2010年 01月 23日
城進 展 @ KOHORO










二子玉川のKOHOROで開催されている城進(ジョウ・ススム)さんの個展へ行ってきました。城さんは三重県の伊賀丸柱で制作されています。今回は幅広い作風の器を見ることができます。まずは、城さんの器を代表する鉄文様の線刻が施された器。それに加えて、無文の鉄釉の器、粉引の器、灰釉の器、白磁の器、飴釉の器、耐熱の器、焼き締め。砥部の土を使った白磁や、地元の伊賀土を使った粉引は今回はじめて作られたものだそうです。文章で書き連ねると多くの種類があるように感じますが、店内を全体的に見渡すと、茶系の器と白系の器が半々といったところで、決して煩雑な印象はなく、城さんらしい渋みのある使い易そうな器ばかりです。たくさんの器を見ることで返って城さんの器作りに対する信条が伝わってくるように思います。土を活かすこと、味わいを出すこと、作り込み過ぎないこと、使い易いこと。そんな思いが器全体に通じているように感じました。シンプルな和食器の良さを引き出した暮らしの中の器なんだなとあらためて思います。城さんは伊賀というヤキモノの世界では伝統的な土地で制作されていますが、そちらのご出身ではなく、いわゆる伊賀焼を踏襲されている訳ではありません。しかし美術的な茶陶のヤキモノを生みだした土地で、あらたに暮らしに根ざした生活者のための器づくりをされているのは何らかの因果も感じます。決して伊賀の素材ばかりを選択していない外来の城さんが、現代の暮らしに合う土着的な器を生み出しているのは、全国のヤキモノ産地に起っている流れなのかもしれません。
城進 展
2010年1月23日(土)~2月1日(月) ※会期中無休
11:00~19:00
KOHORO (東京・二子玉川) ホームページ
by sora_hikari | 2010-01-23 23:59 | 城進さん