<   2008年 03月 ( 13 )   > この月の画像一覧

赤木明登さんの個展


d0087761_2325152.jpgd0087761_23251692.jpg
d0087761_23252453.jpgd0087761_23254336.jpg
d0087761_2326473.jpgd0087761_2326119.jpg
d0087761_23262369.jpgd0087761_23263293.jpg

西麻布の桃居で開催されている赤木明登さんの個展へ行ってきました。昨年の12月に予定されていた個展を今回まで引き延ばしたのは、昨年輪島地方を襲った地震によって倒壊した建物から出た梁や棟木などを材料にして漆の作品を作るためであると聞いていました。お店には、その材料を用い、見事に再生された大きめの漆盆が展示されていて、心の奥に響くものがあります。また今回は定番の漆椀に加えて、他の新たな作品を目にすることができました。21種類もの形をもつぐい呑み。ずらりと並ぶ姿は壮観です。そして漆以外のお仕事も。李英才さんのドイツの工房で作られた陶器の5種の釉色のリムプレートや、真鍮に銀メッキを施した17-18世紀の欧州調の重厚感のあるカトラリーなども目にすることができます。赤木さんのお仕事は当然、塗師がメインなのですが、そこから派生して生活全体をもっと見据えた作品づくりに目を向けていらっしゃるようです。元々、塗師は手作り職人という性質に加えて、木地から仕上げまで全体を見る総合プロデューサー的役割を担っていますので、このような他素材の作品づくりも自然な流れのなかにあるのだろうと思います。漆器という佇まいから導き出される赤木さんの美意識がどういう生活を広げていくのかこれからも楽しみです。


赤木明登 漆展
2008年3月31日(月)-4月5日(土)
11:00-19:00
桃居(西麻布) ※HP

d0087761_2347276.jpg


by sora_hikari | 2008-03-31 23:50 | 赤木明登さん

西川聡さんの個展


[うつわ楓]
d0087761_225171.jpgd0087761_22513545.jpg
d0087761_22514337.jpgd0087761_22515312.jpg
d0087761_2252893.jpgd0087761_22521556.jpg

[SHIZEN]
d0087761_22531142.jpgd0087761_22532557.jpg
d0087761_22535758.jpgd0087761_225449.jpg
d0087761_22541588.jpgd0087761_22544241.jpg

うつわ楓とSHIZENの2店舗で同時開催中の西川聡さんの個展へ行ってきました。楓さんの方では、食器を中心にした「糧の器」、SHIZENさんの方では花器なども含めた「地の器」と題された展示になっています。西川さんの作る器は、手びねりで形作った表面に細かいマチエールを付けて銀彩や化粧土を施し、さらに漆で仕上げた独特のテクスチャーが印象的です。色は赤と黒銀彩の器が多く展示されていました。赤い器は、アジアやアフリカを旅した時に印象的だった色を器として出されているそうです。銀彩によるグレーの器は、黒からグレーへの微妙な色と階調の変化が、まるでメゾチントの版画を見ているように感じました。ご自身の山男のような髭の風貌もあってか、プリミティブといわれることが多い器のようですが、繊細な絵画のような側面もあり、また力強い彫刻のような面もあり、作り手の意識が強さと優しさの領域をまたいで生み出される造形のように感じました。


西川聡 陶展 ―地の器・糧の器―
2008年3月26日(水)-31日(月)
12:00-19:00 (※楓:最終日は17:00迄)
うつわ楓(南青山) ※HP
SHIZEN(千駄ヶ谷) ※HP

d0087761_2320794.jpg


by sora_hikari | 2008-03-29 23:22 | 西川聡さん

春雪展

d0087761_3582150.jpgd0087761_3583778.jpg
d0087761_3585223.jpgd0087761_359123.jpg
d0087761_3591338.jpgd0087761_3592073.jpg
d0087761_3592723.jpgd0087761_3593395.jpg

代官山のギャラリー・イッツで開催されている「春雪」展に行ってきました。これはガラス作家のさじみささん、同じくガラスの井上枝利奈さん、陶磁の長峰菜穂子さんの三人展です。展のタイトルである「春雪」の意味するところは聞きそびれましたが、冬から春へ、春なのにまだ残る雪など、移り変わる季節への期待やなごり惜しさといった気持ちと結びつけて作品を見ていくと面白いのかもしれません。ついガラスは夏の食器というイメージがありますが、今回展示されているさじさんの色ガラスを混ぜたカップや、井上さんのパートドヴェールのプレートを見ると、季節に捉われずに使える楽しさを感じます。そこに渋い仕上げの長峰さんの陶磁器を加えて見ていくと、金属質の釉薬の渋さとガラスの清涼さとの対比が、春なのに雪、といったコントラストが見てとれて、この展示会の企画意図と結びつくような気がしてきます。そういう文脈を考えながらでもいいでしょうし、そんな難しいことは考えずに個々の作家さんの作品を楽しむのもいいと思います。

春雪
 さじみさ(ガラス)
 井上枝利奈(ガラス)
 長峰菜穂子(陶磁)
2008年3月22日(土)-30日(日)
GALLERY it's (代官山) ※HP
d0087761_4204727.jpg


by sora_hikari | 2008-03-24 01:10 | 長峰菜穂子さん

田宮亜紀さんの個展

d0087761_33432.jpgd0087761_3341136.jpg
d0087761_3341897.jpgd0087761_334338.jpg
d0087761_3344175.jpgd0087761_3345773.jpg
d0087761_335725.jpgd0087761_335171.jpg

南青山のうつわ楓で開催されている田宮亜紀さんの個展へ行ってきました。田宮さんの焼〆の器です。薪で焼成され、火色や土の変化に深み帯びた器の展示に加え、今回はガス窯で焼かれた耐熱用の鉢、植物や苔を植え込んだ鉢、木工作家の須田次郎さんと共作の木の蓋や台がセットになった器など、季節・用途・組合せを意図したあらたな器を見ることができました。焼〆の器は、料理を引き立ててくれるので、冬・春・夏・秋と季節季節に合わせた使い方をイメージするのも楽しいです。一気に春めいてきたこの頃、柔らかい色合いの焼〆が優しく見えました。


田宮亜紀 陶展
2008年3月19日(水)-24日(月)
12:00―19:00 (最終日は17:00迄)
うつわ楓(南青山) ※HP

d0087761_3493734.jpg

※参考
田宮さんのHPはこちら


by sora_hikari | 2008-03-24 00:31 | 田宮亜紀さん

イイホシユミコさんの個展


d0087761_18503640.jpgd0087761_18504414.jpg

二子玉川のKOHOROで開催されているイイホシユミコさんの個展へ行ってきました。イイホシさんの器は磁器。口縁の滲んだ黒が琺瑯のようなカップが良く知られているかもしれません。イイホシさんの作る器は、手跡を残さない洗練されたデザインです。「思いをもてる、手づくりとプロダクトの境界にあるもの」。イイホシさんのホームページに書かれたこのコンセプトが象徴的です。今回の個展のテーマは、「DELMONICO DELMONICO」。これは1863年にアメリカのブルマン社が初めて建造した全車両食堂列車の名前をとって付けたシリーズ名だそうです。旅の途中の食堂車ででてくるような器がテーマだそうです。店内にはこのシリーズの白い器がひとつの台に並べ重ねてあってさながら食堂車の配膳を待つ器のようです。展示台の横の窓には車窓から写した写真もピンナップされる細かい演出も素敵です。このDELMONICOシリーズは従来の白に比べて透明感のあるきりっとした白になっています。イイホシさんの作る器は、ご自分の手で作るHand Workのものと、職人さんに制作してもらうProductsがあります。器のラインナップは今回の新作DELMONICOの他にvoyage,boit,bon voyage, unjourなどと名付けられたテーマがあり、それぞれにその器を使っている情景が湧いてくるストーリーがあります。それは器づくりという作業でありながら、どこかの風景を思いながらエッセイやスケッチを描くようなことなのかもしれません。感情を一歩引いた無機質な感じを出しつつも、実はその中に込められたイイホシさんの思いや景色があるからこそ、その世界に魅せられる人が多いのかもしれません。


イイホシユミコ
DELMONICO DELMONICO
2008年3月21日(金)-30日(日) (水曜定休)
11:00-19:00
KOHORO (二子玉川) ※HP

d0087761_1912428.jpg

※参考
・イイホシさんのHP
・インタビュー記事(by くらすこと)
・ガイド記事(by All About雑貨ガイド:江沢さん)


by sora_hikari | 2008-03-22 19:15 | イイホシユミコさん

折形デザイン研究所

d0087761_173416.jpgd0087761_174418.jpg
d0087761_110576.jpgd0087761_18950.jpg
d0087761_181944.jpgd0087761_18268.jpg
d0087761_183516.jpgd0087761_184232.jpg

南青山にある折形デザイン研究所に行ってきました。ここはグラフィックデザイナーの山口信博さんが主宰される折形デザインのお店、ギャラリー、小印刷所を兼ねたところです。元々、山口さんのデザイン事務所の方で展示されていたそうですが、数か月前にこちらの場所に独立して開設されたそうです。古い木造建ての家屋の1階の改装デザインは、プティキュの澄さんによるものだそうです。お店の中には、折形研究所でデザインされたいろいろな紙の折形や山口さんの装幀された書籍が並んでいます。紙で折られた紙幣包み、箸包み、ポチ袋などは、凛としてどれも日本の良き余白の活きた美しいものばかりです。部屋の片隅には、古い活版印刷機が置かれ、それによって印刷された文字の入った紙も見ることができます。その文字の余白や微妙な文字の押された紙の肉厚が感じられ、あらためて活版の良さを感じさせてくれます。青山とは思えない懐かしい雰囲気の中で、温かい照明の元で見る「紙」の美しさが再発見できる場所です。


折形デザイン研究所
港区南青山4-17-1  地図
shop 木・金・土 13:00―19:00
※ホームページはこちら


by sora_hikari | 2008-03-22 01:42 | 見て歩き

熊谷幸治・冨沢恭子二人展

d0087761_14294280.jpgd0087761_1429546.jpg
d0087761_1430139.jpgd0087761_1430842.jpg
d0087761_14301537.jpgd0087761_14302854.jpg
d0087761_14303467.jpgd0087761_14304214.jpg

西荻窪のブリキ星で行われている熊谷幸治さんと冨沢恭子さんの二人展に行ってきました。お二人は大学時代の同級生でブリキ星さんで二人展を毎年開催されています。熊谷さんは土器を中心に、冨沢さんは布による壁面作品を展示されていました。熊谷さんは、工房のある山梨の土などを使った土器やそれに蜜蝋を施した器や壺を展示。それに加えて一部の土人形のような作品を置かれていました。お話を聞くと、これは普段の器づくりをしている過程で無性に作りたくなる衝動的な作品だそうです。まるで古代の人が土に込めた祈りの人形のようにも見えてきます。冨沢さんは、普段は柿渋染めのバックなどを作られていますが、ブリキ星さんの展示では、より作品性の高いオブジェのようなものを出展されます。今回は、麻布を器状に縫い、それにアクリル絵の具を塗って固めた作品を店内の壁面に重なるように並べていました。それはまるで壁面から生えたキノコのようであり、何かの生き物の耳が折り重なったようにも見えました。お二人にとって毎年行われるブリキ星さんでの展示は、日常の制作思考から少し解放されて、もっと自由に表現できる場であるように感じます。作り手として時にそういう気持ちを浄化する創作活動も必要なのかもしれません。


熊谷幸治の埴
冨沢恭子の布
ブリキ星の古いもの
2008年3月19日(水)-27日(木)
12:00―19:00(最終日は17:00迄)
ギャラリー・ブリキ星(西荻窪) ※HP

d0087761_14344331.jpg


by sora_hikari | 2008-03-21 14:34 | 熊谷幸治さん

岡田直人・平岡あゆみ二人展 


d0087761_23213577.jpgd0087761_23214526.jpg
d0087761_23215393.jpgd0087761_23221349.jpg
d0087761_23222364.jpgd0087761_2322309.jpg

吉祥寺のPromenade(プロム・ナドゥ)で開催されいる岡田直人さんと平岡あゆみさんの二人展へ行ってきました。岡田さんは白い器を、平岡さんは布ものを展示されています。岡田さんの器はいろいろなところで拝見していましたが、ご本人がいらっしゃる会場で見るのははじめてでした。岡田さんの作る白の器は、シャープなラインに柔らかみをおびた白の釉薬が綺麗です。手作りでありながら量産のプロダクツのようにも感じますし、その逆に北欧のデザイン陶器のようでありながら、柔らかい温かみを感じる手の感触も伝わってくる、プロダクツと作家ものの間をいくような不思議な感覚があります。平岡さんの布は、生活の中にしっかりと馴染む優しい質感があり、すぐにでも家庭の中の一部に溶け込んでしまう自然さが魅力的です。お二人の作る素材の対比の面白みと、そこにある生活空間の中から生まれる協調性が絶妙の組み合わせで展示され、Promenadoの店内を優しく包んでいました。


岡田直人・平岡あゆみ 二人展
2008年3月20日(木)-25日(火)
11:00-19:00(25日は17:00迄)
Promenade(吉祥寺) ※HP
d0087761_23414738.jpg


by sora_hikari | 2008-03-20 23:44 | 岡田直人さん

注ぐもの展@DEE'S HALL


d0087761_23161687.jpgd0087761_23162369.jpg
d0087761_23163670.jpgd0087761_23164698.jpg
d0087761_23165738.jpgd0087761_23171392.jpg
d0087761_23171870.jpgd0087761_23172646.jpg

南青山のDEE'S HALLで開催されている「注ぐもの展」へ行ってきました。展示会のタイトルの通り、注ぐことのできる器ばかりを集めた展示です。アンティークを扱う5つのお店と、現代の5人の作家による器が1つの会場に集まり賑やかです。素材は陶器、ガラス、金属、琺瑯、漆など。用途はピッチャー、水差し、土瓶、ポット、急須、片口、如雨露、理化学器具など。幅の広い注ぐものばかり。注ぐという形は、眺めていると、どこかに凛とした姿が見えてきます。それは水を注ぐ方向についた口に向って形の流れがその1点に集まり、全体の形をきゅっと締めているからだと思います。注器は静より動。静止した丸い皿などに比べて、注器は一定方向に向かう動きを感じます。用がもたらす必然の美。それをいろんな素材や用途で、いろんな時代と国の形が一同に会した内容は見ていて飽きません。

「注ぐもの」展
2008年3月18日(火)-25日(火)
12:00-20:00 (最終日は18:00迄)
DEE'S HALL(南青山) ※HP
出展者
アンティーク : Untidy、KASUKE、サンドリーズ、ディーズ、ルーサイトギャラリー
作家 : 郡司庸久、辻和美、中里花子、堀仁憲、松岡洋二

d0087761_23483132.jpg


by sora_hikari | 2008-03-18 23:37 | 見て歩き

濱中史朗さんのカップ


d0087761_2245990.jpg
元麻布 さる山 2008年2月

先日、さる山さんで開催された濱中史朗さんの個展の際のものです。白い器を中心に作られていましたが、今回の個展では「黒」をテーマに、このような金属を混合させた釉薬を使った「黒い器」を展示されていました。マットな金属釉でブロンズのような質感です。磁器土をろくろで引き揚げ、その勢いを止めぬまま口縁や胴にその手の流れが残っています。形は高台部から上に向ってすっと開き、シルエットが彫刻のようにも見えます。好きな作家がブランクーシとあったので、削ぎ落とされた形には、そういう影響があるのかもしれません。手作りの器は、通常は使う側への協調性を前提に作られることが多いと思いますが、濱中さんの作る器は、どちらかというと、その関係性を突き放した痛さを伴う美しさを感じます。器の根源に骨を感じているという話を読みましたが、そういう視点で器を見ると、肉を削ぎ落としその芯にある骨のような感じも受けます。萩という伝統の地の窯元で育ちながら、お兄さんは服飾のデザインを、妹さんはジュエリーデザイナーをという環境もあるのでしょうか、濱中さんの器には、クラフトというよりもアパレルのようなアプローチを感じました。濱中さんの思考の一端を知る上でWebマガジンのOPENERSに連載された記事も面白いです。

by sora_hikari | 2008-03-13 23:06 | 濱中史朗さん