長谷川奈津さんの灰釉碗

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立川 H.Works 2010年6月

神奈川県で制作されている長谷川奈津さんの灰釉碗です。深いオリーブ色でふっくらとした形をしています。木を燃やして出来る自然灰は、高温の焼成の過程で胎土の表面にガラス状に溶け合います。この暗緑色は、鉄分を含む松灰の還元焼成による過程を経たのだと思います。精練しない原土に、灰汁抜きし過ぎない灰釉は、安定した焼き上がりにならないために生産的とは言えませんが、それ以上に自然の持つ複雑な因子が生み出す色や質感の魅力が引き出せるように思います。委ねることと、制すること。そのバランスの良さが生み出した碗だと思います。

by sora_hikari | 2010-10-08 19:22 | 長谷川奈津さん

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