横山拓也さんの黒碗

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西麻布 桃居 2010年12月

横山拓也さんの黒い碗。手のひらに納まる小さなサイズです。黒い器は横山さんが近年取り組まれている色。単調な黒でなく、光の反射によって複雑な表情を見せます。この碗はフットプリンツ(足跡)と呼ばれるもの。織部の沓形(くつがた)を横山さん独自の視点で捉え直した形だと思います。いびつに変形した碗は、どの角度から見ても違う印象です。内向的に思える黒い碗が、時に饒舌であり、躍るようなリズムを感じさせます。寡黙な禅僧のごとく器づくりを深める横山さんの姿と、その心に熱く湧き出る思い。そんな人物像と何故か重なります。

by sora_hikari | 2011-02-04 07:06 | 横山拓也さん

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