2011年 07月 10日
若杉聖子展の展示風景
若杉聖子展の展示風景をお伝えいたします。器づくりには用具としての親和的、協調的で寛容な関係性と共に、やはり造形を追求した作品的な要素があると思います。これは決して権威的なアプローチとは違い、その人から生み出される「個」という自尊の世界です。そこには無作為で自在な美しさもあれば、自己の求めに応じて寸分違わず体現しようとする完成美も同時にあると思います。若杉さんの器は、プロセスの段階から完成形をどう実現するかという強い意思を感じます。その意識から生まれる器は、構想から完成まで揺るぎのない神経と集中力が必要です。お作りになる器は、花の形状のような、かわいらしい表層を持っていますが、実際にその器を目の当たりにすると、それを超えた鋭敏な造形の力を体全体で受けます。そういう器を知り、実際に触れられることは、自分自身をより一層高めようとする意識にも繋がるように思います。若杉さんの器をこの空間で見て、その仕事の美しさに感動しながら、一方で自分自身の日常や仕事の有り方を問う、有意義な体験なのだと思います。
若杉聖子 展 ~白亜の蓮弁(れんべん)~
2011年7月9日(土)~7月19日(火) 会期中無休
11:00~18:00
ギャラリー うつわノート (埼玉県川越市) ホームページ
by sora_hikari | 2011-07-10 22:42 | 若杉聖子2011