2010年 11月 20日
西川聡 作陶展 @ 桃居
西麻布の桃居で開催されている西川聡さんの個展に行ってきました。西川さんは神奈川県の湯河原で制作されています。海にも近く自然に恵まれた工房とお聞きしたことがあります。そんな環境もあるからでしょうか、西川さんの作る器には、自然から啓発されたような土俗的な質感を感じます。若い頃にアフリカや中東を旅する中で経験した太古の色とマチエール。それは、古代壁画に使われる炭の黒や鉄の赤色。まだ十分な絵具を持たない時代の人々が自然から手にした最も素朴で必然の色。そんな原始の色をベースに西川さんの器は作られています。その色を得るために、黒地の器に銀彩や漆を施したり、弁柄を塗り重ねたり。何度もの焼成を積み重ねていくなかで、単純には得られない色合いが生み出されています。西川さんの作品からは、器という用具でありながら、土器の持つ力強さ、モニュメントのような独立した存在感を感じます。
西川聡 作陶展
2010年11月19日(金)~23日(火)
11:00~19:00
桃居 (東京・西麻布) ホームページ
by sora_hikari | 2010-11-20 21:38 | 西川聡さん