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内田鋼一さんのカップ

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世田谷 夏椿 2009年12月

内田鋼一さんのカップです。そば猪口や湯呑にもなるサイズ。エナメル調の白釉に茶のストライプが施されています。昨年行われた「昭和の食卓展」()で展示されていたものです。このラインの配色が、昭和レトロなイメージを彷彿とさせます。かつて北欧のアラビア社やグスタフベリ窯のコピーが日本に出回った頃に作られていた量産のカップやプレート、メラミン樹脂のチープな造りの食器などに見られたデザインだったように思えます。重厚な器から軽やかな器づくりまで、幅の広い内田さんを感じるカップです。

by sora_hikari | 2010-01-31 23:34 | 内田鋼一さん

おもてなしの美 @ サントリー美術館

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六本木ミッドタウンのサントリー美術館で開催されている「おもてなしの美 ~宴のしつらい~」へ行ってきました。これは、サントリー美術館が所蔵する工芸品や絵巻などを、「おもてなし」というテーマで括った企画展です。展示されているのは、絵巻・屏風絵などの絵画類と、陶器・漆器などの工芸品で、約220点となっています。展示構成は大きく3つに分かれ、(1)「季節のもてなしとしつらい」では、新春、ひな祭りのおもてなし道具やその調度類を描いた絵巻の展示、(2)「おもてなしと宴の歴史」では、中世・近世のおもてなしの様子を描いた絵巻や屏風の展示、(3)「おもてなしの器と調度」では、酒器・食の器・茶道具・香道具などが展示されています。賓客を迎えるための「もてなし」の道具となると、日常とは違ったハレの場の為の、飾りの贅を尽くしたものが多く、日本の匠の高さを感じることが出来ます。また正月・桃の節句などの季節を祝うしつらいの場合は、暮らしに根ざした神事の様相を感じることが出来ます。一方、茶の世界になると、華やかさよりも幽玄な精神的な世界観が強まり、日常器からの見立て品が使われる様子も見て取れます。日本人が培ってきたお客様への気遣いの歴史を垣間見ることのできる展示会です。


おもてなしの美 ~宴のしつらい~
2010年1月27日(水)~3月14日(日)
日・月 10:00~18:00 、水~土 10:00~20:00
定休日:火曜日
入場料:一般1000円
サントリー美術館 (東京・六本木 ミッドタウン ガレリア3階) ホームページ

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by sora_hikari | 2010-01-29 22:24 | 見て歩き

小野哲平さんの碗

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神宮前 Zakka  2009年12月

小野哲平さんの碗。唐津の土をベースに焼かれたもの。昨年より取り組まれているものだそうです。いつもの哲平さんの器に比べると少し薄く作られています。高台周りには、釉薬が縮れた梅花皮(かいらぎ)が美しく出来ています。落ち着いた鶯色に土味の良い碗です。

by sora_hikari | 2010-01-27 23:39 | 小野哲平さん

福永芳治 陶展 @ Zakka

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原宿のZakkaで開催されている福永芳治さんの個展へ行ってきました。福永さんは山梨県北杜市で制作されています。今回展示されているのは、粉引、鉄彩、焼締めの器です。福永さんの粉引は、グレーで艶のある仕上がりになっていて、しっかりと焼き抜かれた堅手の印象があります。また器体は、ゆったりとしたろくろで形作られ、ぬめるように繋がるラインが特徴的です。全体的に堅い釉調と柔かな形が同居した造りの器になっています。造形的な魅力を持ちながら、日常使いがし易い器です。福永さんは、元々出版社にお勤めになっていて、40代で陶芸の世界に入られたそうです。現在60歳というご年齢ですが、個展会場で器の事をお聞きしても、気取りなく朗らかに接してくださる優しい方です。そういう衒いの無い素直なスタンスが器にも表れているように思います。


福永芳治 陶展
2010年1月25日(月)~30日(土)
11:00~19:00
Zakka (東京・神宮前) ホームページ

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by sora_hikari | 2010-01-25 23:59 | 福永芳治さん

二階堂明弘・一品更屋 @ ギャルリー・ワッツ

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南青山のギャルリー・ワッツで開催されている「境界線 ~二階堂明弘の器と、一品更屋の見立て~」へ行ってきました。これは、益子で制作されている二階堂明弘さんと、現代茶事をプロデュースする一品更屋さんによるコラボレーション企画展です。展示されているのは、二階堂さんの器と一品更屋さんが見立てた古物による茶や数寄の世界。境界線というタイトルには、茶事も日常も、古い物も現代の物も境目なく、ただ美の世界を見出したいという思いがあるのだそうです。そういう概念的な思いと共に、実際の展示物とが如何に見る側に届くかがポイントになるのかもしれません。


境界線 ~二階堂明弘の器と、一品更屋の見立て~
2010年1月19日~26日
12:00~19:00(最終日は17:00迄)
ギャルリー・ワッツ(東京・南青山) ホームページ

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by sora_hikari | 2010-01-25 23:30 | 二階堂明弘さん

田谷直子 陶展 @ H.works

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立川のH.worksで開催されている田谷直子さんの個展へ行ってきました。田谷さんは神奈川県相模原市で制作されています。今回の個展では、灰釉の器と瑠璃釉の器を見ることができました。灰釉の器は、釉薬の調合や土の種類によって、グレーっぽい色、白っぽい色、明るい肌色の3種の色調の器が展示されています。また瑠璃釉の器は、焼成の具合によって、濃い紺色とグラデーションの付いた紺色の仕上がりのものがありました。店内に並ぶ器は、灰釉の器の割合が多く、全体的に明るいトーンで春に向けた暖かな雰囲気に包まれています。田谷さんの器から受ける印象は自然体。土や灰の持つ特性を活かしながら作られた器は、ベーシックで、暮らしの中に溶け込み易い温和な印象があります。外形的な形や色合いもそうですが、作家性を押し出すことよりも、料理に合わせることを主体にした基本的な価値観があるからのように思います。ご店主が訪ねた田谷さんの工房レポートを読むと、柔和な優しい器が生まれるのは、作り手のお人柄そのものという感じがします。

※田谷さんの工房レポート(H.worksホームページより) 2010年版 2008年版


田谷直子 陶展
2010年1月23日(土)~30日(土) 会期中無休
11:00~19:00
H.works (東京・立川) ホームページ

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by sora_hikari | 2010-01-24 23:46 | 田谷直子さん

城進 展 @ KOHORO

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二子玉川のKOHOROで開催されている城進(ジョウ・ススム)さんの個展へ行ってきました。城さんは三重県の伊賀丸柱で制作されています。今回は幅広い作風の器を見ることができます。まずは、城さんの器を代表する鉄文様の線刻が施された器。それに加えて、無文の鉄釉の器、粉引の器、灰釉の器、白磁の器、飴釉の器、耐熱の器、焼き締め。砥部の土を使った白磁や、地元の伊賀土を使った粉引は今回はじめて作られたものだそうです。文章で書き連ねると多くの種類があるように感じますが、店内を全体的に見渡すと、茶系の器と白系の器が半々といったところで、決して煩雑な印象はなく、城さんらしい渋みのある使い易そうな器ばかりです。たくさんの器を見ることで返って城さんの器作りに対する信条が伝わってくるように思います。土を活かすこと、味わいを出すこと、作り込み過ぎないこと、使い易いこと。そんな思いが器全体に通じているように感じました。シンプルな和食器の良さを引き出した暮らしの中の器なんだなとあらためて思います。城さんは伊賀というヤキモノの世界では伝統的な土地で制作されていますが、そちらのご出身ではなく、いわゆる伊賀焼を踏襲されている訳ではありません。しかし美術的な茶陶のヤキモノを生みだした土地で、あらたに暮らしに根ざした生活者のための器づくりをされているのは何らかの因果も感じます。決して伊賀の素材ばかりを選択していない外来の城さんが、現代の暮らしに合う土着的な器を生み出しているのは、全国のヤキモノ産地に起っている流れなのかもしれません。


城進 展
2010年1月23日(土)~2月1日(月) ※会期中無休
11:00~19:00
KOHORO (東京・二子玉川) ホームページ

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by sora_hikari | 2010-01-23 23:59 | 城進さん

小澤基晴 陶展 @ ラ・ロンダジル

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神楽坂のラ・ロンダジルで開催されている小澤基晴さんの個展へ行ってきました。小澤さんは岐阜県土岐市で制作されています。今回は、小澤さん独特の色遣いによる3色の器を見ることができます。鉄赤、淡黄、ブロンズ(茶)の3色。赤・黄・茶と書くと彩りが強そうに思うかもしれませんが、いずれもぐっと落ち着いた大人な色合いです。例えるなら、鉄赤は濃い朱漆のような品格のある色、淡黄は蒸したカボチャのようなホクホクした色、ブロンズ(茶)はココアのような甘い色。どの色も自然の持つ中和な色味ですから、食卓に心地の良いアクセントをつけてくれるように思います。この3色がお皿、鉢、カップ、花器など、いくつかの種類とサイズに使われています。いずれもシンプルでくせのない形。少し厚めに仕上げてあるため柔かな印象があります。小澤さんの作る器は、モダンな形を選びながら共通した優しさがあります。北欧の民芸のような暖かさ。研ぎ澄まされたクールな北欧デザインではなく、長い冬の生活のなかで培われた生活者のハンドクラフト。そういう積み重ねられた暮らしの中から生まれた道具との共通性を感じました。


小澤基晴 陶展
2010年1月23日(土)~28日(木)
12:00~19:00 (日曜は18:00迄、最終日は17:00迄)
ラ・ロンダジル(東京・神楽坂) ホームページ

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by sora_hikari | 2010-01-23 23:40 | 小澤基晴さん

相原清子 鍛金の仕事 @ ヒナタノオト

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日本橋浜町のヒナタノオトで開催されいる相原清子さんの個展へ行ってきました。相原さんは埼玉県鴻巣市で、群生海という工房名で鍛金のお仕事をされています。今回は銅で作られた鍋を中心に展示されており、蓋付き鍋、ミルクパン、ソースパン、バターウォーマー、湯豆腐鍋など大小のいくつもの種類の鍋を見ることができます。また、スプーン、おたま、コーヒーメジャーなどの道具も同時に並んでいました。相原さんの作る鍋は、女性らしい円やかさがあって、優しい印象があります。手作りの鍋は、一枚の銅板を鉄の鎚にあてて、金槌でコツコツと叩いて板を伸ばし、曲線を付けて仕上げていく手間のかかるお仕事です。手で作られた鍋には、金属でありながら、ひとつひとつ付けられた鎚目に作り手の気持ちを感じることができるように思います。丁寧な造りですから、まさに一生もの。永く付き合うことで愛着が増す人間味のある道具です。銅で作られた鍋は、熱伝導率が良く、コンロの火加減を直接的に調理に伝え易いのだそうです。プロの料理人によれば、焼きや煮る調理は、火のコントロールに熟練の技がいるのだそうですが、そんな要求にも応える銅の鍋。コトコトと火にかかる鍋からおいしい匂いがしてくる風景は暖かい気持ちになります。


相原清子 鍛金の仕事 ~銅の鍋のある暮らし~
2010年1月23日(土)~31日(日) ※26日(火)は休業
12:00~19:00 (土日は18:00迄)
ヒナタノオト(東京・日本橋浜町) ホームページ | ブログ

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by sora_hikari | 2010-01-23 23:22 | 相原清子さん

吉田直嗣 作品展 @ 日々

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銀座の日々(にちにち)で開催されている吉田直嗣(ナオツグ)さんの個展へ行ってきました。吉田さんは静岡県御殿場で制作されています。吉田さんの器と言えば「黒」というイメージがありますが、今回の個展では新たな「白」の器を見ることができます。数年前より徐々に白い器も作っていたそうですが、これだけまとめて出展するのは初めてになるそうです。大学を卒業後、黒田泰蔵さんの工房でアシスタントをしていたという経緯もあって、敢えて黒の器にこだわって作っておられたのかなと思いますが、作家としての実績を重ねる中で、自然な気持ちで白の器にも向き合えるようになったのかもしれません。吉田さんの作る器は、モダンクラフトのようなシャープなデザイン性とともに、わずかな手の揺らぎを感じる形に特徴があるように思います。洋風とも和風とも選別仕切れない折衷された器です。そこにしっとりとした独特の黒色がまとい、エッジを抑えた柔かな温もり感を出しています。今回展示されている白の器も、そんな吉田さんの文脈に添った要素を持ち合わせていて、全く反対の色遣いでありながらも、明らかな共通性を有しています。以前お聞きしたお話ですが、吉田さんは、原土や自然灰にこだわるといった考えはないのだそうです。物流の発達した現在、全国から入手できる安定した素材を使って自分らしい器を創り出すこと。自然の持つ変化を良しとするヤキモノの世界では、現代的なお考えなのかもしれません。しかしそういう変数を除いても、きちんとした自分らしい器を表現できるところに一本の軸を感じます。吉田さんの白と黒の世界に共通するそんな芯を感じる個展でした。


吉田直嗣 作品展
2010年1月22日(金)~27日(水) ※会期中無休
12:00~19:00(最終日は17:00終了)
日々(東京・銀座) ホームページ

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by sora_hikari | 2010-01-22 23:50 | 吉田直嗣さん