2010年 10月 10日
馬渡新平 展 @ 千鳥










水道橋の千鳥で開催されている馬渡新平さんの個展に行ってきました。馬渡さんは北海道の小樽で制作されています。今回が東京での初個展です。馬渡さんの器をはじめて見たのは、4年前の益子の陶器市。全国の作家が展示する広場の隅っこで、静かに器を並べているのが印象的でした。大きく手を広げることなく、じっくりとしたものづくりをしている様子が作品からも人柄からも伝わってきました。お作りなるのは、粉引や刷毛目の土味のある器。地元北海道でとれる野幌土と言われるレンガなどに使われる鉄分の多い粗めの土。決して扱い易いとはいえない、そんな土を自分のフィールドとして大切にされているように思います。今回の個展では、ベーシックな土ものの食の器をたくさん見ることができます。鉄粉の浮き出た粗めの土に、ひび状の化粧土や刷毛目の器。男性的な力強さを感じます。無口な陶工が作る飾らない器といった印象もありますが、大学時代は、工学部で機械システムを学んだという経歴もある方です。器用に時代に合った曲を歌うよりも、自分の曲をじっくり歌い続けるひき語りのフォークシンガーのような、そんな芯のある器づくりは、使う人の深いところに届くような気がします。
馬渡新平 展
2010年10月9日(土)~17日(日) 会期中無休
11:00~19:00
千鳥 (東京・水道橋) ホームページ
by sora_hikari | 2010-10-10 22:32 | 馬渡新平さん