2010年 03月 20日
山本亮平 展 @ KOHORO










二子玉川のKOHOROで開催されている山本亮平さんの個展に行ってきました。山本さんは佐賀県有田で制作されています。美大では油絵を専攻し、その後陶芸を有田の窯業学校で学ばれました。山本さんの器は、型打ちと呼ばれる有田の伝統技法で作られています。ろくろで回転体となる器形をひいた後、石膏にそれを押し当てて成形する方法です。輪花や面取りの形の器を制作するのに適しています。有田焼きの場合は、その後、染付という絵付け作業が加わりますが、山本さんはそれを行わず白いままの器を主に作られています。シンプルですが、美しい。型にはめますから人工的な印象になりそうですが、実際は柔からく手作り感がほんのり漂います。白も有田の磁器のクリアな白ではなく、ソフトで滑らかな白です。生クリームのようなきめの細かい柔かさを感じます。それが丁寧に作られた形に覆われ全体を優しく包んでいます。今回の展示会では、そんな白の器を中心にしながら、小鉢や小皿、レンゲなどの小品に染付を施した器もはじめて並んでいます。今後は、有田で作ることの意味をもっと考えてみたいとお話されていました。日本磁器を代表する地で、山本さんがその伝統をどう活かされていくのか、これからも楽しみです。
山本亮平 展
2010年3月20日(土)~29日(月)
11:00~19:00
KOHORO (東京・二子玉川) ホームページ
by sora_hikari | 2010-03-20 23:58 | 山本亮平さん