カテゴリ:山本亮平2014( 15 )

「山本亮平 有田白磁の系譜」 ありがとうございました

d0087761_1434584.jpg

山本亮平展 ~有田白磁の系譜~」は、本日終了しました。会期中は、たくさんの方々にお越し頂き厚く御礼申し上げます。本展では、山本亮平さんが取り組んでいる有田白磁の原点のお仕事を見て頂きました。山本さんは、東京出身。有田の窯業大学で学び、そのまま有田に根を下ろしました。伝統ある有田の窯元のご家系という訳ではありません。また古陶磁研究者でもありません。あくまで、かつて庶民が使った器の飾らぬ美しい姿への憧れから始まった、作り手としての思いが今回の仕事に繋がっています。そんな山本さんの周辺には、同じように古典の新解釈に取り組む若い作り手や窯元の方の活動が広まってきています。それぞれ誇りを持って臨んで作るその姿は清々しく、これからの有田の器づくりに明るい展望を感じます。李参平によって1616年に磁器が作られてから、再来年の2016年には有田400年祭を迎えます。皆様のご家庭にお持ち帰り頂いた山本亮平さんの器が、有田白磁の歴史と現在を繋ぐ架け橋になればと思います。これからもどうぞ山本さんのお仕事にご注目下さい。ありがとうございました。


これからの営業案内
5/21(水)~23(金) 定休及び搬出休
5/24(土)~27(火) 常設展示
5/28(水)、29(木) 定休日
5/30(金)~6/3(火) 常設展示
営業カレンダー

ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
営業時間/11:00~18:00


by sora_hikari | 2014-05-20 18:00 | 山本亮平2014

「山本亮平 有田白磁の系譜」 有田の矜持

山本亮平展 ~有田白磁の系譜~」(~5/20まで)の10日目。会期は明日5/20までとなります。1616年に開花した有田の磁器生産は、1640年代の明末・清初の混乱期に中国からの磁器輸入が止まった事もあって、日本国内市場を席巻するようになります。当時、まだ木漆器が食器の中心だった日本で、一般庶民の食卓でヤキモノが使われるようになるのは、1700年代になってからです。それも磁器の堅牢で使い易い実用性があったからこそでしょう。1700年代後半には、その生産地は、愛知県の瀬戸焼、京都の京焼、愛媛の砥部焼、石川の九谷焼、福島の会津本郷焼、島根の意東焼、宮城の切込焼など全国に広がっていきました。日本の食卓を変えるきっかけとなった有田の磁器。その原点を探る山本亮平さんの今回のお仕事。それは、推理小説を読む様にスリリングで楽しい体験だとおっしゃいます。原材料づくりからの作業は、決して楽ではないはずですが、そのわくわくした表情を見ていると、今は作る事が楽しくてしょうがないという気持ちが伝わってきます。窯跡、陶片、歴史書など豊富な現物の資料。そのヒントを下さる地元の先輩作家、同世代の仲間、学芸員の方々。それは、有田という伝統の地だからこそできるプライドのある仕事ではないでしょうか。

山本亮平さんの工房の近くにある古い窯跡の様子
d0087761_1334477.jpgd0087761_1335663.jpg
d0087761_134559.jpgd0087761_1341457.jpg
d0087761_1302639.jpgd0087761_1303863.jpg


有田町にある泉山陶石採掘場跡
400年かけて山ひとつを日本の食器に変えた場所。
d0087761_0374779.jpgd0087761_038253.jpg

九州陶磁文化館
有田磁器の歴史がわかる博物館。有田磁器を網羅した柴田夫妻コレクションは圧巻です。
d0087761_0381568.jpgd0087761_039501.jpg



山本亮平展 ~有田白磁の系譜~
2014年5月10日(土)~20日(火) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00  
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

d0087761_2384574.jpgd0087761_2385944.jpg
 画像クリックで拡大


by sora_hikari | 2014-05-19 17:00 | 山本亮平2014

「山本亮平 有田白磁の系譜」 花入

山本亮平展 ~有田白磁の系譜~」(~5/20まで)の9日目。会期は残り2日となりました。本日ご紹介するのは、花入れ。今回は、提灯形の白磁壺や、角柱形の掛花入が展示されています。白磁の壺は、かつての朝鮮の陶工が故郷を偲んで作ったようにも見えます。望郷の思いが伝わってくる哀愁のある美しさです。角柱形の掛花入は、米国・日本美術蒐集家のハリーパッカードコレクションにもある珍しい形をしています。いずれも山本さんらしい清楚な姿。花を美しく引き立ててくれます。

d0087761_0371187.jpg
白磁壺
高さ20cm 胴径17cm 54000円(税込)
提灯形の李朝白磁に影響を受けながらも伊万里ならではの少し愛嬌を感じる形。

d0087761_0372556.jpg
伊万里壺
高さ25cm 胴径21cm 86400円(税込)
李朝形。提灯のような形状。有田でも同じ形が見られ、当時の陶工の故郷・朝鮮の望郷を感じる白磁壺。薪窯の良い仕上がり。

d0087761_0374234.jpg
白磁掛花入
高さ24.5cm 幅8cm 21600円(税込)
無文の白磁掛花入れ。角柱の珍しい形。花を入れない時の蓋付きです。日本美術蒐集家のハリーパッカードのコレクションにもある掛花入。

d0087761_0375851.jpg
白磁掛花入
高さ20cm 幅7cm 16200円(税込)
無文の白磁掛花入れ。角柱の珍しい形。花を入れない時の蓋付きです。日本美術蒐集家のハリーパッカードのコレクションにもある掛花入。

d0087761_0401958.jpg
染付蓮文掛花入 
長さ20.5cm 7cm角 21600円(税込)
角柱状の掛花入れ。花を入れない時の蓋付きです。口は広めなので、太い茎の草花や枝物も受け止められる。抽象化された染付柄は、初期伊万里の蓮池文のアレンジ。

d0087761_0403582.jpg
伊万里染付花弁壺(参考品)
初期伊万里小壺の特徴的な形。胴には染付の花文が描かれています。薪窯の熱で崩れた姿。非対称の美しい動きが出ています。


山本亮平展 ~有田白磁の系譜~
2014年5月10日(土)~20日(火) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00  
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

d0087761_2384574.jpgd0087761_2385944.jpg
 画像クリックで拡大


by sora_hikari | 2014-05-18 17:00 | 山本亮平2014

「山本亮平 有田白磁の系譜」 素文白磁

山本亮平展 ~有田白磁の系譜~」(~5/20まで)の8日目。本日紹介するのは、素文の白磁。当時の染付が中国の影響下にあるとすれば、文様無しの白磁は李朝と関連性が高いものです。今回の素文白磁は、柔らかな乳白手とは違った堅手の仕上がり。磁器土と釉石を原料にして薪窯で焼いているため、ひとつひとつ微妙な色合いの個性が生まれています。一見すると愛想なく無口だけれど、付き合っていくとその奥深さに魅せられる。人も同じですね。飾らず素な心を持った大人に使って頂きたい白磁です。

d0087761_348441.jpg
白磁猪口
径8cm 高さ7.5cm 3240円(税込)
薄造りの素形の猪口。窯の場所によって、微妙な色の変化が楽しめます。

d0087761_3485515.jpg
白磁猪口
径8cm 高さ7.5cm 3240円(税込)
薄造りの素形の猪口。窯の場所によって、微妙な色の変化が楽しめます。

d0087761_18582752.jpg
白磁小猪口
径6.5cm 高さ6cm 3240円(税込)
小さめの白磁猪口。薪窯の味わいある仕上がり。ひと口のみのかわいいサイズです。

d0087761_349416.jpg
白磁猪口 高台の砂目(参考)
釉薬がくっつかないように敷かれた砂目の跡。朝鮮の古い技法です。

d0087761_3491182.jpg
白磁猪口 高台の砂目(参考)
釉薬がくっつかないように敷かれた砂目の跡。朝鮮の古い技法です。

d0087761_3492667.jpg
白磁湯呑み 
径9cm 高さ4.5cm 3780円
李朝堅手の写し。端反りの形は初期伊万里でも色濃く影響を受けている。

d0087761_3494011.jpg
白磁湯呑み 
径9cm 高さ4.5cm 3780円
見込みには、薪窯の灰を被った変化が見えます。

d0087761_1859449.jpg
白磁湯呑み 高台(参考)
李朝堅手の写し。高台周り。

d0087761_19323971.jpg
白磁碗
径12cm 高さ6cm 3780円
端反りの白磁碗。手に馴染み易い形。薪窯による個体差も楽しめます。

d0087761_1911337.jpg
白磁皿
径15cm 高さ3.5cm 3780円
5寸の白磁皿。李朝堅手の写し。素っ気なさの奥にある味わいの一枚。

d0087761_3495675.jpg
白磁皿
径15cm 高さ3.5cm 3780円
5寸の白磁皿。李朝堅手の写し。見込みには重ね焼きの目跡。李朝は砂目積みだが、胎土目積みにアレンジ。

d0087761_1141353.jpg
伊万里白磁小坏
径6.5cm 高さ4cm 3780円
薪窯で焼かれた小坏。じっくりと滲んだ白が綺麗です。磁器ならではの滑らかな口当たり。

d0087761_1142114.jpg
伊万里鎬小坏
径6.5cm 高さ4cm 6480円
薪窯で焼かれた小坏。胴は鎬(しのぎ)が施されています。釉の変化が綺麗な小粋な一品。


山本亮平展 ~有田白磁の系譜~
2014年5月10日(土)~20日(火) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00  
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

d0087761_2384574.jpgd0087761_2385944.jpg
 画像クリックで拡大


by sora_hikari | 2014-05-17 17:00 | 山本亮平2014

「山本亮平 有田白磁の系譜」 無地唐津

山本亮平展 ~有田白磁の系譜~」(~5/20まで)の7日目。本日ご紹介するのは無地唐津。古唐津は、骨董の世界では根強い人気のあるカテゴリーです。また唐津周辺には多彩な唐津焼を製作する多くの作家がいます。山本亮平さんの作る「無地唐津」は、いわゆる茶陶向きの本場「唐津焼」としてのアプローチではなく、あくまで有田という土地側から捉えた内容です。茶の湯や骨董として愛好される古唐津が作られた期間は1580年代から1630年代(30~50年)迄と意外と短く、有田で磁器が完成すると入れ替わるように衰退していきました。唐津焼は、唐津の岸岳を中心に有田・武雄・伊万里・平戸などの周辺地域でも作られました。唐津の中心を離れた有田では、庶民向けの器の生産が多かったようです。山本さんが取り組む無地唐津(砂岩に灰釉)は、有田の古い窯で、磁器と陶器が一緒に焼かれていた頃の庶民向けの唐津です。その姿は、李朝を思わせる素直な器形が多く、控え目な造りと焼き上りが特徴です。この外連味(けれんみ)のない器は、現代の食卓に自然に溶け込んでくれることでしょう。

d0087761_2063765.jpg
唐津山盃 
径6.5cm 高さ4.5cm 4320円(税込)
山本さんの近くの古い窯跡から出る盃は、ほとんどがこのような山盃。ころっとした丸みのある形が手に馴染みます。

d0087761_17131490.jpg
唐津山盃 
径6.5cm 高さ4.5cm 4320円(税込)
同じく唐津の山盃。

d0087761_156642.jpg
唐津馬盥(たらい)盃 
径9cm 高さ3.5cm 5400円(税込)
馬の水飲みの盥(たらい)の形から呼ばれる盃。

d0087761_2062664.jpg
灰釉ぐい呑み 
径6.5cm 高さ5cm 6480円sold out
やや筒形のぐい呑み。古唐津のぐい呑みで良く見られる形。古唐津のぐい呑みは、左党の骨董好きの憧れ。

d0087761_2065213.jpg
唐津山盃の高台 (参考)
しっぴきの切りっぱなしの勢いのある仕上げ。

d0087761_207537.jpg
灰釉ぐい呑みの高台(参考)
さっくりとした砂岩らしい質感です。

d0087761_2071392.jpg
灰釉ぐい呑みの高台(参考)
高台内は、兜巾(ときん)状になっています。

d0087761_1711058.jpg
唐津馬盥盃の高台(参考)
さっくりとした土肌。高台周りに綺麗な梅花皮(かいらぎ)が出ています。

d0087761_1562575.jpg
灰釉片口 
7560円sold out
頁岩(けつがん)を原料に使った片口。鼠色の渋い焼き上がりです。

d0087761_2072495.jpg
灰釉碗 
径11cm 高さ6.5cm 3780円
砂岩をベースに、自宅の樫やツツジを釉薬に使ったもの。胴から高台周りには、釉薬の縮れである梅花皮(かいらぎ)が出ています。

d0087761_2073163.jpg
灰釉碗 
3780円sold out
形や砂目積みは、唐津以前の李朝を意図した碗。釉の流れがアクセント。

d0087761_2075892.jpg
灰釉鉢 
径14.5cm 高さ6cm 3780円(税込)
砂岩の層に挟まれた風化粘土を使った鉢。見込みの砂目積みがアクセント。

d0087761_208576.jpg
灰釉浅鉢 
径19.5cm 高さ6.5cm 5400円(税込)
広くて浅い使い勝手の良い鉢。料理が盛り映えする色合いです。

d0087761_2082724.jpg
焼締め瓶 
高さ18cm 胴径10cm 10800円(税込)
初期伊万里の窯では、わずかに焼締めも出てきます。焔の照りが見所の壺。花が映えます。

d0087761_2083568.jpg
焼締め徳利 
高さ16cm 胴径10cm 16200円(税込)
初期伊万里の窯では、わずかに焼締めも出てきます。灰黒の渋い徳利。かせた質感で味わいがあります。


山本亮平展 ~有田白磁の系譜~
2014年5月10日(土)~20日(火) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00  
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

d0087761_2384574.jpgd0087761_2385944.jpg
 画像クリックで拡大


by sora_hikari | 2014-05-16 18:28 | 山本亮平2014

「山本亮平 有田白磁の系譜」 乳白手

山本亮平展 ~有田白磁の系譜~」(~5/20まで)の6日目。会期は折り返しとなりました。本日ご紹介するのは、山本さんがデビュー当初より手掛けている乳白手の器です。有田の伝統技法である「型打ち」という方法によって花形・菊形・八角に成型されています。薄造りの器胎を覆う乳白色は、型打ちの稜線に、とろけるような美しい陰影を作り出します。定番で作ってきたこの白の原点は、柿右衛門様式の「濁し手」と呼ばれるお米の研ぎ汁を指す白の美しさに通じています。柿右衛門様式とは、この濁しの白を生地にした、日本らしい左右非対称の花鳥図と、余白の白が特徴的な色絵の器です。1610年代に興った有田での磁器生産は、当初、中国からの様式や技術が用いられて大きく発展しました。やがて1670年代頃から柿右衛門をはじめとする、日本の美意識によるオリジナリティのある染付や色絵が作られるようになります。当時、東インド会社を通じたヨーロッパへの輸出により、柿右衛門の器は現地の貴族に愛好され、欧州初の磁器ドイツ・マイセン窯にも大きな影響を与えました。この柿右衛門様式に見られる余白、繊細な線、色遣いなどの引き算の美学こそ、中国の影響から解放された日本独自の磁器の完成だったと言えるかもしれません。本展は、有田での白磁完成前、白磁草創期、染付発展期、そしてこの「乳白」の器を完成期として捉えています。山本さんが早くから手掛けてきた白い器。その美しさの歴史的な意味も併せて感じて頂ければと思います。

d0087761_002449.jpg
花形4寸鉢 
径12cm 高さ5cm 3240円(税込)

d0087761_081648.jpg
花形4寸鉢 
径12cm 高さ5cm 3240円(税込)

d0087761_005076.jpg
菊花形取鉢 
径15cm 高さ4.5cm 4320円(税込)

d0087761_005950.jpg
稜花取鉢/口紅 
径15cm 高さ4.5cm 4320円(税込)

d0087761_0373615.jpg
陽刻椿蝶文鉢/口紅 
径15cm 高さ4.5cm 4320円(税込)

d0087761_011169.jpg
花形5寸皿 
径15cm 3cm 3456円(税込)

d0087761_012070.jpg
花形5寸鉢 
径15cm 高さ4.5cm 4320円(税込)

d0087761_013290.jpg
八角5寸鉢 
径15cm 高さ6.5cm 4320円

d0087761_074033.jpg
花形鉢 
径18.5cm 高さ7.5cm 5940円(税込)

d0087761_015492.jpg
稜花鉢 
径18cm 高さ7.5cm 5940円(税込)

d0087761_0254.jpg
八角鉢 
径20cm 高さ7cm 6480円(税込)

d0087761_072163.jpg
菊花形大鉢 
径22.5cm 高さ8.5cm 12960円(税込)

d0087761_024272.jpg
ねじり花豆皿 
径9cm 高さ2cm 1296円(税込)

d0087761_025896.jpg
オーバル皿 
長辺32cm 短辺19cm 高さ2.5cm 7560円(税込)

d0087761_031015.jpg
カップ&ソーサー 
カップ 3780円(税込) ソーサー2160円(税込)

d0087761_032030.jpg
スプーン 
白スプーン大 1690円(税込) 白スプーン小1296円(税込) 藍スプーン 1728円(税込)

d0087761_033010.jpg
展示の様子

d0087761_0514467.jpg
展示の様子

d0087761_034142.jpg
展示の様子


山本亮平展 ~有田白磁の系譜~
2014年5月10日(土)~20日(火) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00  
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

d0087761_2384574.jpgd0087761_2385944.jpg
 画像クリックで拡大


by sora_hikari | 2014-05-15 18:57 | 山本亮平2014

「山本亮平 有田白磁の系譜」 初期伊万里

山本亮平展 ~有田白磁の系譜~」(~5/20まで)の5日目。本日ご紹介するのは染付の器です。作風は、初期伊万里(1610年代~1640年頃)を意図したものになります。伊万里焼とは、積み出し港を呼称とした有田を含む肥前一帯で焼かれた器を指します。初期伊万里→古九谷→鍋島、柿右衛門→古伊万里と、様式や時代で区分されていますが、その内、初期伊万里はその名の通り、磁器が生まれた最初の頃の作風になります。染付や色絵技術が向上する前の時代ですが、すでに中国の影響を受けた染付の器が主流でした。当初は素焼きを行わずに、「生掛け」のまま焼かれため、器胎は厚く、白も鈍い色合いで、呉須絵は豪放なものが多かったようです。その研ぎ澄まされ過ぎない枯れた姿が、かえって愛好家に人気があるようです。山本さんは、染付を有田の窯業大学で学びましたが、デビュー当初から現在まで、無地の白磁を中心に作ってきました。本展では、有田の磁器(伊万里焼)を遡る為に、避けては通れない初期の「染付」に取り組みました。今回の絵付けは、同じく有田窯大の卒業生である奥様の由紀さんと分業しながら製作したものです。初期伊万里とはいっても、豪放な作風に流れるのではなく、山本さんらしい繊細な文様が選ばれており、その淡い藍色の繊細な筆使い、濃み(ダミ)と呼ばれる面塗りの濃淡など、高度なレベルに達しています。白の器の山本亮平さんから、新たに山本亮平さん・由紀さんご夫妻の染付は、これから代表的な作風に成ることでしょう。

d0087761_3323633.jpg
染付辰砂草花蝶文5寸鉢
径15cm 高さ5.5cm 5940円(税込)
繊細な線と余白の美しい鉢。辰砂と呼ばれる朱点がアクセントに効いています。文様は1630~40年代の平皿からの写し。絵柄は中国風を目指し始めた頃。

d0087761_3324638.jpg
染付花鳥文5寸鉢 
径14.5cm 高さ5cm 5940円(税込)
淡い藍色で涼しげな鉢。軽やかなタッチの花鳥柄。余白の取り方が美しい1枚。絵柄は初期尺鉢からのアレンジ。

d0087761_3325616.jpg
染付牡丹文6寸皿
径18cm 高さ4cm 8640円(税込)
濃(ダミ)筆で描かれた藍の濃淡が美しい鉢。有田草創期の天神森窯跡の陶片に同様の柄有り。高級品が焼かれた古窯で、構図・線・ダミ、どれをとっても美しい逸品に近づく仕事。

d0087761_16462381.jpg
染付辰砂草花蝶文瓶 
高さ18.5cm 胴径11cm 27000円(税込)
鈍い灰青白をベースにして草花がそよぎ、蝶が舞っています。情緒豊かな逸品。絵柄は李朝系の平皿にある初期の写し。

d0087761_16145315.jpg
染付菊唐草文瓶 
高さ18.5cm 胴径10cm 27000円(税込)
やや厚造りの枯淡の風情。リズムのある菊唐草文が味わいある景色を作ります。1630年代の天狗谷窯跡の陶片からの写し。

d0087761_3333923.jpg
染付蓮文掛花入 
長さ20.5cm 7cm角 21600円(税込)
角柱状の掛花入れ。口は広めなので、太い茎の草花や枝物も受け止められる。抽象化された染付柄は、初期伊万里の蓮池文のアレンジ。

d0087761_16123176.jpg
染付花弁文皿
5寸/径15cm 高2.5cm 4860円(税込)、7寸/径21cm 高3.5cm 8640円(税込)
初期伊万里の写し。腰折れの珍しい形の皿。口縁のとがったギザギザは、イゲ縁と呼ばれる。見込みには牡丹の線刻彫り、三方の染付は半裁の菊文。

d0087761_16151150.jpg
染付花弁文砂目積皿 
径17cm 高さ4.5cm 6480円(税込)
草創期伊万里の染付を意図した皿。陶器・磁器併用窯で焼かれていた頃の作風。砂目積みと釉剥ぎの朝鮮と中国南部の両方の技術が見られる。掠れた絵柄と、目積みの跡が掛け合わされた儚さの美しい一枚。

d0087761_3335396.jpg
伊万里染付辰砂小坏 
径7cm 高さ4cm
初期伊万里の坏を意図したもの。染付けに辰砂の紅のポイントが美しい。まさに色気を感じる小品也。

d0087761_3341695.jpg
伊万里染付小坏(右側) 
径7cm 高さ4cm 5400円(税込) 
※左側は初期伊万里坏(参考品)
初期伊万里の坏を意図したもの。薪窯の熱を帯びてやや変形したところに、どの方向からも楽しめる坏。


山本亮平展 ~有田白磁の系譜~
2014年5月10日(土)~20日(火) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00  
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

d0087761_2384574.jpgd0087761_2385944.jpg
 画像クリックで拡大


by sora_hikari | 2014-05-14 19:12 | 山本亮平2014

「山本亮平 有田白磁の系譜」 染付線文皿

d0087761_1423627.jpg

d0087761_1424378.jpg
 染付線文砂目積小皿 径15cm 高さ4cm 4320円(税込) / 上は初期伊万里陶片

山本亮平展 ~有田白磁の系譜~」(~5/20まで)の4日目。写真は、染付線文砂目積小皿です。磁器草創期を意識したお皿です。日本における磁器の完成は、一般的に1616年の江戸初期に朝鮮の陶工・李参平によって成されたとされていますが、古い窯跡調査では有田の諸窯で焼かれたとの見解があるようです。山本さんのこの線文染付の皿は、初期伊万里(1610年代~1640年頃)の草創期に見られる陶片を基に作ったものです。お皿の見込みには、窯の中で積み重ねて焼いた際の、蛇の目状の釉剥ぎと、胎土により目積み跡が残っており、外周には淡い染付の線が施されています。有田の磁器は、無文の白磁から染付への発展という段階を経ずに、最初の段階から染付の紋様があります。また皿の目積みの方法などからも、当時の朝鮮の陶工の技術のみならず、中国からの技術の引用が同時に見られる点が興味深いところです。無地唐津から、磁器への移行を思わせる、染付線文皿。飾らぬ楚々とした姿の美しさ。有田磁器の起点を知る上で、山本さんが取り組みたかった一枚なのだと思います。


山本亮平展 ~有田白磁の系譜~
2014年5月10日(土)~20日(火) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00  
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

d0087761_2384574.jpgd0087761_2385944.jpg
 画像クリックで拡大


by sora_hikari | 2014-05-14 02:14 | 山本亮平2014

「山本亮平 有田白磁の系譜」 灰釉溝縁皿

d0087761_0595346.jpg

d0087761_10187.jpg
 灰釉溝縁皿 径15cm 高さ4cm 3780円(税込)

山本亮平展 ~有田白磁の系譜~」(~5/20まで)の3日目。写真は、今回の個展を象徴する「灰釉溝縁皿」です。この展示会は、有田白磁の系譜を辿ることをテーマにしています。この唐津風の灰釉皿が磁器が完成する前後のものであったという認識で、その再現に臨んだ作風になります。山本さんの工房のすぐ近くには、有田草創期(1600年~1630年)の古い窯跡があり、そこからは、このような灰釉の陶片や初期伊万里の白磁片が混在しながら出てきます。写真の上にある陶片は、山本さんの家の隣の畑から出てきたもので、当初はこれを写して作ることがきっかけになり、今回のような仕事がスタートしました。写真下は山本さんの新作になります。唐津から派生した窯は、その周辺であった有田方面まで広がりました。当初は、朝鮮からの陶工が磁器を作るための方法を用いながら、純粋な材料が見つからずに、このような色合いの器が作られたのではないかと考えられるそうです。事実、材料も粘土ではなく、砂岩を使った磁器質に近いものが使われています。焼き締まりは硬く、たたくとキンキンと高い硬質な音がします。山本さんは、当初はこの形を写すことから取り組みましたが、やがてその素材感まで近づきたくなり、砂岩を砕いて材料にし、庭木の灰と砂岩を合わせた釉薬を作り、薪窯による焼成など、なるべく当時の方法に倣って、これを再現することを行っています。東京出身の山本さんが、有田で焼き物を学び、そこで暮らし、そこで作り、そしてその歴史を掘り下げていく。作家として自分の作ってきた白磁の原点に近づいてみたいという純粋な気持ちに突き動かされた結果が、このような器作りに繋がっているのです。生産効率からすれば遠回りの仕事になりますが、そこからしか近づけない「質感」を追ったのが、この「灰釉溝縁皿」なのです。


山本亮平展 ~有田白磁の系譜~
2014年5月10日(土)~20日(火) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00  
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

d0087761_2384574.jpgd0087761_2385944.jpg
 画像クリックで拡大


by sora_hikari | 2014-05-13 01:21 | 山本亮平2014

「山本亮平 有田白磁の系譜」 レンゲ

d0087761_23535591.jpg

山本亮平展 ~有田白磁の系譜~」(~5/20まで)の2日目になります。写真は山本さんのレンゲ。定番で作っているものです。染付の繊細さが窺えるお仕事です。


山本亮平展 ~有田白磁の系譜~
2014年5月10日(土)~20日(火) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00  
ギャラリーうつわノート(埼玉県川越市) 地図

d0087761_2384574.jpgd0087761_2385944.jpg
 画像クリックで拡大


by sora_hikari | 2014-05-11 23:56 | 山本亮平2014