赤木明登 漆展 @ 桃居

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西麻布の桃居で開催されている赤木明登さんの個展へ行ってきました。12月に毎年開催される恒例の展示会です。作家としてのデビューが桃居さんだったからでしょうか、毎年、ここでの展示会では今後のお仕事の起点となる新作を出品されることが多いようです。今回の個展では、定番となる漆の器に加えて、「沈金(ちんきん)」の漆器に取り組んでおられます。「沈金」とは、上塗りをした後に、その表面にノミで細い線を彫り込み、そこへ金箔やプラチナ粉を埋め込んで描く、漆器の装飾技法です。他にも「蒔絵(まきえ)」や「螺鈿(らでん)」という加飾方法が漆では知られていますが、「沈金」は漆面を彫り込むため、ひと彫りひと彫りの作業が失敗の許されない繊細なお仕事なのだそうです。今回の沈金は、そんな伝統技法に添いながらも、描かれた模様は花鳥などの具象的な伝統図ではなく、とても繊細な線で構成された抽象的な図柄になっています。ひとつは赤木さん自身がフリーハンドで描いた円弧を図柄にしたもの、もうひとつは着物柄に使われる紋様の重ね型の地となるシンプルな図柄を活かしたものです。いずれも平皿や盆などフラットな漆器の鏡面に描かれていますので、沈金の文様がより絵画的で象徴的に見えるように思いました。赤木さんの作ってこられた漆器の系譜を大まかに追えば、はじめは下地に使う和紙のテクスチャーを活かした漆器を、最近はよりプレーンでシンプルな美しさを求めた漆器をお作りなっていて、いわば日常生活の中で漆器使い促す「素の美」を求めてこられたように思います。その根底には民芸思想を起点とする他力美や無為自然な美しさへの価値観をお持ちのように思います。その流れのなかで今回敢えて「沈金」という加飾にチャレンジされたところに、この個展の一番の見所があるように思います。削ぎ落としていくこと、簡潔にしていくことは、ものの本質に近づく上で大切なことですし、清らかなことだと思います。しかし一方で人には飾る、加えることで満たされていく艶やかさへの欲求も古来からあるように思います。それはアートが構成主義と表現主義が時代ごとに繰り返すような人の理性と感情の往来なのかもしれません。それは決して相反するものではなく、表裏一体となったひとつの塊りのようにも思えます。漆の仕事をはじめた頃なら避けていたかもしれない加飾の仕事。しかし20年を経て、装飾が気になるなら、まずは受け入れて見る。そして自分なりに咀嚼してみる。そんな柔軟さを感じる今回のお仕事です。これからさらにこの解釈がどのように広がっていくのか楽しみな、そんな思いが起こる展示会だったように思います。


赤木明登 漆展
2009年12月7日(水)~12日(土)
11:00~19:00
桃居 (東京・西麻布) ホームページ

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※銀座の桜ショップで建築家の中村好文さんと赤木さんの二人展が開催されています。

好文・明登の2人3脚展
2009年12月1日(木)~13日(日)
11:30~19:00 (最終日は17:00迄)
CO GALLERY in SAKURA SHOP (東京・銀座) ホームページ

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by sora_hikari | 2009-12-07 23:20 | 赤木明登さん

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