「 遠くの太鼓 」展 Sezuan Antiques & Art 岩橋直哉

遠くの太鼓」(~2/26迄)の6日目。

本日ご紹介するのは、Sezuan Antiques & Art 岩橋直哉さんの選ぶ品々です。

昨年の「衝撃の美」に続き、今回も中心的役割を担ってくれました。岩橋さんにとって、「美」とは外形的な美しさではなく、自分の心を衝動させるものという基準で選ぶという話を聞いて、昨年の企画に繋がるのでした。

当初、岩橋さんの古物を見たときの印象は、捉えどころのない不可解さでした。いわゆる正統派骨董の流れでなく、また坂田さん以降の古道具とも繋がらない独特の見立ての世界。しかし決して奇をてらった感じでもなく、そこには民間信仰物を中心に一本筋の通った印象をもったのでした。

それは、まだ時代が価値を定義できていないもの。古今東西、新旧玉石混合ぶりに、「衝撃」と「鼓動」を感じ、さらにその先を見てみたいと思いが今展でも再現されました。

観賞とは、すでに確立された価値の追体験であるという言葉を聞いたことがあります。そう考えると岩橋さんの選ぶものは「観賞」という行為よりも、もっと能動的に「不条理の受容」という態度によって賛同できるのではないでしょうか。

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遠くの太鼓
2017年 2月18日(土)~26日(日) 会期中無休
営業時間 11時~18時 
※2/26(日)に再度出展者が在廊します。
Sezuan Antiques & Art 岩橋直哉
中川伸二 (コレクター)
吉原航平(画家)
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

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# by sora_hikari | 2017-02-23 20:23 | 遠くの太鼓

「 遠くの太鼓 」展 中川伸二

遠くの太鼓」(~2/26迄)の5日目。会期は折り返しました。

本日ご紹介するのは中川伸二さんのコレクションです。中川さんは別にお仕事を持ちながら、コレクターとして約25年に渡り蒐集を続けてきました。

今展に出品するのは、アフリカ、インドネシア、インドなどのプリミティブな品々です。個人でひとつひとつ丁寧に選んできただけあって、同種のアイテムの中からも、より自分で納得出来る基準を貫いています。

「遠くの太鼓」のタイトルに相応しく、心の奥から響いてくる妖しさと律動と共に、今回の核となるラインナップになっています。

1990年代まで続いた日本でのプリミティブアート熱は、2000年代に入って沈静化しましたが、いまだヨーロッパでは確実な支持層を持つ愛好の骨董品として流通しています。

2017年の今にあって、当時とは違った意味をもって、若いクリエーター達の心を掴んでいるようです。それはフラットになった時代だからこそ求められる精神的な拠り所なのかもしれません。

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遠くの太鼓
2017年 2月18日(土)~26日(日) 会期中無休
営業時間 11時~18時 
※2/26(日)に再度出展者が在廊します。
Sezuan Antiques & Art 岩橋直哉
中川伸二 (コレクター)
吉原航平(画家)
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

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# by sora_hikari | 2017-02-22 20:27 | 遠くの太鼓

「 遠くの太鼓 」展 吉原航平

遠くの太鼓」(~2/26迄)の4日目。

今展の3名の出展者のうち、吉原航平さんは自ら作品を生み出す立場であり、画家、立体造形家として参加しています。

1985年神奈川県生れ。2010年に美学校で「絵と美と画と術」を修了。2011年よりグループ展や個展を重ね、昨年、東京・国立市にて行われた「俗の術」や「紙偶」展によってその名を知った方もいらっしゃるかもしれません。

ご覧の通り、吉原さんは決して心地良い生活空間との調和を目指している訳ではありませんが、しかし確かに彼の心象に浮かぶ「偶像」を強いパッションをもって描き留めているそれを見ていると、禍々しさよりも深い精神世界への共感と敬虔な気持ちを感じるのです。

それらは土偶、石造物、儀礼物、土俗造形、伎楽・神楽、精霊、自然樹木、さらには呪術に通じる自然崇拝に繋がる古来から積み重ねられてきた民衆の信仰心に根付く造形と重なります。

このような人の生死に繋がる多様な姿や形が、吉原さんのような世代の作り手の心を揺さぶることもまた、逆説的に時代への調和を図ろうとする表れのようにも思えるのです。

今展では、木炭によるドローイングをはじめ、水墨画、油彩、紙偶、泥偶など吉原さんの作品のエッセンスを網羅できる作品をご覧頂けます。

画家を生業としながらも、満たぬ生計を補うため、日中は建設現場で働きます。自宅のみならず、飯場、深夜のファミレス、移動中など身を削りながらの製作ですが、そのフィジカルに追い込まれた状況だからこそ、生れる作品でもあるでしょう。アートシーンのアウトサイド側から掘り下げた「自己」の世界観なのです。

どうぞ、吉原さんの精神世界に触れて頂ければと思います。

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遠くの太鼓
2017年 2月18日(土)~26日(日) 会期中無休
営業時間 11時~18時 
※2/26(日)に再度出展者が在廊します。
Sezuan Antiques & Art 岩橋直哉
中川伸二 (コレクター)
吉原航平(画家)
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

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# by sora_hikari | 2017-02-21 23:34 | 遠くの太鼓

「 遠くの太鼓 」展 うつわ側から

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遠くの太鼓」(~2/26迄)の3日目。

今展は民間信仰物や民族造形物などが多く並んでいますが、それらを骨董然としてお伝えすることだけが本意ではなく、「うつわ」や「工芸」側から見た意味を問いたいという気持ちも含まれています。生活道具ブーム全盛の今、元来、ものづくりの本質はどこから来ているのかと興味に繋がります。重厚さや装飾を取り除いていく過程で、情緒性が抜けてしまったようにも見える「もの」に対して、用具と祈具の境界を越え、人の「業」や「念」が生み出した強い造形の向うにある純粋性に、あらためて存在の美を感じ取るのです。あくまで相対的な観念論に過ぎませんが、時代を問いたいという思いにも気付いて頂ければ幸いです。


遠くの太鼓
2017年 2月18日(土)~26日(日) 会期中無休
営業時間 11時~18時 
※2/26(日)に再度出展者が在廊します。
Sezuan Antiques & Art 岩橋直哉
中川伸二 (コレクター)
吉原航平(画家)
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

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# by sora_hikari | 2017-02-20 19:32 | 遠くの太鼓

「 遠くの太鼓 」展 崇拝芸術

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遠くの太鼓」(~2/26迄)の2日目。

2014年に国立新美術館で開催された「イメージの力」という展覧会図録の館長の巻頭言にケ・ブランリー美術館の展示物を見た際の印象が述懐されています。

以下引用
(前略)ルーブル美術館やオルセー美術館などで感じたのとまったく次元を異にする「イメージの力」が全身を覆うのを感じたのである。しかも展示されている「作品」をこちらが「見る」のではなく、いつしか向うに「見られている」ことに気づく。美術館の彫像や神像の展示に「見られている」うちに「見ている」側は、いい知れぬ恐れ、畏怖の念にうたれてしまう。誤解を恐れずに言えば、そのとき美の根源がここにあると感じた。(中略)W・ベンヤミンの名高い論考「複製技術時代の芸術作品」の中で芸術の価値を二つに分けて論じていたことを思い出す。それは「崇拝(礼拝)価値」と「展示価値」である。(中略)ケ・ブランリーの展示に表れたものは「崇拝(礼拝)価値」であり、それは近代芸術からは、ほとんど失われた価値であろう。(後略)
以上引用

生のすぐそばに死があった時代。自然や病に抗うことが出来ず、畏れ、祈るための必然性。無力な人間を「見つめる」絶対的な存在を形象化した造形物。今、その純粋な動機に心打たれるのです。


遠くの太鼓
2017年 2月18日(土)~26日(日) 会期中無休
営業時間 11時~18時 
※2/26(日)に再度出展者が在廊します。
Sezuan Antiques & Art 岩橋直哉
中川伸二 (コレクター)
吉原航平(画家)
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

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# by sora_hikari | 2017-02-19 21:00 | 遠くの太鼓