<   2014年 08月 ( 16 )   > この月の画像一覧

一日一菓

d0087761_18572535.jpg

8月下旬に出版された茶人・木村宗慎さん著の「一日一菓」。1年間、365日をかけて和菓子と器を綴った新潮社のブログを一冊にまとめた本です。既刊の川瀬敏郎さんの「一日一花」に続く、和菓子編となります。お茶席にはお菓子はつきものですが、どちらかと言えば、お抹茶を引き立てる脇役的存在ではないでしょうか。それゆえに、亭主のもてなしが表れ易いもの。この本は、そのお菓子を中心に据えたところがユニークです。この本のページをめくるたびに思うのは、和菓子の美しさと、それに合わせた器の豊かさです。茶席で使う菓子器は、もう少し定型的なイメージを持っていましたが、この本を通して見ると、本当に幅の広い合わせ方があるものだと感心します。型にはめ過ぎず、かと言って崩し過ぎず、和菓子との調和の中で、一本の凛とした空気で貫かれているのに気付くことでしょう。目で味わって、読んで感じる。茶人・木村宗慎さんの美の世界に引き込まれます。器好きにも是非手にとって欲しい一冊です。

一日一菓
木村 宗慎 (著)
新潮社 (2014/8/22出版)
ホームページ

現在、日本橋三越で、出版記念の「一日一器」展が開催されています。
8月27日(水)~9月2日(火) ※最終日は16時迄
日本橋三越本店6階特選画廊

by sora_hikari | 2014-08-31 23:27 | 見て歩き

常設展示 8/30-9/9

d0087761_131175.jpg

営業のご案内です。8/30から9/9までは常設展示期間となります。夏期休暇の間に仕入れてきた器も並びます。どうぞお出掛けください。


営業カレンダー
8/30(土)~9/2(火) 常設展示
9/3(水)、4(木) 定休日
9/5(金)~9(火) 常設展示
9/10(水)~12(金) 定休日および設営日
9/13(土)~23(火・祝日) 小嶋亜創展 ※会期中無休

ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
営業時間/11:00~18:00
地図


by sora_hikari | 2014-08-30 01:32 | おしらせ

夏期休業 8/20 - 29

d0087761_1423990.jpg

8/20(水)から8/29(金)までの間は、夏期休業となります。長期の休みとなりご迷惑をおかけします。何卒宜しくお願い致します。


営業カレンダー
8/20(水)~29(金) 夏期休業
8/30(土)~9/2(火) 常設展示
9/3(水)、4(木) 定休日
9/5(金)~9(火) 常設展示
9/10(水)~12(金) 定休日および設営日
9/13(土)~23(火・祝日) 小嶋亜創展 ※会期中無休

ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
営業時間/11:00~18:00
地図


by sora_hikari | 2014-08-20 14:05 | おしらせ

器考:生活工芸

d0087761_18575155.jpg

最近よく聞く「生活工芸」なる言葉。

美術工芸でもなく、茶陶でもなく、精神論的には民芸に近かろうけど、それも違う。かといってクラフトだと従来のライトなイメージに成り易い。ということで、ここ十数年来の今の暮らしにフォーカスされた工芸品を言い表そうというのが「生活工芸」ということだろうか。

それはじじ臭いヤキモノではなく、えらそーな茶碗ではなく、かび臭い古民具でもない。かといってポップなデザインものでもない。多くは思想的反逆ではなく、受容的態度の洗練された手造りの生活道具の一群である。男子目線よりは女子目線。より生活に近い、普段使いのものを対象とする。

使って楽しむ側からすれば、わざわざ言葉として定義づける必要もなかろうが、一方で記号にしなければ意味を理解しないアカデミックな領域の人々もいるのだろう。そういう役割として「生活工芸」と言語化する意義は大いにある。

かつてはある種の権威や閉鎖性に対するカウンターであったであろうが、今やそちらの方がメインストリームの「現象」である。なぜなら、昔のように工芸界のややこしい参入障壁もなければ、少しの技量とセンスが伴えば、開かれたマーケット(クラフトフェアとか)において、「作家」なるデビューも比較的安易である。今や、暮らしの道具が全盛の時代となった。いわば平成元禄なのだ。多分。

使う側には、誠にありがたい時代ではなかろうか。センスよく、使い勝手のよい生活道具を、かなり安価に手にすることができる。作り手も素直で、感じがよい人ばかりである。暮らしもつつましく、ぎりぎりの価格設定で提供することを苦にしない。

これは時代の「現象」なのか。俯瞰してみれば、枯渇する資源や経済的な閉塞感に対する時代のバランサーのように思う。作る側と使う側の距離の近さ。生産と消費の均衡。その範囲で満たされる精神世界。今の時代、大きな思想よりも、幸せの答えは、身近な足元にあるのだ。

しかし、一旦記号化された言葉は、やがて形骸化することも事実である。表層的な「生活工芸」なるものが蔓延すれば、その生成期の意味は薄まり、単なるスタイルになり兼ねない。そう、流行った時点でブームは終わっているように、次の模索の旅がはじまるのである。今のように開かれた工芸の時代にあっても、やはり階層化されるし、特定のスノッブな一群も存在する。そして、そこに近づきたい人ばかりが溢れている。

総論賛成。各論異議あり。少しづつ、次に向かって振り子は動いている。今が弥生のような実用向きの時代だとしたら、これからは呪術的な縄文の精神性も求められるのかもしれない。「生活工芸」に感謝しつつ、次の何かを見てみたい今日この頃なのです。

※写真は、岡モータースのブレッドさん。本文とは全く関係ありません。

by sora_hikari | 2014-08-19 18:59 | 器考

器考:ああ余剰

d0087761_16435360.jpg

世はお盆。人もまばらな日も良いものです。現在、常設展示期間となっております。

さて、うつわは必要か?

人の生命を司る「食べる」ための道具ですから、当然必要なもの。但し機能だけで見れば、古くは葉っぱでも良く、まあそこまで極端でなくとも現代はホームセンターなどで手に入る食器で十分でしょう。時にそちらの方が優れている場合もあります。しみづらく、重ね易く、手に入り易い。陶磁器の技術的進化の過程で見れば、焼締めや粉引などはむしろ退行した技法ですから、一概に手造りの器ばかりが優れているとは言えません。しかし大量生産された味気なさを除けばの話ではありますが。

では何故、作家ものの器、骨董の器、またはデザイナーの器を選ぶのか?または、選んで欲しいのか?お店側の目線ですから、ご判断はお任せしましょう。

今時分のうつわは、人を呼んでもてなす機会の減った現代の暮らしにおいては、自己顕示をする要素が希薄である分、それを使う人の気持ちの満足度という私的なウェイトが大きいと思います。また骨董的価値の高さや美術工芸的な秀逸さのあるうつわを所有しようとする特殊な層も、日本の経済状況に比例して大きくシュリンクしていることも事実でしょう。

うつわは見ても触っても、映画や遊戯施設のアトラクションのような過激な刺激はありません。何も語らないし、手に包んでも涙など流れてきませんが、確かに心に届く何かがあるように思います。これは知識だったり情報だったり、いろいろな経験の積み重ねから醸成されていくものです。親の世代から良いもの受け継いできたご家庭もあると思いますが、多くは後天的に得る感性ではないでしょうか。それは自分の目を開いてみないと、決して届くことのない、わずかな感性だと思います。とても微細な感覚。震災がおこれば、吹いて飛ぶような余剰なことかもしれません。

でもですよ。人はそういう微妙なはざまに喜怒哀楽を感じながら、生きざるを得ない存在なのではないでしょうか。決してうつわだけの事ではありません。いや器でなくてもいいのです。きっと人それぞれ、そういう無駄なことに意味を見出すことが大切なことのように思います。夕日を美しいと思う、花を愛でる、生きるだけの機能を求めるならいらない感性なのかもしれません。

器は、食を彩る文化とか料理の着物とか、言い方はいろいろありますが、突き詰めれば、用途を超えた「余剰」な部分にこそ、意味が隠されているように思います。暮らしの道具としての役割。向こう側にある味や会話。モノとしての所有感。精神的な充足。それは自分の内面を豊かにする、とても繊細なセンサーなのではないでしょうか。そういう関係性を養う力が、作家などの手造りの器にあるのではないでしょうか。そんなうつわの「余情」を楽しむことが出来る人が増えれば素敵なことだと思います。

但し、度を過ぎないことが大切ですが、、、。個人の経験として。

写真は、現在展示中の田村文宏さんの灰粉引の汲み出し。2,000円(税別)。本文とは特に関係ありません。


営業カレンダー
8/15(金)~19(火) 常設展示
8/20(水)~29(金) 夏期休業
8/30(土)~9/2(火) 常設展示
9/3(水)、4(木) 定休日
9/5(金)~9(火) 常設展示
9/10(水)~12(金) 定休日および設営日
9/13(土)~23(火・祝日) 小嶋亜創展 ※会期中無休

ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
営業時間/11:00~18:00
地図


by sora_hikari | 2014-08-18 01:04 | 器考

「猿山道場 東京決戦」のお知らせ

d0087761_16111794.jpg


8月12日(火)~26日(火)に、「猿山道場 ~東京決戦~」を東京・中野ブロードウェイ2階にあるBar Zingaroにて開催いたします。川越うつわノートで実施した「猿山道場」と「門下生展」を合わせた展示内容となります。猿山プロダクツと、門下生9名のうつわをまとめてご覧頂ける機会です。展示に加えて、トークショーや似顔絵イベントも開催いたします。また、「Bar Zingaro」では、コーヒー、お酒などの他に、この季節ならではの、かき氷や有機冷茶も楽しめます。暑い夏を涼やかに。遅い時間までオープンしておりますので、ぜひこの機会にお出掛けください。


猿山道場 ~東京決戦~
2014年8月12日(火)~26日(火)まで
会場:Bar Zingaro
東京都中野区中野5-52-15 中野ブロードウェイ2F (地図
月〜木・日曜  11:00~ 21:00
金・土・祝日・祝前日 11:00~23:00
ホームページ

1)トークショー (村上隆さん猿山師範と門下生たち)
8/15(金)19時~
詳細:facebookページ

2)堀道広さんの似顔絵イベント
猿山道場の漫画を描いた堀道広さんによる似顔絵「チンプラ」開催
8/24(日)15:00〜(予定)
詳細:facebookページ


by sora_hikari | 2014-08-11 16:31 | 猿山道場

LEE UFAN展@カイカイキキギャラリー

d0087761_19355139.jpg

元麻布にあるカイカイキキ・ギャラリーで開催中の「李禹煥(リ・ウーファン、Lee UFan」さんのトークショーに行ってきました。浅学ですが、書き留めのつもりで記述します。

李さんは1960年代後半から70年代初頭に現れた「もの派」と呼ばれる芸術ムーブメントを代表する方。その作品は、筆(刷毛)によるシンプルな軌跡、石、鉄、ガラスといったソリッドな要素で構成されています。今回のカイカイキキギャラリーの作品も、まるで禅庭のような佇まいです。それは、西洋の概念的なミニマルアートよりも、禅を軸とする思想性や茶の湯の削ぎ落とされた美学を感じます。

李さんの学生時代は西洋的文脈のアートが軸になっていたようで、日本発で戦後アートの流れは、まだ未整理だったそうです。国内で展覧会するよりも、海外での実績が逆輸入されることで再評価されるという、国内が自己確立していないアートシーンだったのでしょう。

「もの派」と言えば、地中から土を円柱状に彫り出しただけの関根伸夫さんの「位相-大地」は知っている方も多いかもしれません。石、木、紙、綿、鉄板などにあまり手を加えずに組み合わせただけの芸術作品。

60~70年代のアートは、もっと価値破壊的なパッションを原動力とする激しい方向や、アングラ劇のような退廃的な美学の中にあって、削り落していくだけの無口な「もの派」が同時に生まれたのは興味深いと思います。反米、反権威、高度成長。時代は自身の文化的確立を求めて模索していた時期だったのではないでしょうか。

その中にあって、李さんの活動は西洋的美術の文脈に対する、東洋発、日本発の美意識の再定義だったように思います。数寄屋、庭、書画に見られる日本的ミニマリズムの再構築。間の美学。そう、本来日本にあった意識を世界向けに翻訳し、新たに東洋と西洋の融合、またはどちらでもない新たな価値を提示したことに意味があったのではないでしょうか。

皮肉なことに、当時は李さんの評価は日本よりも海外からの方が早かったようです。ここ数年に再編された「もの派」の定義によって、さらに国際的にも日本でも評価も高まったようです。

こういう流れを見ると、何故、村上隆さんのギャラリーでこの展覧会が開催されているか繋がってくるように思います。表現の方法は違っても、日本文化の特殊性を明文化し、再構築していること。そして海外のアートシーンに拮抗し得る文脈でのプレゼンテーション。勝手な見方に過ぎませんが、そこに村上さんがシンパシーを感じているのも頷ける気がします。

トークショーの後半の方で、李さんが最近の日本のアートの貧弱さを嘆いていました。今の文明に対してアーチストの発想や態度が問われているのではないかと。一見すると、もの静かなアート作品の李さんですが、表現することへの情熱を語る背景に、ご自身の今まで歩んでこられた闘いや葛藤を垣間見た気がしました。

トークショーは会場が溢れんばかりで大盛況。若い人もたくさん参加していました。世界的アーチストというよりも、普段のまま自分の経験を説明する李さん。若い作り手も、きっと出発点は同じとして何か共鳴することがあったのではないでしょうか。先人に学ぶ。大切な機会だったと思います。


李禹煥 展
2014年07月25日 – 2014年08月21日
開廊時間 :11:00 – 19:00
閉廊日:日曜・月曜
カイカイキキギャラリー
(東京都港区元麻布2-3-30元麻布クレストビルB1F)
ホームページ

d0087761_19365662.jpgd0087761_1937462.jpg



by sora_hikari | 2014-08-10 19:40 | 見て歩き

営業案内:常設展示

d0087761_10152324.jpg

本日8月10日より、しばらく常設展示となります。今回の期間は、宮岡麻衣子さんの新入荷品などを展示しております。多様な器をご覧頂くには良い機会です。どうぞお出掛けください。

8月は変則的な営業となりご迷惑をおかけします。
営業カレンダーをお確かめの上、お出掛けください。


営業カレンダー
8/10(日)~12(火) 常設展示
8/13(水)、14(木) 定休日
8/15(金)~19(火) 常設展示
8/20(水)~29(金) 夏期休業
8/30(土)~9/2(火) 常設展示

ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
営業時間/11:00~18:00
地図


by sora_hikari | 2014-08-10 11:00 | おしらせ

書肆・逆光 @ 八丁堀

d0087761_154763.jpgd0087761_1541527.jpg
d0087761_1542453.jpgd0087761_1543357.jpg
d0087761_154404.jpgd0087761_1545439.jpg

これだけ本が溢れた中で、何故人は古書を買うのか。これだけものが溢れた中で、何故人は古物を買うのか。趣味、探究、好奇心、希少性、知的充足、物欲、実用。人それぞれあるだろうけど、自分の内面が問われているようにも思う。必要なものが溢れると不必要。不必要なものがもたらす心の必要。このパラドックス。古書と古物の店「書肆・逆光」(しょし・ぎゃっこう)。東京・八丁掘にて。

古書と古物 書肆 逆光(しょし・ぎゃっこう)
東京都中央区八丁堀2-3-3 2F
12時〜19時 日曜休
Tel&Fax 03-6280-3800
店主のブログを是非

by sora_hikari | 2014-08-10 02:01 | 見て歩き

安永正臣展 @ プラグマタ

d0087761_138740.jpgd0087761_1375660.jpg
d0087761_1374463.jpgd0087761_1381810.jpg
d0087761_1382622.jpgd0087761_1383628.jpg

八丁堀のプラグマタで開催中の安永正臣さんの個展に行ってきました。釉薬の成分を型で焼いたオブジェ。発掘品のような佇まいです。本展のサブタイトルは、「Sand Dune」=砂丘。店主ペトロスさんによって、海辺の砂浜に流れ着いた物体のようなディスプレイです。作品、それに合わせた展示とDM。空間そのものが作品です。

安永正臣展 
2014年8月2日~10日
12:00~19:00(最終日は18:00まで)
プラグマタ(東京・八丁堀)
ホームページ
Facebook

by sora_hikari | 2014-08-10 01:51 | 見て歩き