2009年 07月 26日
宮下香代さんの個展 @ 温々
埼玉県の温々(ぬくぬく)で開催されている宮下香代さんの個展へ行ってきました。温々(ぬくぬく)とは、宇都宮線の東大宮駅から車で10分ほどの田畑の中にある珈琲&ギャラリーです。築150年の農家の納屋を改装した緑に囲まれた落ち着いたカフェです。その中にギャラリーが併設されており、定期的に展示会が開かれているそうです。今回の展示は、愛知県で和紙と針金を使ったオブジェやモビールを製作している宮下香代さんの作品展になっています。宮下さんのお作りなるものは、面となる和紙と構造を成す針金の組合せ。面と線、そして空間を取り込んだ立体構成物。いわば空間的な彫刻作品です。彫刻とはいっても、アート作品としてのアプローチよりも、ご自身の過去の賞暦や出品歴を見ると手作りの工芸品やクラフト作品として取り組まれているようです。展示されているのは、モビール作品、立体作品を中心にしたオブジェ、そして一部紙箱やカードスタンドなどの実用品も置かれています。宮下さんの造形は、細い線に支えれた危ういバランス感覚であったり、面構成で生み出された空間であったり、抽象性が表立つ作品なのですが、その無機質な存在に和紙を用いることにより、手づくりの温かみが加わっています。そんな形から生まれる緊張感と親近感や、モビールのような動的な要素とオブジェの静的な要素のバランスを均衡させた造形性が魅力でしょうか。暑さの増す埼玉の夏。蝉しぐれ聞こえるギャラリー空間で、宮下さんの作る「ゆらぎ」と「虚ろ」な作品の世界に浸るのも良いかもしれません。
宮下香代 紙のかたち展
2009年7月22日(水)~8月2日(日) ※7月27日(月)定休日
10:30~19:30
温々 (埼玉県・さいたま市) ホームページ
埼玉県さいたま市見沼区丸ヶ崎1856
by sora_hikari | 2009-07-26 22:24 | 宮下香代さん