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横山拓也さんの注器

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西麻布 桃居 2008年11月

横山拓也さんの把手付きの注器です。手びねりで作られたものだと思います。本体からにょきりと上に出た注ぎ口や丸くしっかりした把手が、手の仕事を感じさせます。練り付けられた白化粧土が見せるヒビが、独特の質感を感じさせます。左官の漆喰塗りに触発されて生み出された表現です。横山さんの作る造形は、シンプルなプレートや花器など、用途があまり際立たないものにその質感が活きてくることが多いですが、このような機能がはっきりした器にも独自のスタイルがきちんとメッセージされているところが魅力的です。全体のシルエットも、所々のディテールにも見せ場がある器だと思います。

by sora_hikari | 2008-12-31 15:30 | 横山拓也さん

オーストリアの鉢

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古いコバルト模様の入った鉢。33センチの大ぶりなサイズ。一見すると南仏やイタリアの軟質な陶器に見えますが、土は固めでオーストリアのものだそうです。釉薬の剥がれや痛みの状態から実用には向きませんが、鑑賞の器として見ごたえを感じます。家庭用の日常陶器だったのでしょうか。こういう器は、日本の民陶や世界の生活用具と共通する飾らない素朴な美しさを持っているように思います。

by sora_hikari | 2008-12-26 13:32 | 古いもの

錫のメジャーカップ

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錫製のメジャーカップ。金属なのでどっしりした重さがありますが、広がる口や把手のラインの流れが柔かさを感じさせます。合金の鈍い黒が落ち着いた光を映しています。

by sora_hikari | 2008-12-26 00:26 | 古いもの

五月女寛さんの陶オブジェ

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西荻窪 みずのそら 2008年11月

五月女寛(さおとめひろし)さんの陶のオブジェです。使い古された積木の趣です。落ち着いた色どりや釉の擦れ具合が、懐かしさを感じさせます。小さなサイズですが、いろんな形、いろんな色をお作りになっています。その中からひとつひとつ手にとって、自分なりに組み合わせた小さな世界をつくることが出来ます。まさに積木で遊んでいながら自分のストーリーを描くような感覚です。五月女さんの作る陶作品は、こういうファンタスティックな側面の他に、どこかにデ・スティルのようなかっちりとした骨格をもった印象を受けることがあります。陶の立方体や直方体の垂直と水平に見られる建築的なメタファーと言えばよいでしょうか。ご本人の意識下はわかりませんが、そういう二面性の両立がユニークだと思います。東京雑司ヶ谷にある古い家をご自身で改装され、住まいとアトリエにされているそうです。都心のなかで古いものとうまく共生しながらのものづくり。五月女さんの作ることと暮らすことのバランスに憧れを持つ方も多いのではないでしょうか。

※五月女さん「アトリエ空心」のブログ

by sora_hikari | 2008-12-24 23:46 | 五月女寛さん

hommage @ feel art zero

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「辻徹さん -透明なはずの水が時折、澱んだようにさざ波立ち-」
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「前川秀樹さん -コーネル-」
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「猿山修さん -静謐 五感の悦-」
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「井藤昌志さん -グレングールド-]
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名古屋の桜通り沿いにあるギャラリーfeel art zeroで開催されているhommage(オマージュ)展へ行ってきました。これは写真家・辻徹さん、美術家・前川秀樹さん、デザイナー・猿山修さん、木工作家・井藤昌志さんの4人が共同で「hommage=敬愛するもの」という企画テーマで展示を行うものです。個々の作家のhommageするものには、それぞれに解釈された表題が付けられています。1)辻さんは「透明なはずの水が~」というやや詩的な言葉を選ばれていますが、それは森羅万象が見せる儚い美しさへの思いのようです。独特の視点で捉えた静物・風景・室内を繊細で儚げな写真にし、薄い紙へプリントすることで表現されています。2)前川さんは、「コーネル」というシュールレアリスムのコラージュボックスアートの作家への思いを基に、前川さんの意図と作る過程で生まれる邂逅を箱の中に納めたアートの小宇宙作品を展示されています。3)猿山修さんは、「静謐 五感の悦」という具象的な対象物ではなく、自らに影響もたらす感覚の世界をテーマにして、その目に見えないエッセンスを形にした器・照明・家具・音楽などミニマルな具象物として披露しています。4)井藤昌志さんは、「グレングールド」という熱狂的な信者をもつピアニストをイメージした椅子や、宮沢賢治の銀河/石炭袋を解釈した椅子などを展示しています。個々のテーマの捉え方は異なりますが、お互いが憧れをもつ少年の気持ちをhommageという企画で括ったユニークな展示会です。それぞれの作家が個展を開催しても良い方々ですが、お互いの既存の作品を持ち寄ったグループ展ではなく、この企画に惚れてオリジナルに取り組んでいる様子が伝わってきます。名古屋まで展示を見に行ったのには、個々の作品への興味もさることながら、この企画の視点や意味合いを肌で感じてみたかったというのが本心でしょうか。当ギャラリーのオーナーは正木なおさん。それぞれ独自の世界観を持つ作家さんをひとつの企画により、新たに生まれる何かを実現されたかったようです。美術も工芸も境界なく、今出会えるアートを扱いたいとおっしゃいます。美術館の鑑賞物は個人では手にできないけれど、現世の作家による表現物はだれもが手にすることができる魅力があると思うようです。企画だけではない、作家だけではない、ギャラリーという場だけではない、それを見たり手にするゲストがいて初めて作品の存在意義が成立するのではないかというお考えがあるようです。丁寧に立てられた企画展。これからもどんな試みがここから生まれるのか注目してみたいと思いました。


「hommage(オマージュ)」
・辻徹(写真家)
・前川秀樹(美術家)
・猿山修(デザイナー)
・井藤昌志(木工作家)

2008年12月13日(土)~28日(日) ※火曜休
12時~18時
gallery feel art zero (名古屋市・東区葵) ホームページ

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このfeel art zeroが入居している三光ビル。上下8車線の大きな通り沿いにあります。上層階にもユニークなお店が入居しています。オーナーの方はそれぞれ別の方ですが、新しい文化という点で繋がっているように思います。
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2階 「 22 」 (トゥエンティートゥ) ※HP
12:00-20:00/定休火曜
052-932-2090
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世界を旅するをコンセプトにしたセレクトショップ。今回はSELF esteemという12月29日までの企画で、安藤明子さん、mon Sakata、ヨーガンレールなどの衣服を展示していました。その他には海外で選んだ商品、古い写真集、作家ものの陶器・オブジェなど品質の高いものが並んでいます。

3階 「 3+ 」 (トロワプリュス)HP
12:00-19:00/定休火曜・第3水曜
052-937-3223
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アンティーク・ブロカントとカフェ。パリ、イギリス、アメリカなどから仕入れた古物が並びます。店内の奥はカフェになっていて古家具に腰掛けて落ち着いた時間が過ごせます。

4階 「 A 」 (エイ) ※HP(まだ完成してないようです)
12:00-20:00/定休・火曜
052-932-8500
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11月29日オープンしたばかりの服飾のお店。アントワープを中心にした古着が扱われています。


by sora_hikari | 2008-12-23 22:42 | 見て歩き

成田理俊さんの鉄プレートとフック

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西荻窪 みずのそら 2008年11月

成田理俊さんの鉄のプレートとフックです。プレートは、土台に置いて叩いて写った凹凸、焼けた色のムラ、仕上げに塗った蜜蝋によってさまざまな表情を生み出しています。単純な平面だけにかえってそのマチエールの変化が視覚的に浮き出され1枚の抽象画を見るようです。用途は限定されず、使う人次第。壁に飾っても、敷き板としても、メモなどをマグネットでクリップしてもいいかもしれません。フックの方は成田さん定番のインテリアで使える部材類です。丸い輪の鉤フック、S字のフック、そして釘です。これらは丸い鉄筋を叩いて鉄を締めながら四角くしていき硬度を上げるという手間のかかる工程を経ています。そういう機能に加えて、鉄を鍛えることで堅く締まって、強さと繊細なラインとの融合が美しさをもたらしているように思います。鉄という無骨な素材を使ってギリギリの表現をされる成田さんの感覚は興味深いです。

by sora_hikari | 2008-12-21 22:43 | 成田理俊さん

長峰菜穂子さんの個展@ラ・ロンダジル

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神楽坂のラ・ロンダジルさんの新ギャラリーで開催されている長峰菜穂子さんの個展へ行ってきました。和情緒のある1軒家の室内に洋風の器が並んでいます。型づくりによるものです。飾りのあるプレートがメインで、欧州のエレガントな形に侘びた風情のお皿です。ヨーロッパの古い器を参考にしたものですが、そこにレトロな質感が加わっています。李朝や古唐津など侘び寂び感のある器もいいですが、西洋のデカダンスな香りのする器もまた新鮮に映ります。男性的な視点に対して女性的な優雅さを持った目線とでも言えばいいでしょうか。西洋の形をしながら、これは日本的な美的感覚によるある種の見立てなのかもしれません。


長峰 菜穂子 陶展  ~Drape Plate~
2008年12月20日(土)~25日(木)
12:00~19:00 (※最終日は18:00まで)
galerie La Ronde d’Argile (東京・神楽坂) ※ホームページ

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by sora_hikari | 2008-12-20 23:23 | 長峰菜穂子さん

柴代直樹さんの焼き締め小皿

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蔵前 in-kyo 2008年11月

柴代直樹さんの南蛮焼き締めの小皿です。素直に作られた器だと思います。柴代さんは神奈川県の藤野町の山奥で制作されています。地元で掘った土を自作の窖窯で焼成されています。意図的な要素を取り除いていってストレートに土や焼成に向かっているように思います。大きな作為的な工夫も持ち込まず、あるがままに作る。作陶も暮らしもそういった感じを柴代さんの器を見ていると感じることができます。

by sora_hikari | 2008-12-20 07:05 | 柴代直樹さん

古いパレット

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古い金属製のパレット。外でスケッチする際に使用する携帯用のものだと思います。底の塗装が縮れて航空から見た都市の地図のようにも見えます。

by sora_hikari | 2008-12-19 07:22 | 古いもの

石崎正次さんの彫像展@What's

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目黒通り沿いのアンティーク店What'sで開催されている石崎正次さんの彫像展へ行ってきました。石崎さんは画家で絵本などの絵を描かれているそうです。絵を描く合間に作っておられるのがこの彫像です。元々What'sのお客様としてお店に通われていたそうですが、そのご縁でご店主の蝦名さんの目に留まり、この展示会の開催になったそうです。石崎さんの作品は、この彫像を見るのが初めてで絵画の方を知らないのですが、きっと絵の世界と彫刻の世界は繋がっているのだろうと思います。今回は「さまざまな天使」と題され、天使の姿の木彫が展示されています。しかし天使といっても、西洋の端正な姿のエンジェルではなく、静かで人間のような天使たちです。多くが上半身だけで腕が省略されているせいか、大きな動きはなくじっと遠くを見つめる静かな姿です。衣服の色合いは擦れた感じで懐かしい雰囲気がします。なんとなく寂びれた遊園地にいるような、華やかさの裏側にある哀しさを秘めたようにも感じます。しかしそんな忘れらた者だけにわかる、人へのいたわりや慈しみも同時に持ち合わせているように思います。立体物ですが正面性があるので肖像画のようでもあり、画家である石崎さんの絵画的要素が十分に表れているのではないでしょうか。華やかな祝福でなく、心の奥をぎゅっと締め付けるような少し感傷的な優しい天使たち。クリスマスも間近で良い時期の開催かもしれません。


画家・石崎正次 彫像展 「さまざまな天使」
2008年12月9日(火)~25日(木)  ※日曜・月曜・祝日定休
13時~19時
Antiques What's (東京・目黒) 
東京都目黒区目黒4-12-5 日東ビル101 (Google MAP
TEL. 03-3710-1550

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※雑誌Pen の2008年12/15号の「新発想のアンティーク店」という記事中にAntiques What'sが紹介されています。

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Amazon


by sora_hikari | 2008-12-17 23:30 | 見て歩き