2010年 09月 20日
ピーター・アイビー展 @ ギャルリー ワッツ
南青山のギャルリー ワッツで開催されているピーター・アイビーさんの個展に行ってきました。本展はガラスの器を中心にした展示。広口のコップ、ワイングラス、ボウル、平鉢、保存容器などが並んでいました。ピーターさんのガラス器は、宙吹きで作られた繊細で美しいライン。広口のグラスには気泡が入っていたり、ゆらゆらと歪みがある不純物を含んだガラス。また保存容器は、すっと伸びたクリアでシャープな緑色をした小口。蛍光灯を再利用することで、そのような素材感が生まれるのだそうです。一度何かの役割を通り過ぎた素材。シンプルな形状のガラス器に、人の手による痕跡を静かに閉じ込めているように感じます。いずれも道具として作りだされたガラスの器ですが、それぞれに人格があり、使う側との出会いが生まれるように感じます。本展の案内状に書かれていたピーターさんの言葉の一部。意訳になりますが「ヴァイオリンは見るだけでも美しいけれど、それを演奏してこそ、その美しさをこのうえなく感じる。自分の器も使ってほんの少しの喜びを見つけてもらいたい。」(全文は下記参照)つまりは、楽器も食器も、それを使う人が奏でてこそ、より美しさが生まれるのだということだろうと思います。食器は物質的なものですが、人の手を介することで何かしらの意味が増していくように思います。そんな気持ちになるピーター・アイビーさんの展示会でした。
ピーター・アイビー glass work ~Utsuwa~
2010年9月20日(月)~25日(土)
12:00~19:00 (最終日は17:00迄)
ギャルリー ワッツ (東京・南青山) ホームページ
※本DMに書かれている文章 (↑画像クリックで拡大)
「この器は、私が作るすべての器と同様に、使うことによって完成されます。そのものだけはただのガラスなのです。ヴァイオリンは、見るだけでも非常に美しいです。しかし、ヴァイオリンを見てその音を聴く、そして素晴らしいミュージシャンが演奏しているのを観てこそ、その美しさをこのうえなく感じることができます。もちろん私の器を使うことは、音楽のように強い感情を引き起こすことはできないかもしれませんが、蕎麦の器でもシャボン玉の器でも、それを使ってほんの少しでも喜びを見つけてもらえればと思います。 P.IVY 」
by sora_hikari | 2010-09-20 22:54 | ピーター・アイビーさん