部さんのものではありません。


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by sora_hikari | 2011-11-11 21:44 | 服部竜也2011

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