カテゴリ:見て歩き

  • 悠久の美 @ 出光美術館
    [ 2012-04-11 23:32 ]
  • KATAGAMI Style @ 三菱一号館美術館
    [ 2012-04-11 22:22 ]
  • 前田美絵 陶展 @ FALL
    [ 2012-04-08 22:43 ]
  • おおたにくんちの桜を @ みずのそら
    [ 2012-03-23 19:44 ]
  • 服部竜也 陶展 @ poooL
    [ 2012-03-23 18:27 ]
  • スリップウェアと西洋工芸 @ 日本民藝館
    [ 2012-01-09 00:15 ]
  • 秋岡芳夫 展 @ 目黒区美術館
    [ 2011-12-23 01:52 ]
  • R @ 西麻布
    [ 2011-12-16 01:39 ]
  • 10 & 100展 @ DEE’S HALL
    [ 2011-12-16 01:12 ]
  • 鎌田奈穂 Vent @ Gallery SU
    [ 2011-11-24 02:01 ]

悠久の美 @ 出光美術館



丸の内の出光美術館で開催されている「悠久の美  ~唐物茶陶から青銅器まで~」展に行ってきました。これは中国の古い工芸作品を扱った展覧会です。会場は大きく3つで構成されており、一部は日本に渡来した「唐物=中国もの」の陶器・水墨画・銅器・漆器などの展示、二部は古代中国のものを祖形とする倣古品の展示、そして三部は本流とも言うべき古代の中国(商・周時代)の青銅器などの展示となっています。本展は展示物も見どころですが、一部で日本で尊重された「唐物」、二部でその「唐物」の意味合いが、中国本土では古い時代の玉や青銅器に憧憬を込めた「倣古品」とした切り口で対比して並べられている点、そして三部でその源流を遡った展示物を集約した会場構成の企画力も見逃せません。個々に見ると天目茶碗の優品に目が留まりしたが、なんといっても本展の核となるのは最後の部屋に並んだ堂々たる青銅器の数々です。美術館のホームページには満を持しての一挙公開とのことです。日本がまだ縄文・弥生の時代に、これだけの工芸品が作られていたことに驚きます。そして時代を経て作りだされた青銅の質感は見事です。本展のタイトルにもなった「悠久」という時間が相応しい時間の奥深さを感じる展示品の数々でした。


悠久の美  ~唐物茶陶から青銅器まで~
2012年4月3日(火)~6月10日(日)
10:00~17:00
月曜休館
出光美術館(東京・丸の内) ホームページ




by sora_hikari | 2012-04-11 23:32 | 見て歩き

KATAGAMI Style @ 三菱一号館美術館



丸の内の三菱一号美術館で開催れている「KATAGAMI Style  世界が恋した日本のデザイン」展に行ってきました。これは江戸時代に着物の柄に使われた型紙のデザインを軸に、それが世界にどのような影響を与えたのかを俯瞰した展覧会です。日本の浮世絵が印象派の画家などに与えた影響は広く知られていますが、本展は同時期に欧米に渡った型紙というもうひとつのジャポニスムにスポットを当てたのがユニークな点です。第一章では、日本の型紙と着物の展示、それ以降は、第二章:イギリスやアメリカ(アーツアンドクラフツ運動)、第三章:フランスやベルギー(アールヌーボー)、第四章:ドイツ・オーストリア、オランダ(ユーゲントシュティール)など各国の様式と日本の型紙デザインとの関連づけの展示となっています。着物の型紙と言えば、伊勢型紙()を代表とする柿渋で固めた紙に、極小のドットや線を切り込んだ繊細なデザインを思い浮かべます。本展では、それら江戸時代に作られた日本独自のリズミカルに平面構成された美しいパターンの型紙をいくつも見ることができます。それらが19世紀後半になって、欧米に持ちだされ各国の美術運動やデザイン様式に影響を与えた様子を、実際の当時の展示品に照らし合わされながら会場を見て廻ることができます。とてもメジャーな世界の様式にもたらした型紙の数々の意匠の片りんを見ると、あらためて日本の優れたデザイン性を認識することができます。また、型紙そのものの美しさも格別です。柿渋の濃い茶をベースに、切り抜かれた細やかなパターンは、絵画的にも美しいものです。会場には、その型紙を製作する工程を紹介する映像も上映されており、大変興味深く見ました。職人の手仕事が作りだした技が、美として昇華した様を体験できる展覧会です。


KATAGAMI Style  世界が恋した日本のデザイン
2012年4月6日(金)~5月27日(日)
10:00~18:00 火・土・日・祝日
10:00~20:00 水・木・金
月曜休館
三菱一号館美術館 (東京・丸の内) ホームページ




by sora_hikari | 2012-04-11 22:22 | 見て歩き

前田美絵 陶展 @ FALL







西荻窪のFALLで開催されている前田美絵さんの展示会に行ってきました。前田さんは埼玉県蓮田市で制作されています。大学時代は美大でテキスタイルを学び、卒業後陶芸の世界に魅せられ作り始めたそうです。前田さんの作る器は、落ち着いたトーンの色の器。今回の個展では、白・緑・茶・薄茶の4色(月白色、緑青色、梅鼠色、鉄黒色)を展示されていました。どの色もグレイッシュトーンの中間的な色味で、お互いが調和する彩になっています。その色を基調に、粗めの土味と整ったフォルムの取り合わせが綺麗です。ざっくりしたアースカラーのセーターのような感触と北欧のモダンデザインのスタイルを併せ持った印象です。また、押し型の抽象パターンが付けられたものや、身につける陶のアクセサリーも展示されており、女性らしい視点の作品も心に残りました。色使い、模様、フォルムなど、元々テキスタイルデザインを学ばれたというだけあって、陶土と平面パターンの構成力が魅力的な器でした。今年の5月にはクラフトフェア松本()にも初めて出展されるということですから、今後活躍の場が広がっていくのも楽しみです。

前田美絵さんのホームページ


前田美絵 陶展
2012年4月4日~8日
FALL (東京・西荻窪) ホームページ


by sora_hikari | 2012-04-08 22:43 | 見て歩き

おおたにくんちの桜を @ みずのそら








西荻窪のギャラリーみずのそらで開催されている「おおたにくんちの桜を」展に行ってきました。これは、大谷工作室(造形)+平間磨理夫さん(花活け)+宮濱祐美子さん(写真)によるコラボレーション企画展です。事の発端は、大谷さんの滋賀県の実家にある桜を都合による伐採することになり、それを大谷さんの作る器に、平間さんが活け、それを宮濱さんが記録するといった一連の流れになっています。これ至るには、桜の伐り出し、桜を受ける大壺の製作、開花に合わせた調整、木を自立させる河原石拾い、信楽からの運搬、会場での設営、その写真記録とアーカイブ。そして会場で日ごとに花を咲かせる桜の姿と大谷工作室の作品群。会の終了後は、この木々の枝を薪窯の燃料として使うのだそうです。いわば、この展示会は、3人の活動をここに集約した「出来事」なのかもしれません。大谷さんの展示会に行くと、製作した作品に目が留まりますが、それに加えて、いろいろな人がその場に巻き込まれていく不思議なパワーを感じます。展示は移ろい行く事象に過ぎませんが、その確かな残像が、人と作品の間に残っていくのでしょう。この企画は、多くの作り手、そして使い手を繋げていくギャラリーみずのそらだからこそ出来たことだと思います。


おおたにくんちの桜を
2012年3月17日(土)~25日(日)
12:00~19:00 (最終日は17:00迄)
ギャラリーみずのそら (東京・西荻窪) ホームページ

工作 / 大谷工作室
いける / 平間磨理夫 LINK
写真 / 宮濱祐美子 LINK

平間さんの花いけ教室
3月24日(土) 13:00の回 16:00の回 4000円
予約制 みずのそら 03-3390-7590




by sora_hikari | 2012-03-23 19:44 | 見て歩き

服部竜也 陶展 @ poooL

poool 本店 服部竜也展




poool 02 古道具とくらす展



吉祥寺のpoooLで開催されている服部竜也展に行ってきました。駅から中道通りを西方向に歩いて10分ほどの所にある古い建物の1階にあります。かつて漆器の店KINJU()があった所です。現在は暮らしの道具を扱うお店になっています。服部さんは岐阜県土岐市で製作しています。細い線彫りをした上に、金属質の釉薬をまとった繊細な器が特徴的です。本展でも、錆銀彩、黒銀彩、黒線刻、銀線刻などの器をたくさん見ることができました。昨年、当店でも展示をして頂きましたが、新たなアイテムも増えて、益々充実したお仕事ぶりが伺えます。またpoooLは、もう一店舗のpoooL 02が駅寄りのところにあり、そちらでは「古道具と暮らす」と題して、千葉のcohako(コハコ)さんによって集められた古道具展が開催されていました。どちらの店舗も落ち着いた店内で、ゆっくりと展示品を選ぶことができます。poooLへ行ったのは今回がはじめてでしたが、吉祥寺にまた良いお店ができ、今後どのような企画が行われるのか、これからも楽しみです。


服部竜也 陶展
2012年3月17日(土)~25日(日)
12:00~19:00
poooL (東京・吉祥寺) ホームページ





古道具とくらす
2012年3月3日(土) 〜 4月8日(日) 火曜定休
12:00~19:00
poooL 02 (東京・吉祥寺)ホームページ

by sora_hikari | 2012-03-23 18:27 | 見て歩き

スリップウェアと西洋工芸 @ 日本民藝館





駒場の日本民藝館で開催されている「スリップウェアと西洋工芸」展に行ってきました。本館で2004年に開催()されて以来のスリップウェアを特集した内容です。スリップウェアとは、泥状の化粧土(slip=泥漿)で模様を描いた器(WARE)を呼びます。古くは紀元前の中国やメソポタミア、近世ではオランダ・ドイツでも見られるようですが、本展では、英国を中心とする18世紀~19世紀のスリップウェアが展示されています。本国イギリスではスリップウェアと言うと、トフトウェアと呼ばれる作者の銘を入れた鑑賞用の飾り皿がメインだったそうですが、日常食器として使われた無銘のスリップウェアを見立てたのが柳宗悦や民藝運動に関わった陶芸家です。装飾はシンプルな抽象的な模様が多く、実際にオーブンの中で火に掛けられ、料理が盛られた生活用具。ガレナ釉という低火度釉で焼かれた表面と厚手の器体。その上に描かれた線状の模様は、装飾的でありながら、絵柄を誇示するような作為がなく、素朴で柔和な印象があります。それらは英国の古窯で焼かれたものですが、日本の民藝運動家によって、その存在価値を見出された日本的な美意識に基づく器と言えます。その影響を受けたリーチ、濱田庄司、河井寛次郎、舩木道忠、舩木研兒によるスリップウェアの器も作られました。本会場では、スリップウェアの展示と同時に、家具、ピュータ、デルフトタイル、壁画、ネウマ譜など中世の西洋工芸品も見ることができます。いずれも鑑賞用の展示物ですが、現在のブロカント興味の視点で見ると、どれも所有欲が湧きおこる垂涎の物ばかりです。民藝館の所有する西洋の優品を目にすることが出来、見応えのある展示会でした。


スリップウェアと西洋工芸
2012年1月7日(土)~3月25日(日)
10:00~17:00
月曜休館(祝日の場合は翌日)
入館料:一般1000円
日本民藝館 (東京・駒場東大前) ホームページ

※本展のちらし(PDF)

by sora_hikari | 2012-01-09 00:15 | 見て歩き

秋岡芳夫 展 @ 目黒区美術館



目黒区美術館で開催されている「秋岡芳夫展」に行ってきました。デザイナー秋岡芳夫氏(1920-1997)を辿る展覧会。戦後間もない頃の工業製品のデザインから、晩年の木工品デザイン、地域活動、蒐集した道具の陳列までの流れを、モノの展示とともに、その思想にも触れることのできるスケッチや言葉も併せた内容になっています。秋岡さんと言えば、丸みを帯びた木工製品を思い浮かべ、スタイリッシュさよりも、どちらからと言うとヒューマンなクラフトデザイナーという印象を持っていました。しかし本展でその仕事の流れを追う事で、それだけに留まらないデザイナーであった事を痛感しました。日本がまだデザインという意識が確立していない時代から既に優れた工業製品のデザインを手がけると同時に、デザインを生業として確立するための契約項目の定型化や、デザインプロセスを会議で進める問題抽出と解決のスタイルの実践など、外形的なデザインだけでない根本から取り組んだ改革者であったことが伝わってきます。そしてやがて60~70年代の高度成長期には既に大量消費によるデザインに懐疑心を持ち、もっと地域や個人の暮らしに根差したモノとの関係性に目を向けはじめます。その意識が木工デザインや生活デザインといった仕事へと繋がっていったようです。モノと人とのより良き関係を象徴する「消費者よりも愛用者へ」や「手の復権」という言葉に表れていると思います。こういう流れを見ると、この展覧会は秋岡芳夫というデザイナーの偉業を振り返るだけでなく、むしろ現代の暮らしとモノづくりの関係を見つめる上で、とても啓発的な発信がされているのだと感じました。会場の順路最後にある部屋には、秋岡氏が当初手掛けていた童画や子供玩具のスケッチが公開されています。メインの仕事としてあまり知られていませんが、ここに人とのコミュニケーションを大切にする氏の原点を見る思いがしました。それは理屈だけではない、分かり易く伝えようとする目線の置きどころと表現力なのだと思います。この時代だからこそ、あらためて見直される秋岡芳夫氏の存在の意味が伝わってくる刺激のある展覧会でした。


秋岡芳夫展 ~モノへの思想と関係のデザイン~
2011年10月29日~12月25日
10:00~18:00
月曜休館
目黒区美術館 (東京・目黒) ホームページ

※本展の図録の内容も充実しています(B5変形 220ページ 2500円)

by sora_hikari | 2011-12-23 01:52 | 見て歩き

R @ 西麻布




西麻布にあるカフェ「R」に行ってきました。ここは、以前、骨董とカフェを営む「さかむら」のあった所です。その坂村さんが熊本に移転されることになって、その場を引き継いだのが、この「R」です。オーナーは滝本玲子さん。器を取り巻く手仕事の世界では良く知られた方です。時折り、器の展示会の際にお会いすることがあり、お顔は存じ上げているのですが、ある手仕事のお店の品揃えのコーディネートをされているとか、あるマルシェの企画をされているとか、あるいはお店のデザインをされているなどの話を間接的にお聞きするものの、その実際のお仕事のことは知らぬままにおりました。ただ、その人脈の広さや、選んでいる物のセンスの良さは、直接的でなくとも伝わってきておりました。それが今回、「R」を開店されたということですから、そこで出される珈琲やフードに関してもきっとこだわりのあるお店であろうと今回お伺いしてきました。今回は器展巡りのほんのひと時のお茶時間でしたが、やはり店内の落ち着いた雰囲気と深煎りの珈琲は格別でした。今度はもっとじっくりご本人と、いろいろなことをお話できればと思っています。南青山周辺にあるギャラリーや美術館(うつわ楓、DEES HALL、Sundries、東青山、根津美術館など)から麻布方面のギャラリー(桃居、MITATE、さる山など)までを繋ぐ拠点として、憩いのお店になるだろうと思います。


R
住所:東京都港区西麻布2-16-5
営業時間:12:00~21:00
定休日:日曜、月曜
ホームページ



by sora_hikari | 2011-12-16 01:39 | 見て歩き

10 & 100展 @ DEE’S HALL






南青山のDEE’S HALLで開催されている「10 & 100展」へ行ってきました。これはDEE'S HALLの10周年企画です。開設10年で100回目となる展示会。当ギャラリーで過去に展示をした47人の作り手が参加する内容となっています。このギャラリーを主宰されれているのは土器典美さん。セツモードからロンドン時代、青山でアンティーク店の時代、フォトエッセイスト時代などを経て、2001年に現在のギャラリーを開設されたようです。そこで行われる企画は、絵画・写真・服飾・アート・工芸など多岐に渡りますが、どれも一本の筋が通っています。暮らしと繋がるアート性とでも言えばいいでしょうか、それは従来の権威的なアートではなく、かといって日常性ばかりの安易なものでもない、洗練された暮らしと、そこに繋がる意識のようなものと感じています。決して10年間見続けてきた訳でもなく、むしろごく最近から一部の企画展を拝見させて頂いているだけですが、いわゆる従来の画廊とは違う新たな息吹に感化されるギャラリーだと思います。具体的に明文化することは難しいのですが、結局は土器さんの眼によって選ばれた「人」と「作られしもの」ということに尽きるように思います。10年100回で行われてきた数々の創生を本展で全て経験することは不可能ですが、その積年のエッセンスを感じることができるのはとても贅沢な体験なのだと思います。


10 & 100展
2011年12月13日(火)~22日(木)
12:00~20:00 (日曜は18:00迄。最終日は17:00迄)
DEE’S HALL (東京・南青山) ホームページ



by sora_hikari | 2011-12-16 01:12 | 見て歩き

鎌田奈穂 Vent @ Gallery SU






麻布台のGallery SUで開催されている鎌田奈穂さんの個展に行ってきました。鎌田さんは東京で製作している金工作家。金属を叩いて成形する鍛金によるカトラリーやアクセサリーを作っておられます。元々は油絵を描いていたそうですが、縁があって名古屋の金工師・長谷川竹次郎さんに師事し、この職の道に進んだそうです(こちらが詳しいです)。本展は鎌田さんにとって2回目となる個展。真鍮、銅、銀によるカトラリーやプレート。そしてアクセサリーが展示されています。フォーク、スプーン、菓子切りなどは、鈍い色味で鎚の跡が手仕事の感触を感じさせる味わいのある仕上がりです。一方、アクセサリーは繊細でぎゅっと凝縮された小さな世界。その細やかな中に、独特の風景が見えてくる不思議な存在感をもっています。鎌田さんの作る金属は、完成させ過ぎない間合いの取り方が特徴的なように思います。力を入れて叩かなければ成形できな金属ですが、そこを微妙に緩やかに仕立てる力加減や止め方が、周りの空気に委ねてくれる関係性を生み出しているのかもしれません。


鎌田奈穂  Vent
2011年11月23日(水)~12月7日(水)
12:00~19:00
※月曜休み
Gallery SU (東京・麻布台) ホームページ



by sora_hikari | 2011-11-24 02:01 | 見て歩き