2010年 03月 26日
恩塚正二 作陶展 @ 桃居




















西麻布の桃居で開催されている恩塚正二さんの個展に行ってきました。恩塚さんは福岡県田川市で制作されています。お作りなるのは、陶土・ブリキ・木を素材としたオブジェ、そして器です。最近はオブジェ作りが面白く、その割合いが多いそうです。今回の個展では、陶土をアクリル絵の具で彩色したオブジェ、ブリキ板を切り曲げて作った箱型のオブジェなどを見ることができます。陶オブジェは積木やそろばん玉のような形で彩りがポップな印象。一方、ブリキの方は無口な素材を活かしたシックな印象があります。どちらも恩塚さんの造形感覚によるユニークな物体。元気がもらえる不思議なパワーを放っています。元は絵描きだった恩塚さん。35歳を過ぎてから陶芸との出会いだったそうです。現在、60代半ば。年齢に関わらずその純真で無邪気な印象は制作するものを通じて伝わってきます。それは恩塚さんの生き方そのもの。楽しく、かっこいいものを作りたいという思いを貫いています。今回の展示で窓側に置かれた天を指すブリキの人型。それはお釈迦さまの天上天下唯我独尊(☆)のポーズをヒントにしたものだそうです。おおらかで心休まる形。自分を大切に。尊く生きる。そんなメッセージがあるように感じます。昨年は生死を分ける経験をされたそうです。守りに入らず、やりたいことをやる。ある種の達観を感じます。
恩塚正二 作陶展
2010年3月26日(金)~3月30日(火)
11:00~19:00
桃居 (東京・西麻布) ホームページ
※2007年9月発行のFu-chi<7号>「土の仕事」に恩塚さんの取材記事が掲載されています。
by sora_hikari | 2010-03-26 22:50 | 恩塚正二さん