「目片千恵 ガラス展 夏霞」開催のお知らせ

d0087761_1913910.jpg


7月20日(土)から28日(日)まで開催する「目片千恵 ガラス展 夏霞(なつがすみ)」のご案内です。

夕立があがった翌朝に見られる夏霞。柔らかな春の霞に比べて、日中の強い日差しとのコントラストも相まって、より淡く幻想的な印象を与えます。暑い日が続く季節に天から与えられたご褒美のようなひと時です。

滋賀県大津市の目片千恵さんは、ガラスを宙吹きした後、その形に沿って丹念に研磨してラインを作り出します。それを再び電気炉に戻して表面を和らげることで、光が拡散する柔らかなガラスの器を生み出します。硬質でありながら、優しく曖昧な儚さ。透明と半透明が均衡するその景色は、さながら夏の霞のような印象です。明瞭なガラスに比べて、控えめな奥ゆかしさが目片さんのガラスの特徴です。

今展ではグラス・ボウルなどの食器の他に、茶入、箱もの、アクセサリーなど瀟洒なアイテムが並びます。朝の霞が消えた後の強い日差し。蝉の声、青い空。気だるさと茫茫たる記憶。目片さんのガラスでささやかな彩りを。梅雨明けはいつになるでしょうか、、。皆様のご来店をお待ちしております。 店主

目片千恵プロフィール
1972年 東京に生まれ
2001年 能登島ガラス工房 吹きガラス講座修了
2001年 牧山ガラス工房(石川県)にて製作を始める
2019年 現在、滋賀県大津市にて制作


目片千恵 ガラス展 夏霞(なつがすみ)
2019年7月20日(土)~28日(日)
営業時間 11時~18時
作家在廊日 7月20日
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図

d0087761_19132378.jpg

# by sora_hikari | 2019-07-15 19:22 | 目片千恵2019

「芳賀龍一展 焼き物サードウェーブ」ありがとうございました

d0087761_12445374.jpg

芳賀龍一展 焼き物サードウェーブ」は本日終了しました。雨や曇天ばかりの会期でしたが、にも関わらずご来店下さいました皆様に厚く御礼申し上げます。

今回のサブタイトルは「焼き物サードウェーブ」。いわゆるサードウェーブコーヒーに倣った呼称ですが、焼き物に新たな潮流を感じる昨今、これを言葉に選びました。特に「三番目」という数え方が重要な訳ではなく、例えば「焼き物OS10.0」でも「焼き物オルタナティブ」でも良いのですが、敢えて焼き物の新たな流れを意識した言葉でお伝えしたかった点をご理解頂ければと思います。

芳賀さんのような「焼き物」、それは保守本流の茶陶的な「焼き物」とは立ち位置が異なり、かといって生活工芸寄りの「うつわ」とも立脚点が違う点が、新種の動向に思えます。どちらかと言えば、旧来型のストロングスタイルの焼き物でありながら、産地や伝統の枠外にある。そして固定化された素材や方法を根本から捉えようとする。それを新原理主義と仮に呼んでみた訳です。興味深いのは、味わい深い薪窯焼成の「うつわ」、つまり生活寄りの文脈から発する平成時代の流れとも異なる点です(重なる部分はありますが)。今回も敢えて「うつわ」でなく、「焼き物」と表現しているのもミソです。

つい最近まで、このような焼き物を取り上げる受け皿があまり無かったように思います。美術工芸系ギャラリーでもデパート系では浅く見られ、ライフスタイル系ギャラリーでは重く見える。しかしここ数年で受け手側の意識も変化し、芳賀さんのような焼き物を流通させるステージが徐々に増えているように思います。特徴的なのは、生活工芸の主軸が女性型マーケット=つまり「使うこと」を主にした評価基準であったのが、新種の焼き物は男性型マーケット=造形志向、理念などが先立つことです(強いて比較するなら)。

これは旧来型の「焼き物」文化に回帰しているように思えますが、そこに取り巻く人達の違いがあるように思います。まず作家は全般的に若く産地に依存していない。伝える側の眼は伝統的「焼き物」感だけに留まらない。さらに受け手側(顧客)が従来の焼き物ファンより若く、メディアや美術に近い側にいる人が多い。作り手と受け手が呼応しながら変化する市場が形成されつつある。まだアーリーアダプターの段階であり、そのパイは小さいけれど、焼き物を「うつわ」としてのみ受け取るのではなく、それを所有することで共有されるのは創造性であって、自分自身にフィードバックする意識の高揚を求める層が生まれつつあるように思います。

あくまで、ある側面から見た括りであり、仮説も含まれる訳ですが、しかしこのような未定義な段階で自己解釈出来る余地がある頃が一番面白いと思います。これがいずれマジョリティになり、誰もが空々しく語られ始まると、一気に気持ちがトーンダウンしてしまうかもしれません。いずれにしても、芳賀さんをはじめ、この流れがどのような幹になるのか暫く見てみたいと思います。

今回多くの方が、今の芳賀さんの「焼き物」をそれぞれの視点で受け入れて下さいました。この実体のある評価こそが、作り手の次の自信に繋がり飛躍できると思います。皆様のご家庭で良い「うつわ」として、気持ちを高ぶらせる「物体」として末永く在りますことを心より祈っております。

この度はありがとうございました。


これからの営業案内

うつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6)
7/15(月)~7/19(金) 搬出・設営休
7/20(土)~7/28(日) 目片千恵展
7/29(月)~8/02(日) 搬出・設営休
8/03(土)~8/11(日) 熊谷幸治展

営業カレンダー

# by sora_hikari | 2019-07-14 19:06 | 芳賀龍一展

「芳賀龍一展 焼き物サードウェーブ」8日目-2

芳賀龍一展 焼き物サードウェーブ」の8日目終了。会期は明日7/14までとなりました。最終日は17時で終了させて頂きます。

写真は益子町の芳賀さんの工房の様子です。ミラーボール+爆音装置付きの穴窯に目を引かれます。窯焚きしながら、どんな夜が繰り広げられているのでしょうか。

ご出身は福島県会津若松市、大学はムサビ(美大)に進みました。最終専攻は彫刻科ですが、陶芸に目覚めたのは大学の陶芸サークル、窯工部です。専任指導者のいないサークルですが、芳賀さん世代には意識の高い人が多く、先達の安達健さん、同世代の中田光さん、小泉敦信さんなど現在も陶芸家として活動している仲間がいます。

芳賀さんは学生時代より博物館や茶陶系ギャラリーに通い、いわゆる正統派焼き物に関心を持ちました。時代的に起点が、当時全盛であった生活工芸系にないところが興味深く思います。美大とは言え、同好のサークルゆえに順序だった陶芸を学ぶ場ではなかった訳ですが、先輩たちの仕事を見ながら、また陶芸技術書で学びながら手探りで実践・検証して積み重ねた経験が芳賀さんの基礎になっています。

現在の造形を見て、彫刻科出身と結びつくのですが、さにあらず、学生時代は、彫塑や彫刻は自主作品としては作らず、特定の素材に寄らないインスタレーションを主にしていたと言います。ゆえに、現在の作品は彫刻よりも、器としてアプローチする意識が先にあるそうです。確かにオブジェのような作品も、虚空を包むようにうつわ的造形から成り立っていることが分かります。

芳賀さんの焼き物を見ていると、伝統的な焼き物の様式を微に細に穿つよりも、一度フォーカスを振り切ったうえで、ピント合わせしていく感じがします。この振り幅が芳賀さんの視点の広さであり、焦点を引き寄せて行く過程に、改めて焼き物の良さを気づかせるのです。

自ら掘った材料は往々にして不安定ですが、芳賀さんの器を手にすると、きっちりと素材の特性を掴み、そこに合わせてしっかり焼き抜いている事が伝わってきます。素材に対する感覚の良さ、ここも芳賀さんのポイントだと思います。

d0087761_12373428.jpg


d0087761_12374110.jpg


d0087761_12374874.jpg


d0087761_12375471.jpg


d0087761_1238015.jpg


d0087761_1238639.jpg


d0087761_12381335.jpg


d0087761_12382062.jpg


d0087761_12382727.jpg


d0087761_12383447.jpg



芳賀龍一展 焼き物サードウェーブ
Ryuichi Haga Third Wave of Yakimono
2019年7月6日(土)~14日(日)会期中無休
営業時間 11時~最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート 
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

芳賀龍一プロフィール
1984年 福島県会津若松市生まれ
2010年 武蔵野美術大学大学院彫刻コース卒業
2013年 栃木県芳賀郡益子町に築窯
2019年 現在、益子町にて製作

d0087761_16421851.jpgd0087761_16422913.jpg


# by sora_hikari | 2019-07-13 19:17 | 芳賀龍一展

「芳賀龍一展 焼き物サードウェーブ」8日目

芳賀龍一展 焼き物サードウェーブ」の8日目が始まりました。久しぶりのお天気です。

鬼太郎でこんな妖怪いましたよね?

d0087761_950474.jpg


d0087761_9505430.jpg



芳賀龍一展 焼き物サードウェーブ
Ryuichi Haga Third Wave of Yakimono
2019年7月6日(土)~14日(日)会期中無休
営業時間 11時~18時 
ギャラリーうつわノート 
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

芳賀龍一プロフィール
1984年 福島県会津若松市生まれ
2010年 武蔵野美術大学大学院彫刻コース卒業
2013年 栃木県芳賀郡益子町に築窯
2019年 現在、益子町にて製作

d0087761_16421851.jpgd0087761_16422913.jpg


# by sora_hikari | 2019-07-13 09:51 | 芳賀龍一展

「芳賀龍一展 焼き物サードウェーブ」7日目-2

芳賀龍一展 焼き物サードウェーブ」の7日目が終了しました。会期は残すところあと2日。最終日の7月14日は17時で終了させて頂きます。写真で紹介していない作品もまだ多くございます、どうぞこの週末にご実見ください。

器の形状をしているものの、原料を焼くことで得られる「現象」に目を向けた作品です。通常は釉薬の原料で使う長石を、胎土として用いています。ガラスの塊のようであり、鍾乳石の見せる滑らかさも感じます。

芳賀さんは北関東中心の原料を、山や河原で自ら探して使っています。それは、あらかじめ焼成温度の判明した市販の材料とは違い、その都度、材料ごとの温度帯をテストする必要があります。その過程で生まれる原料の変化は、定型的な器とは異なる素材そのものの美しさを呈することもあるでしょう。苦労して見つけた原料(土や石)が焼いてどう変化するかは一番の関心事であるはずです。

今の陶芸は安定した材料を入手することは簡単ですし、粘土も釉薬も電話一本で取り寄せることができます。窯業として材料を安定化させるための分析は大いに産業を発展させましたが、その根本にある材料の自然性と乖離した陶芸が一般化していることも事実です。

本来、焼き物作家が、悠久の時を経た鉱物を焼いて生まれる「現象」に目を向けることは、何ら不思議はありません。焼き物は人類にとって始めて化学変化した道具であると同時に、神秘的な体験をもたらす神聖な存在であったことでしょう。焼き物を原料側から捉えたこれらの芳賀さんの作品は、鉱物を焼くことでもたらされる源流であると思えば、器と同一線上の美意識に繋がるのです。

d0087761_1643376.jpg


d0087761_1643937.jpg


d0087761_16431722.jpg


d0087761_16432520.jpg


d0087761_16433215.jpg



芳賀龍一展 焼き物サードウェーブ
Ryuichi Haga Third Wave of Yakimono
2019年7月6日(土)~14日(日)会期中無休
営業時間 11時~18時 
ギャラリーうつわノート 
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

芳賀龍一プロフィール
1984年 福島県会津若松市生まれ
2010年 武蔵野美術大学大学院彫刻コース卒業
2013年 栃木県芳賀郡益子町に築窯
2019年 現在、益子町にて製作

d0087761_16421851.jpgd0087761_16422913.jpg


# by sora_hikari | 2019-07-12 18:14 | 芳賀龍一展